最新テレビで楽しむ配信ライフを先月始めたが、いきなり今月はお休み。
サブスクというもの、やめたり入ったりするのがちょうどいい。入ってるんだからと義務感に駆られて使うのも、使わないのにカネだけ取られるのもイヤなのだ。
別に月の途中から始めたら損するわけではない。産経らくごで柳家喬太郎師の「ちりとてちん」(聴いたことない)が今月いっぱい流れているので、月末に再開する可能性はある。
ともかく配信はないので、テレビでラジオを聴き、You Tubeを観ている。
ヨネスケちゃんねるを点けっぱなしにしていた。すでに観ているものも、そうでないものも流れる。
そういえばあかね噺の落語会における喬太郎師の「擬宝珠」。アクセス多いのだが、うち3分の1はどうやら弟子・おい太の廃業を検索してやってきたもののようである。
大したことは書いてません。知らないもん。
ヨネスケ師は再婚されたりであるとか、芸協でカデンツァ芝居のトリを頼まれて務めるとか、いろいろ話題である。
You Tubeで各種師弟関係を語るご本人は、唯一の弟子を破門している。真打だから廃業はしないけど。
テレビだと、パソコンやタブレットで見るのと全然違う。
まさに、テレビを観る感覚。
家の中心を占める家具から、いろいろ勝手に流れてくる。聴いたり聴いていなかったり。
ラジオもテレビで聴くと妙に締まる。
かつて軽く観ていただけだったため改めて面白かったのが、春風亭かけ橋二ツ目昇進披露の模様。
かけ橋さんについてやたら書いてるくせに、なぜ軽くしか観ていない? これがパソコンで眺める動画の限界だ。
元師匠三三を呼んで、満員になった披露目の会である。
この会のあと、神田連雀亭での柳家小はださんのマクラで会のようすを聴いたので、シンクロして面白かった。
会で妙に張り切っている瀧川はち水鯉(現・蛙朝)であるとか。前座の最後の頃浅草で私も聴いた、平林を熱演。
かけ橋さんが自分の高座でもって、「よく落語協会と芸術協会の違いを聴かれます。あれ(はち水鯉)が芸術協会です」。
兄弟子・春風亭柏枝師が師弟愛に感動し涙ぐんでいたのが印象的だった。こういう文化の中で育っている人には響くのだった。
だからこそ、おかしな信念でもって師弟関係を捻じ曲げる師匠は罪深い。
落語界一の美声柏枝師、以前から聴きにいきたいのだが、なかなか機会が。
それにしてもかけ橋さん、神田連雀亭にはついに出ないのだが、それでも会は非常に多い。
聴きにいきたいものだ。
関係ないが、三三師の息子さんが楽屋入りしたそうで。ただし市馬門下(市悟)。
二世が父の弟子にならなかった例というと、林家あんこさん以来だろうか。三遊亭王楽師は有名だが。
この情報を探して来られた方、ハズレですよ。
吉原馬雀さんもだが、苦難に遭った人がそれゆえに成長する例を見ると、やや複雑な気持ち。
個人的には、成長の機会を得られなかったとしても平和なほうがいいと思っている。苦難に遭って伸びる保証などまるでないし。
落語協会の噺家を順ぐりに紹介していく企画では、白鳥師のあとが林家彦いち師。
彦いち師、弟子入り前後において、いかに自分に喋る能力がなく、面白いことも言えなかったかを語っていた。
師の「長島の満月」がシンクロした。
そして「落語界に入ってくる人は才能のないやつばかり」と言い放った噺家を思い出した。
実にもって根本から間違っている。
落語界は、幼い頃から積み重ねてきた内面の溢れている人でも、勝負になる世界だなと改めて思ったのだ。正確には勝負になることがある、だけど。
芸人上がりで面白さの詰まった噺家もいて、いっぽうで落語の型から順に身につけていきながら、人に理解されづらかった生来の面白さが出てきた人もいる。これが落語界。
初めて東京で寄席に行って、最初は面白くなかったと語るのが実に興味深い。
面白くなかったことの原因を、寄席に求めるか、自分の不慣れさに求めるか。後者と思った彦いち師は偉い。
彦いち師の語り、なにかが憑依している喬太郎師や、常にテンション高い白鳥師とはまるで違い、きまじめ。
でもいろいろ幼少から詰めこんだものが外に出てくるので、やはり楽しい。
木久扇(当時・木久蔵)師に入門し、なぜ来たかと問われて「家が近かったから」と答えたのは有名なエピソードだが、真意は違ったという。
話ベタな安田青年は、単に交通手段であるとか、家の近さを答えただけだったのだ。
でも、そういう伝説が残っていく。
先の「才能のないやつばかり」と言う師匠は、志願者の内面までを見られていないんだろう。
まあ、面白いことをなにも言えず入門し、修業をしてみたら内面が充実していなくてなにも出てこなかったという人もいるのは確かでしょう。
あとは鶴光師の芸談はすばらしいものだった。
鶴光師の、喬太郎師の番組で出した芸談は当ブログでもかつて取り上げたし、本にもいろいろ書いてある。
だが、そこで聴いてない話がまだまだあって驚いた。