競馬騎手と落語の話

毎日更新、皆勤の5月ですが、息切れ気味です。
デザインも一新したのにいきなりネタ切れでは恥ずかしい。
まあ、無理に落語につなげようとしなければ、なにかしらあるもんで。そこはかとなくつながる話題を。

矢部美穂、所有馬手放し9月挙式へ 山林堂信彦騎手と結婚は「最後の恋、最愛の人と感じたから」(日刊スポーツ)

記事を読んで笑ってしまったのだった。

20人いれば恐らくこうなる。

  • 16人・・・「矢部美穂」を知っていて「山林堂信彦」という変わった名字の騎手のことは知らない
  • 2人・・・「矢部美穂」も「山林堂信彦」も知らない
  • 1人・・・「矢部美穂」も「山林堂信彦」も知っている
  • 1人・・・「山林堂信彦」を知っていて、「矢部美穂」を知らない

この最後の1人こそ、急に競馬好きになったうちの高校生の息子である。それを想像して笑った次第。
後で訊いたら、本当に「山林堂信彦」は知っているが、矢部美穂を知らなかった。まあ、世代的に知らなくて無理はない。

馬券も買えないくせにこやつは「川崎競馬がいちばん好き」と抜かしていやがって、TVKで中継を観ている。
当然、トップジョッキーではない山林堂騎手も知っているのだ。
地方競馬の場合、勝負服が騎手服である。服を覚えていれば、レース中、誰がどこの位置にいるかすぐわかるのだ。
当然、「山林堂」と聴けば、即座に「銅白・桃山形一文字、そで青」の勝負服が頭に浮かぶわけである。

川崎競馬場の隣は堀之内の歓楽街であるからして、高校生があまりうろうろするところじゃないが、ほっておくと現場に行きそう。
ちなみに落語の堀の内の舞台はここではありません。勘違いしている人もいるんじゃないかな。

ちなみに親父である私は、息子がチビの頃に競馬をスパッとやめてしまった。今でも、レースは観ても馬券は買わない。
だが、山林堂騎手はベテランだから、私が足を洗った頃から現役だったし知っている。面白いものである。

笑福亭松喬師が稽古をつけてたら、弟子が「吉永小百合」(いい女のたとえとして落語で使う)を知らなかったという。
松喬師は「お前そないなもんも知らんでアホちゃうか」とは言わないから偉い。
先日、柳亭こみち師が「ほっとけない娘」の劇中で「よりどりみどり海老名みどりよ」と言って、若いカップルを指して「あちらの人は知らない」とギャグにしていたのを聴いた。
だが、落語好きなら意外と知ってるかもよ。馬風師の漫談聴いてりゃ必ず出てくる名前だし。
馬風師、昔は「みどり」を貶めて、小朝のかみさんであった「泰葉」を持ち上げてたもんだが。

矢部美穂は父も元騎手で、本人は競走馬のオーナーだそうで。
世にも珍しい、オーナーとジョッキーのカップル。
これ、落語で言うと、落語会の主催者と演者がくっつくようなもんですか。まめかな社長のダンナは母心のボケだけども。
ちょっと近い例で、「●●さんを入門前から8年間サポートしていた」というのは最近あった。
噺家●●に裏切られたらしく、●●の寝物語(同業者の悪口)をツイッターにアゲまくっていた痛い女。
●●は、廃業は逃れたが達者な人の多い一門からはペナルティで遠ざけられたようだ。一門会には顔付けされず、神田連雀亭ばかりに出ている。
聴きにいこうかどうか、迷うな。本人に罪はないので。
陰口を叩いたその内容が事実なら、罪でないとまでもいえないけど、どうだろう。

山林堂騎手の話題でさらに思い出したことがある。
競馬の世界、ちょっと離れると、競走馬の血統はすでに3代ほど代替わりしている。
いっぽうで、騎手のほうはまだ現役なのかと思う人がたくさん出ている。またダービー勝った武豊や、横山典弘もそうだが、さらに上がいる。
川崎の隣、大井競馬には的場文男というレジェンドがいる。
日本で最も多く勝っている現役騎手である。
私が競馬ファンだった頃は、南関東4場を股に掛け、それはそれは勝ちまくっていた。
現在は、若い頃と同様に大井だけで乗っているのだが、隠居ということはなく、今でも馬券に絡む。
的場文男、現在なんと65歳。すごいですね。競馬界の金馬みたいな。
そして今でも、若い頃と同様のダイナミックフォームで馬を追うのである。
観ていると、65になっても的場ジョッキー、ヒザが恐ろしく強靭な様子。
ジョッキーのヒザはサスペンションであり、人馬が一体となって走る際に大変重要な役割を果たす。

落語のほうでは、65にならなくてもヒザを痛めている人が多い。職業病だ。
だが、的場騎手と比べると、鍛え方が足りないのかもしれない。
先日、柳家小満ん師のインタビュー記事を読んだ。
小満ん師、日ごろから正座をする生活をしている。背筋が伸びていいのだと。
この生活のおかげで、小満ん師だけはヒザが痛いということがないのだそうだ。

文蔵師が出てた笑点で、木久扇師が「実は座れる」ところを見せてたのはとても面白かったけども。

書き出したら、余裕で一日分できちゃった。
実は「競馬と落語」の第2弾のネタを思いつきました。そのうち書きますので。

(追記)
当の息子に指摘されました。「金馬」じゃなくて「金翁」だろと。
そういやそうだ。

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作成者: でっち定吉

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