世の中の落語いろいろ

世の中の落語シリーズ、小ネタ三題です。

リアル壺算

先日、家族でお昼に。
街を歩いていて偶然に見つけた、民家でやってる定食屋さん。
なかなか偶然見つけるロケーションですらない。
最初入るのはちょっと勇気が要った。
孤独のグルメの気分。
(ああ。これは本当に民家じゃないか…ここが食堂か…)
「いらっしゃいませ」
(客は3組か。こちらはもう、食事を終えてテレビを観ている。こちらは、おしゃべりに余念がない。机の上には木彫りのアクセサリー。ああ、意外と…落ち着くじゃないか)
「はいどうぞ」「すみません」
(メニューは。どれどれ)

みたいな。

よくあることだが、このお店のGoogle Map、住居表示同一の別の建物内にあることになっていたのを、私が移動してさしあげた。
その後Mapは3万回閲覧されたそうな。

お昼だけやってるこのお店、何食べてもおいしい。
ただ、現金払いである。キャッシュレスが導入される可能性は、まずない。
家内に払ってもらった。
夫婦でやっていらっしゃるが、配膳と会計をするお母さんは非常に忙しい。
行ったり来たりのお母さんを尻目に、料理人であるお父さんが会計してくれた。
お店を出て、路地を通り、広い道に出て歩いていると、横からお父さんが追いかけてきた。
住宅密集地であるから、行き先は四方にある。
いろいろ探して追いついて来られたのだろう。お疲れさまです。

すみません、お会計間違えちゃって。叱られました。
2,500円って言いましたけど3,500円です。

ああ、私も反省した。
家内が払ったのだが、横で私も2,500円って聞いた気がしていた。
別に少ない額ならいいやとかさもしい根性ではなくて、自分が直接聞いたわけでないので聞き流してしまっていた。
一緒に行った息子も同じことを思ったらしい。

いずれにしても飲食代金はちゃんと払いましょう。
道端で、追加で支払います。
しかし、変なやりとり。
先ほどのお釣りがどうのと聞こえてきた。

どうしたかというと、「お釣りでもらった500円をまず返し」しかるのちに千円札を出したらしい。
先ほどお釣りを出しましたよねと言われて、返してしまったのだ。
リアル壺算。

本来3,500円の会計であるところ、2,500円しか支払っていない。
だから追加で千円払えばいい。それだけのことである。
お釣りなんかどうでもいい。デジタルに考えなきゃ。
ただ、こちらも反省もあって、もう口を出したくなかった。

というわけで、4,000円払ってしまった。
まあ、また行くからいいですよ。お店に悪気のないことはわかっている。

しかしキャッシュレス関係を本業にしている私は、いろいろ思うところがあります。
現金っていうのが本来的にいかに不自然なものか、改めて思った。

高齢者マッチングアプリ

コメダ珈琲で仕事してたら、やたらうるさい男の二人連れ。大きいなあ、声。
聞くともなく聞いていると、年配の兄弟らしい。どうやら親の入院先にでも見舞いに行く途中らしい。
声のでかいのが兄で、そこまででもないほうが弟。
兄はマイペース。弟はわりと適切に話を誘導している。

話の内容は全然違うほうへ。
兄(60代・バツイチ)がマッチングアプリで、彼女を作ったのだという。
女は50代だそうだ。写真はなかなか見栄えがよかったのだが、まだ会っていないのでなんとも。
兄が言うには、マッチング成立した直後に、彼女は退会したのだという。え、本気なの?
兄は、一度失敗しているから再婚しようとは思っていない。ただ、茶飲み友達が欲しいのだ。
だが、女の方からは話さないぞという圧力をひしひしと感じる。
そして女は初婚。正直、バツイチのほうがよかったと兄。とにかくやり取りが重い気がする。

LINEで会話してて、なんか違うんだよと。
「今からお風呂いってきま〜す」とか送ってくるんだよ。ちょっとおかしくないか? 女性はそういうの隠すんじゃないのか?
なんとか結婚したくて、ここで逃しちゃいけないと思ってるんだろうな。マジなんだよ。
今まで独身てのは、モテなかったんだろな。

弟のほうは、わりと真剣に回答している。
兄のほうは声がでかいだけでなく、同じ話をなんどもぐるぐるとするのだった。
まあ、なんとなく面白かったのです。

無料の落語会、落語やらない

街を歩いていて、掲示板で催し物を知ることは令和の世でもまだまだ多い。
落語会を発見することもよくある。どちらかというと、名前を見てパスということのほうが多いけど。
3月30日に、とある神社でおまつりがあり、その中の1プログラムとして笑福亭円笑師が落語をやると知った。無料。
なじみ深い神社で落語とは嬉しい。
そして笑福亭円笑という人にも惹かれた。上方落語界唯一の江戸落語家である。
桂ぽんぽ娘さんという、上方言葉を使わない人がひとりいるが、ピンク落語で知られたこの人は「江戸落語家」とは言えるかどうか?
円笑師、東京でもらくごカフェで会をやっているので名は見るが、行ったことがない。
喜び勇んで、神社へ。

行ったらケーブルテレビが入り、市民アナウンサーみたいな人が喋っていて、ちょうど円笑師が呼ばれて登場したところ。
時間より全然早い。

さて、屋外で寒いのは承知している。
寒い中お疲れさまです。
しばらく市民アナのような女性とトークを繰り広げる。
近所の小中学校を出て、攻玉社を卒業してなんていう地元トーク。
それぞれの校歌を熱唱。時間引っ張ってるんだよ。
「えんしょう」は冒頭高だと思っていた。実際、地元関西ではそう呼ばれているだろう。
だが、円笑(これ自体は代数ある名)の名の由来らしい、圓生のアクセントで自己紹介する。
向こうの人は、米團治師以外発音できない。

さて多少落語らしいのは、桃太郎の小噺ぐらい。川上からイモが流れてきて、柴を刈らずにくさかった。
あとはご自身の三度離婚した話。ああ、こういうのはキツい。

座って落語をやらないつもりなのは段々わかってきた。トークでもそう言ってるし。
でも、せめてひとりでやる漫談ぐらいの格好をつけて欲しかった。
全然つまらない。
子供たちは立ったり座ったり、賑やか。

想像だが、「こんな寒い中、できないよ。こちとら年寄りなんだから」みたいな会話でも事前にあった?
私だって何が何でも外でやってなんて言わない。
でも、落語をやると告知した以上、社務所の座敷を使うとか、最低限成立させて欲しかった。

ここで落語会があるとかないとか言ってた。未定は未定らしいが、あっても来るかなあ?

私は無料の会にはうるさいことは言わない。
先日の東京シティアイだって、本来は帰宅サラリーマンがうるさく、落語を聴くような環境ではないが、文句などない。
主催者には感謝である。

でも、成立してないんじゃありがたみもない。
どちらかというと、余一会を楽しみに行ったら歌の会だったとか、曲を聴きに行ったらグダグダ漫談の会だったとか、そちらに近い。

終わるのもやたら早かったが、もう別に聴きたい内容はない。
もうワンステージあるとぼやいていらしたが、どうでもいい。

ちょっと凹んだ。
それでも明日からまた始動します。

作成者: でっち定吉

落語好きのライターです。 ご連絡の際は、ツイッターからメッセージをお願いいたします。 https://twitter.com/detchi_sada ブログコメント欄でのご連絡でも結構です(初回承認制)。 落語関係の仕事もお受けします。

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

失礼のないコメントでメールアドレスが本物なら承認しています。