【円楽党】鳳笑・楽大真打昇進

新年早々ブログのネタが切れて探していたのにもかかわらず、すでに年内に発表されていたニュースに気づかなかった。
気づかなかったのは、私のせいだろうか、円楽党のニュースバリューの程度のせいだろうか?
まあ、単に多くのニュースに埋もれていたのでしょう。

三遊亭鳳笑、楽大が来年4月に真打ち昇進 落語界では4か月連続昇進披露へ
(スポーツ報知)

昨年は真打昇進がなかった円楽党、今春二人の真打が登場する。
三遊亭鳳笑(鳳楽門下)・三遊亭楽大(円楽門下)のふたり。
それぞれ名前は変わらない。「楽大」は真打の名前じゃない気もするけど、当人が大きくすればいいでしょう。
前の楽大である伊集院光のことがいちいち取り上げられるのが気の毒な気がするが、名前を大きくすれば問題ない。

円楽党の真打昇進については、昨年私もちょっと書いた
私も大好きなこのふたり、そろそろ真打になってもいい頃だと思っていた。
年功で上がる真打には違いないのだが、実力的には十分。
それぞれ、入門から14年と13年で昇進することになる。だんだんと、落語協会・芸術協会に揃ってきた。
ただ、どうせならひとりずつ昇進させて、さらに両協会と一致させればいいのになんて思いもあるが。
ちなみに年功で昇進の、今年の落語協会真打は、入門15年または16年。

今春は、芸協は神田松之丞、落語協会は5人真打。どちらの披露目にもそれほど惹かれないでいた。ちょうどいいから私は円楽党の披露目に通おう。
鳳笑さんは、実に怪しい男。挙動不審の塊。
「うまい、ヘタではなく自分の色が出せる落語家になりたい」と抱負を語っているが、この人の芸はまさにこのとおり。自分自身の特性がよくわかっているのは心強い。
「上手い!」という芸でないことは確かだが、だからといって、「下手だが妙に面白い」でもない。
ちゃんと地力を持っていて、その上で不思議な魅力に溢れている。
落語の場合、演者が消えてしまうのが理想とされることがある。それはそうだろうが、絶対に消えず、高座にその怪しさが終始漂い続ける人もいていいでしょう。

巨体の楽大さんについては、すでにかなりファンだといっていい。
数もそこそこ聴いている。明るく楽しく、そしてキャラからは意外なぐらい、本格派の芸。
調理師免許を持っているというのは、記事で初めて知った。食べるのが大好きな人だというのは、体形からではなく、落語からすでに知っている。
記事中に触れられた噺のうち、蛇含草は聴いたことがある。
「餅がおいしそう」と当時のブログに書き残しているのだが、それよりさらに感心したのは、「寄合酒」だった。
「鯛を片っぴらだけ刺身にして、片っぴらは塩焼きに」と、具体的に指示していたのが、私の脳裏に引っかかっていた。なるほど、調理師だったらうなずける。
噺から感じていた食いしん坊っぷりが裏付けられたので、ますます好きになりそうだ。
個人的に私は、「飲む打つ買う」よりも「食う」ことにこそむしろ価値があると思っている。「食欲増進落語」という概念も唱えているぐらいだ。
噺家さんも食べることが大好きであって欲しいと勝手ながらいつも思う。だから、偏食で有名な当代桂三木助師など、到底応援する気にならぬ。

1日分の記事にならなかったのだが、先日も神田連雀亭で楽大さんから楽しい「錦の袈裟」を聴かせていただいた。
その際マクラで大型バイクに乗っていることに触れていた。表に置いてあるバイクは私のですというから、写真撮らせてもらいました。

作成者: でっち定吉

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