野球落語BOX今日は月の4日。巣鴨スタジオフォーの「四の日寄席」でも行きたいところだ。
古今亭の楽しい師匠が5人、固定メンバーで登場する会。あいにく仕事が溜まっている。
もっとも、朝更新してない当ブログのほうが気になって、仕事が手に付かない。じゃ、いっそ出かけたほうがいいんじゃないか。
行けば3日分のネタになるけど。
当ブログも、そこそこ収益が上がるようになりまして。そこそこですがね。
だから更新する意欲はあるのです。
今日も遅めですけど。
ネタを探してYou Tubeを視ていた。
噺家のYou Tubeも増えたが、面白いものはそれほどない。
落語のYou Tubeでは、そうそう稼げないだろう。プロモーションだと割り切るなら、高座の動画載せたほうがいいんじゃないか。
来年の新真打、林家はな平さんのだけはネタ主流で面白く、新作が出るたびに視ている。
「ヨネスケちゃんねる」を視ていたら、春風亭かけ橋さんが複数回出ている。
ヨネスケ師に可愛いがられているらしい。
かけ橋さんはまだ芸術協会の前座である。香盤の上から4番目にいるので、もうじき二ツ目。
ヨネスケ師の助手として、かけ橋さんが「東京の落語界の派閥」について話している。
派閥といっても、柳家主導の落語協会において、これに反発する春風亭その他がいるといった、楽しいネタではない。協会・団体のことである。
かけ橋さんは、もともと落語協会の二ツ目、柳家小かじ。私も二ツ目時代に数回聴いた。
昇進直後の割に上手い人だなと思っていたが、その後師匠・三三に破門を食らう。
理由などもちろんわからない。外に向けて喋るようなものでもない。
しかし、唯一の弟子を破門するとはなあ。最初の弟子は師匠も手探りなので、比較的破門率・廃業率は高めになる気がする。
その後、三三師に弟子入りする人はいない。
三三師がどうというより、その師匠・小三治がとにかく弟子をクビにする人なので、そのやり口が伝わっているのだろうな。
その後、二ツ目を間近に控えた同じ小三治の孫弟子、柳家小ごとさんが破門を食らったことで、改めてクローズアップされた。
この一門、いずれ消滅してしまう。それでいいならいいが。
その、クビになったが噺家を続けるため、芸協の柳橋門下に直った、小かじ改めかけ橋さん。
師匠から一字もらったのは当然として、協会をまたぐ架け橋になれというメッセージがあるのだろう。
動画で落語界の派閥を語っているので、なにか移籍についてコメントするか、あるいはヨネスケ師に振られるかと期待したのだが、一切言わない。
まあ、言っても所詮は前座。けじめをつけるためにあえて触れないのだと思われる。
落語協会でもって4年以上前座を務めておきながら、また経歴をリセットされ前座を務めているかけ橋さん。
あいにく、移籍してからの高座は観ていない。
さすがにYou Tubeに出ても、堂々としている。
芸協には似たような境遇の前座がもうひとりいる。桂しん乃さん。旧・三遊亭日るね。
同じく落語協会の二ツ目だったが、こちらは破門ではなく自主廃業し、しばらくして移籍したという変わり種。まあ、自主廃業といっても、いろいろ耐えられなくなったのだろうということは容易に想像できてしまうが。
しん乃さんは現在、前座筆頭なので、次の昇進である。
楽屋ではけじめをつけるため、あくまでも前座として、その序列に基づき処遇されている様子は、春風亭昇市さんのマクラから聴いた。
かけ橋さんもそうなのだろう。
まあ、まわりはやりにくそう。元二ツ目を後輩扱いしなければならないほうも。だが、こういうのは慣れるものだ。
別の動画では、噺の教わり方、覚え方について解説していた。
「初めて覚えた噺はなにか」とかけ橋さんに訊くヨネスケ師。やはり、ややこしいことは語らない。
だが、楽屋にいるといろいろな師匠の噺を聴けて、自分に合う噺を見つけることができると力説するかけ橋さん。
そして、どの師匠も頼めば快く教えてくれる。
ヨネスケ師が、「聴いてない前座もいるんだ」とこれに応じる。
噺家を一度はあきらめかけたであろうかけ橋さんにとって、二度目の前座修業は最適な場所なのかもしれない。
助走期間を経て、再度の二ツ目になればすぐブレイクするだろう。きっと。
回り道人生、長い前座期間を繰り返し気の毒だなと思うが、しかし長い噺家人生、こんなのもひとつのアクセント。
本当のムダではないのだ。
そのうち、破門のネタを高座で披露する日がくるかもしれない（来ないかもしれない）。
（2021/8/11追記）
桂しん乃さん、本日付で二ツ目昇進です。名前は「しん華」。
おめでとうございます。
アウトレットブック