ナイツは、正月に出たTV番組、さらにいうなら年末の検索ちゃんも含め、すべてネタを変えていた。千葉テレビの初春お茶の間寄席も含め。
2日のテレ東では、浅草の客の前で霜降り明星とトムブラウンのパロディで大ウケ。漫才好きの人は、年寄りでもM-1をしっかり視ているらしい。
これだけネタを変えるのはすごいものだ。まあ、1日のドリーム東西ネタ合戦は、自分たちでも認めている通り、ウケがイマイチだったみたいだけど。
私は好きですがね。
初春お茶の間寄席の座談会では、笑遊師と遊雀師が、ナイツの寄席における貢献度を激賞していた。
ナイツは3日の東西笑いの殿堂でも面白かったが、爆笑・太田に「今日のネタは最悪だったな」と話を振られ、塙さんなんとこれをスルー(手を一発叩いておしまい)。
ツッチーは軽く笑っていた。
普通には、「なんてことを言うんですか」とでも反撃しておけばそれでいい。しかし、全体の調和を無視しても、あえて乗っからなかったのだ。
ちょっと衝撃的なやり取り。太田発言をスルーし、スベらせてしまった。
最近のラジオで、太田の番組に出ると余計な時間を取られるから嫌なんだと嘆いていたが、いよいよなにか腹に据えかねることがあったのだろうか。
昨日書いた、松ちゃんのパワハラ笑いと対比してみると面白い。
誰かを傷つけてでも笑いを取るという方法論自体は変わらないのだが、片や観客まで巻き込んでギャグを成立させ、片や共感を得ずにただの誹謗と化してしまった。
これは松ちゃんの勝ちであり、そしてナイツの勝ちである。
今や爆笑問題とナイツでは、バックに背負っているものがまるで違う。自分自身の力で得た権力を背景に、ナイツが爆問に宣戦布告をしたと理解したのは、私だけではあるまい。
爆問太田、番組冒頭で例によって暴れ、「NHKをぶっ壊せ」みたいなことを叫んでいる。
一周回ってスベり直している気がする。
予定調和を壊す芸には価値があるが、予定調和の崩し方自体が予定調和になってしまっている。
まあ、日頃から落語を聴いていればわかるが、いつもいつも新しいことなんてそれほどないのだ。
さすがに来年はもう、ナイツに総合司会を譲って欲しい。ペアを組む中川家だって、ナイツのほうがやりやすいし笑いも獲れるだろう。
NHKのスタジオに、今年は柳家喬太郎師がいなかった。
まあ、昭和元禄落語心中のドラマも2018年だったし、そんなもんか。
ドラマでいうなら、古今亭菊之丞師が呼ばれてもよかったのではないかという気がするが。
昨年なぜか消えていた、新人落語大賞枠は復活している。だが優勝者の桂華紋さん、ネタが大賞と同じ「ふぐ鍋」でやや残念。
浅草演芸ホールからの中継、漫才のロケット団は、TVでもネタをほとんど変えない。
年間で最も多い高座をこなす彼らだが、ネタ数持っているくせにTVでいつも同じだというのは、ナイツ塙が皮肉っていたはず。
毎年疑問に思うのだが、松竹芸能枠は吉本と同じサイズだけども、レベルが違うのがどうなんでしょう。
昨年は松竹芸能に落語があったのに、また消えた。
吉本とレベルの差を思い知らされる漫才を流すぐらいなら、桂小春團治師の新作落語を全国に届けて欲しいなと思うのですが。
落語に関しては、吉本と松竹とでレベル差はないはず。
2日のテレ東は、毎年一応録画して、ざっと眺めるのだが今年は録画し損ねた。「落語」というキーワードが登録されていなかったみたいだ。
You Tubeで視ると、落語はちゃんと出ている。例年通り林家三平で先代譲りの源平盛衰記。
そのデキは別にして、その後に神田松之丞をぶっつけてきたのは驚いた。しかも源平盛衰記のリレーである。
なんだこれ、罰ゲームなのだろうか。
そして例によって松之丞が、三平をネタに爆笑をかっさらう。先輩だろうがなんだろうがお構いなし。
しかし松之丞、その腕は十分認めた上で言うが、私はあんまり好きじゃない。
なんだか伝統芸能界のトランプみたいだ。計算して暴言を吐くそのさまが。
みんなが思っていて、公式の場で言えないでいることを、さらっと口に出して共感を呼ぶ。
でも、こういうのが粋かというと?
しかし、寄席の出番の少ない三平、浅草演芸ホールにだけはよく出演しているのだが、浅草の客だからといってすべてが好意的ではないのだな。