池袋演芸場35 その1(5席連続女性芸人)

割引券大好き。
渋谷らくごの「しゃべっちゃいなよ」の割引券がLINEで届いた。
行こうかと思ったが夜席だから、家族に配慮して一旦やめる。
だが、寄席でも割引券が出てる。
本日11日が初日の池袋中席昼は、三遊亭遊雀師。
2,800円が2,300円ならここに行く。

【昼席】
つる き太
ちりとてちん嫁姑編 遊かり
小泉ポロン
英国密航 はる乃
表札 遊花
転宅 遊馬
長屋の花見 鯉昇
(仲入り)
コントD51
皿屋敷 圓丸
長短 小文治
まねき猫
猫の災難 遊雀
【夜席途中まで】
子ほめ 夢ひろ
狸の札 音助
瞳ナナ
辰巳の辻占 柳雀

昼席開始時は20人くらい。トリで30人くらいか。
昼の前座は玉川き太さん。
浪曲師です。落語でお付き合いくださいと手短に振る。
兄弟子、わ太さんの落語は一度聴いたが上手かった。

道灌だと思って聴いていたが、つるだった。
セリフは棒読みだが、悪いものではない。
だが、隠居八っつぁんの共通部分からつる単独部分に入る際に、セリフが出てこない。
八っつぁんに思い出させるフリして乗り切ろうとするが、誤魔化しきれない。
ここが一番ウケていた。
前座がつっかえるのに遭遇するのは、ありそうで意外とない。
先月の鈴本は言い間違えにひとりでウケてしまったものだからちょっと違う。
もしかすると、道灌に入りそこねたのかも。
でもき太さん、心臓は強そう。しばらく考えてから戻ってやり直す。
ガンバレ。

ちなみになんだかハウリングがする。
次の遊かりさんまではちょっと気になった。

二ツ目は三遊亭遊かりさん。
よく考えたらこの人、たぶん師匠よりずっと多く聴いている。
本日のトリ、三遊亭遊雀のなんと一番弟子、三遊亭遊かりです。
もっとも弟子ひとりだけですけどね…あ、こんなのは皆さんご存じのようで。

今私、鶴光師匠の出囃子で上がったんですよ。
なぜかと言いますと、お囃子さんの三味線が壊れてしまいまして。通常は三味線2〜3本置いてあるんですけど、初日なのでないんですよ。
なので今、お囃子さん、要町まで修理のためにタクシー飛ばしてます。

今日の番組すごいんですよ。
私から、5人続けて女の芸人なんです。
だいぶ女性も増えましたけど、楽屋の9割は男性ですよ。
こんな番組はなかなかありません。楽屋すごいですよ、女子校です。女子校にしてはトウが立ってますけど。

女性が集まってると、師匠方に必ず言われます。
「女の人って仲良くしてるけど、本当は仲悪いよね」
すごく嬉しそうに。

女性が連続しているというのは、言われて気づいた。
番組見てないわけじゃないのに、まったく気にならなかった。もはや、女性だからと特別視する時代じゃないんですな。

女性の中の悪さを振る際は、ちりとてちん嫁姑編。
嫁姑編は私が勝手に付けたもの。以前、「千早ふる唐揚げレモン編」って勝手にブログに書いてたら、連雀亭のホワイトボードにそう書かれていたということがあったので、調子に乗って。
過去3回ぐらい聴いていると思う。

結構短くなっていた。寄席サイズに縮めたのではなく、短いほうがいいと判断したのではないかと想像する。
隠居を女主人に、調子のいい男を次男嫁、傲慢な男を長男嫁に替えた改作落語。
ストーリーは原典と同じだが、スピーディでいい感じだ。

マジックは小泉ポロン先生。
目が合った客でなく、振り返って別の客を指名したり、客席に乗り込んでいって油断している後方の客を参加させたり、やりたい放題。
今さらなのだが、もともと達者なトークがさらに進化していた。
最後はおなじみ「積みマジの世界」。プロ向けのショップで買ったのに、使えないマジックの数々。
最後にマジックの結果として出てくる物体は、確かになんだかわからない。わからないもの出しても成立しない。

テーブル掛けを掛けた釈台が運ばれ、そして高座の上手にもうひとつ座布団が置かれ、今度は浪曲。
国本はる乃さん。
ネタは英国密航。伊藤博文たちの、幕府に内緒の英国渡航の模様を唄いあげる。
寄席の短い時間では、ほぼ出国するまでで終わりであるが、江戸末期の気概を持った日本人が簡潔に描かれ、なんだかグッと来ました。

続きます。

 
 

作成者: でっち定吉

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