上野広小路亭しのばず寄席4 その1(桂蝶の治「反対俥」)

昨日のツイッターの件、私宛の名指しの非難ではないにも関わらず、怒りが収まらない。
さっそく今日は寄席だ。
これこそでっち定吉の寄席レビュー、そういうものを見せてくれん。
なんて言いつつ、平常運転だけど。
今回のレビューが終わったら、また追加でいろいろ書いてやるつもりだ。

31日は世間ではハロウィンであり、落語は余一会。
しかしそんな中、久々のお江戸上野広小路亭「しのばず寄席」へ。
今月、柳家小はださんを聴かなかったら、ひとりも落語協会所属芸人を聴かなかったところだった。それも面白いけれど。
演者の玉川太福師が自分でも述べていたように、なかなかすごい顔付け。地方を回れるメンバーですよと。
なのに前日予約でもって、わずか1,500円。
12時と早い開演で、少々手間取って前座の三遊亭美よしさんには間に合わない。二ツ目から。

 反対俥 蝶の治
細川茶碗屋敷の由来 ひまわり
粗忽の釘 兼好
ねづっち
二番煎じ 鯉昇
(仲入り)
男はつらいよ寅次郎頑張れ 太福
代書 雀々
ナナ
一眼国 好楽

小さな広小路亭、開演後に着くと札止め。予約してないと入れなかった。
前の客が、やたらと身を乗り出す癖があり、最後まで少々しんどい観覧でした。
私も身を乗り出せば高座が見えるのだが、そうすると後ろに迷惑が掛かる。

蝶の治さんは、伸治門下。
二ツ目に昇進したばかりで、前座時代は伸び太。
両親がミャンマー出身という変わり種。
もともと蝶花楼馬楽門下だったのだが、師匠の体調不良(その後死去)で伸治門下に移って芸協で前座になったというのを最近知った。

この人、前座のときに聴いて、名を出さずに酷評したことがある。オチケン落語だと。
実際には大学には行ったかどうかは不明(プロフィールにはないが、行っていて不思議ではない)。

もう隠さなくていいでしょう。今回聴いてちゃんとしていた(捉え方によるけど)から、変な道には進まないで済んだようだ。
今日は、実はちょっと楽しみにしてきたのだ。

蝶の治さん、客にはバカウケ。
将来確実に出世するだろうと、私もちゃんと評価した。しかしながら、私は大笑いする客の中、まったく笑わなかったという、大きくねじれた一席。
過去の高座の印象が悪すぎ、笑わないよう努力していたなんてわけではない。
高座に笑わないところを見せつけようと企んだわけでもないし、退屈もしていない。
ただ、みんなが笑ってる空間の、その一歩外から冷静に観察させてもらったというところ。
問題は、なんでそうなっちゃうのか自分でもよくわからないことだ。なんでだろう。

反対俥を、若手らしくゼエゼエ言いながら暴れまわる。
宮治アニさんに似た速い車夫は曲がるのが嫌いなので、ジャンプして90度回る。
2回ジャンプし、客に背中を向けてしまう。
「日ゝ是好日」の掛け軸を見ながら車夫、「これなんて読むんでしょうね」。
さらに180度ターン、360度ターン、最後は720度ターンまでしてみせて大きな拍手をもらう。
私、こんな悪ふざけは決して嫌いじゃないのです。
とにかく、彼が売れていくところを観察させてもらおう。
いずれいきなり、こちらとテンションが一致することに期待して。こちらも一致させる努力が必要かもしれないが。

日向ひまわり先生は、超満員ですねと。こないだしのばず寄席に出してもらったんですが、10人でしたよ。顔付け次第ですねと。
この顔付けは、定席のない31日だから実現したのだろうけれど。
本編は、くず屋が出てきて、浪人が出てきて、細川さまの家来が出てきて。
ああ、井戸の茶碗の原型か。井戸の茶碗は釈ネタだというけども、講談では聴いたことがなかった。

演題は「細川茶碗屋敷の由来」という。
若干ストーリーが違い、登場人物の名も違う。
細川公の家来は、妻帯者。江戸時代に妻を連れて江戸に来る国侍がいただろうか? まあよい。
くず屋の面体改めをするのは奥方。
くず屋が首尾よく見つかったら、ただちに浪人のもとに案内を請う。そして、返す返さないが刃傷沙汰に発展しそうなところにようやく大家の助けが入るという。
最後は、井戸の茶碗を託された細川公が、田沼意次に茶碗を譲り渡し、屋敷を拝領するというもの。
ストーリーは落語のほうがよくできている気はしたが、いい話でいい気分である。

今日はでっち定吉の真骨頂を見せつけるというより、やや、嫌味な記事になりました。
三遊亭兼好師に続きます。

 

作成者: でっち定吉

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