笑福亭学光の見る東京の真打披露

今日も遅めの更新ですみません。

オリンピックが始まって以来、私の生活は一変した。
いつも聴いてるラジオを聴かなくなってしまった。もっぱらナイツと春風亭一之輔師、大阪の落語である。
トライアスロンなど朝っぱらからやっていたから、なかなか忙しい。
それでも、メダルラッシュも一段落してきた。徐々に、日ごろの生活を取り戻していきます。
幸い、radikoプレミアムに入っているので、最大1週間は後からでも聴ける。
この先も五輪のほう、まだまだ盛り上がりがあるでしょうけどね。4年に一度、全部忘れてしまう多くの人には全然ピンと来ないかもしれないが、そんなものです。

「ラジ関寄席」を聴いたら、ブログのネタがひとつできた。
女道楽・内海英華師匠が司会で、今回のトークコーナーのゲストは笑福亭学光師。
笑福亭学光師は、鶴光師の弟子である。ただ、現在鶴光師の弟子は基本的に東京で修業をしていて、学光師だけひとり、大阪に取り残された格好。
実際には鶴光師には多くの弟子がいたのだが、残ったのが学光師だけだということ。嘉門タツオ(元・達夫)など、破門された大物。
学光師自身の活躍ぶりは正直あまり知らない。

学光師は東京駅から電話で登場。なんで上方落語の番組に東京駅から出るかというと、弟弟子の羽光師の披露目に列席したからである。
披露目について、ラジオで長時間喋っていたわけでもないのだが、多少リスナーのほうで膨らませまして。

真打披露というものが一体どんなものなのか、東京に身内のいる学光師であってもピンと来ないところはまだまだあるらしい。
それでも徐々にその重みを感じてくるようだ。
おおむね年功序列で上がるだけの真打制度だが、そんなもんだろうと思っていると、結構重厚なのであった(学光師がそう言っていたわけではない)。
まあ、抜擢の宮治師の口上は大喜利状態だったというが。

鶴光門下初の真打、里光師の披露目のときは、学光師は末広亭に上がったそうである。東京の噺家、誰が先輩やらまったくわからず、うろうろするばかりであったという。
それでも、ヨネスケ師など話しかけてくれるらしい。ぼくも大阪ではひどい目に遭ってるから、好きなようにやるといいよと。
ヨネスケ師、「隣の晩ごはん」のロケのときは、大阪は実にやりやすかったそうで。誰でもフレンドリーで、どうぞ入ってくれと。
でも落語の高座だと、反応がまるで違う。

今回は浅草に3日間呼んでもらった学光師。
大阪の芸人からしても、新宿と浅草では客層が違うと感じるという。どう違うのかは語らなかったが、だいたいはわかる。
ハメもの入りで皿屋敷(先代春團治譲り)もやったそうで。まあ、浅草の客の反応はそこそこだったとご謙遜。

末広亭の披露目では、パペット落語の笑福亭鶴笑師がゲストだったという。
めちゃくちゃウケたらしい。ウケ過ぎて、次の出番の新真打、三遊亭小笑師がすっかり食われてしまったとのこと。
「鶴笑は呼んだらアカン」と同門の学光師。
披露目でもってゲストがウケ過ぎるのは確かにご法度ではあるが、でも控えめなパペット落語なんてものはない。
小笑師もなんとか立ち向かっていただきたいものである。
テレビで見かけるパペット落語は決して好きじゃないのだが、高座で向き合えば違うのかもしれない。
大阪の噺家であっても、鶴笑師と一緒だとやりにくかったりするそうで。
ちなみに学光師も、パペットではないが腹話術をやるらしい。コロナになって以降、開店休業中らしいが。

ところで新真打・羽光師、昇進前に何度か聴きにいく機会はあったのだが、結局行かなかった。
NHK新人落語大賞の模様も当ブログで激賞したりしたのだが、なまじ期待が高すぎ、かえって失望するのではないかという、そんな気持ちも正直あった。
だが、このところ続けて演芸図鑑や浅草お茶の間寄席に出ている羽光師。それらを聴く限り、堂々として実に立派なものだ。
NHK受賞を機に、完全にステージを一段上がったのだろう。
正直、受賞後パッとしない人もいるもんだけどね。
今回の新真打4人の中でも、今後抜け出てくるかもしれない。先輩の、瀧川鯉八師のように、早々と末広亭のトリも取りそうな予感。
私の一オシ、春風亭昇々さんもうかうかしてられまい。

芸協新真打の披露目は来月の国立でまだやるので、羽光さんの日にも行ってみようかなと思う。

作成者: でっち定吉

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