祝・古今亭駒治「タモリ俱楽部」出演

タモリ倶楽部の次週予告を見ると、鉄道企画だ。
それは毎度のことだが、ゲストのひとりに、知った顔が出てきて驚いた。
古今亭駒治師。ニッチ分野を攻めているテツとしての出演らしい。
予告なのでクレジットは出ていないが、この顔を見忘れたりはしない。

鉄道落語の第一人者駒治師、ついにタモリ倶楽部進出とは。
出世ですね。いや、まだ出世しきっていないから呼ばれるのかもしれないが。師以外のテツは素人だろうし。
慌ててご本人のツイッターで数少ない情報を拾うと、「前駅研究家」として出るらしい。前駅とは、「○○前」という名の駅のこと。

駒治師に「はるかなるよみうりランド」という新作があるらしいが、残念ながら未聴。
小田急線の「読売ランド前」駅が、ちっとも「前」でないというテーマらしいが。
確かに遊園地、よみうりランドは山の上にあり、読売ランド前駅は山の下。バスに乗らないと行けない。

ちなみにタモリ倶楽部の予習はこちら。前駅ブログ

マニア層に訴求しているような駒治師の新作だが、実際に聴いてみれば決して難しいものではない。
落語ファン(古典落語のでもいい)なら、みんな好きになるはずである。女性ファンも多い。
だいたいふざけた落語だが、そのふざけ方、どことなく古典落語っぽい。
ただし口調は古典落語にはない、スピーディでリズムを活かしたもの。たまに噛むのだけご愛敬。
野球はスワローズファンであり、野球落語もお手のもの。

駒治師の落語には、次のような特筆すべき点がある。

  • あり得ない世界の設定を、登場人物から疑問を発することで客に飲み込ませてしまう
  • ボケっぱなし(ツッコミなし)

そのうち、師の落語について、理屈で迫って徹底的に論じてみたい。

さて、さすがにまだ視てない番組からこれ以上ネタは拾えません。

「美の巨人たち」では、新宿末広亭が登場するようである。
これでもまだ足りないので、全然違う話に。
最近、落語コラムでブレイク中の噺家が、立川談慶師。プレジデント・オンライン。

「立川志らくと立川談春」正反対の2人に学ぶ国民総ツッコミ時代のSNS対処法

Yahoo!ポータルに転載されていたので見た人も多いだろう、今回の記事の内容について、別段どうだというのではない。
「志らく」「談春」は最後に取ってつけたように出てくるだけで、ややあざとい。全体を貫くテーマもなんだかふわふわしている。
文体は、やまもといちろう氏に触発されているのだろうか。ひろゆきの不倶戴天の敵。
本業のほうは全然知らないこの師匠の書くものに対し、ツッコミ入れようと思えば入れられる。
でも、批判したいわけではなくて、常日頃から結構感心している。
談慶師は、現代において噺家がなにを求められているか、的確に極めているのだなと思うのである。
ひとつひとつ信用を積み重ねていくことで、現在のコラムライターの地位を築いたということも、どこかで読んだ。

立川流は今やすっかり、政治的に過激な主張を繰り広げる団体という印象になってしまった。私がではなくて、落語に詳しくない世間がそう思っているということ。
落語を高座以外で商売にしようとしたとき、つい5年ぐらい前までの第一人者こそ、立川談四楼だったのに。
多様性が強く求められる世の中で、特定の主張に依拠している人の客観的評価なんて、どんどん低下していく。
先の都知事選では維新の候補を応援していた談慶師だが、日ごろ特に強い政治主張はしない。

そして、この談慶師を目の敵にしているのこそ、デキの悪い雲水なのである。
落語においては雲水のほうが評価は高かったが、ここに来て社会的地位は談慶師と完全に逆転した。
左翼のフィールドに位置を占めていればいずれ、そちら方面の需要があると思っている雲水。世の中そんなに甘くない。
ちなみにもうひとり、ずっとバカにしてきた立川キウイが新潮新書を出すそうで。ますます悔しいであろう。

ちなみに鉄道つながり。
プレジデントの連載には、文春オンラインの記事も載っている。

JR3路線がやってくる西武新宿線“ナゾの終着駅”「拝島」には何がある?

こちらも人気記事だが、Yahoo!に転載されるたび、ヤフコメでもって批判の嵐である。
まあ、悪目立ちを狙っているのが人気の秘訣なんだろうけども、私も確かに好きじゃないな。
わざわざターゲットにした地に喧嘩を売っていくアプローチがあざとすぎる。

ちなみに泡沫ライターの私も、転載されたYahoo!で叩かれることがある。
やたらとマウント取ってくる人間、どこにもいるもんである。

作成者: でっち定吉

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