「それでは『でっち定吉ブログ運営会議』を開催します。我々の運営するブログ『でっち定吉らくご日常&非日常』、広告収入も順調に増えてきたところではありますが、この先の基本方針を確認しようということで。えー出席者は、『寄席担当』『トラブル担当』『ネタ担当』『落語論担当』『サブカル担当』以上5名。そして議長はおいら、小僧のさだきちだ。みなさんお揃いだね」
「いるよ」
「はーい」
「ういー」
「あいよー」
「うへへ」
「はいそれじゃまず、うちのエース、寄席担当から最近の状況を報告していただきましょうか」
「寄席担当の権助だ。寄席や落語会のれびゅうをしとるだよ。今オラのことえーすっちゅうたがね、えーすでねえだよ。ブログのえーすはとらぶる担当でねえか。なにしろ盛り上がっとったブログが、オラの出番になるとあくせす落ちるっちゅうのが長年の傾向だ」
「確かにそんな傾向もあったよね。でもこないだの好楽師匠の記事、1,000超えたよ」
「あれはぐーぐる様がぽーたるに載せてくれたからだね。みなの衆も毎日ぐーぐる様に手合わせてくんろ。さあ、ぐーぐる様の歌を徹子の部屋のテーマに乗せて歌うだよ。ぐーぐる、ぐぐるぐーぐる」
「まあまあ。Googleだって自動でサイト拾ってるんだから、元記事の人気度は誇っていいよね。現場の落語を何日もに渡って書き連ねるスタイルでずっとやって来て、今のでっち定吉ブログがあるわけだから、権助のおかげだよ」
「おら普通にやっとるだけだ。よそさまじゃこんなすつこいすたいる見かけないかんね。ちゅうても、週に3日も聴いとるような人だったらこんだ細けえことまで書いとるひまねえだがね」
「最初の頃からすると、寄席レビューの方法論もだいぶ変わってきたんじゃない」
「まあそんだな。変わったっちゅうとだね、オラの記憶力がぐんとよくなってまったことだね。脳内でーたべーすが充実してくると、なに喋っとったか覚えられるようになるだよ。ついでにオラ、ふぁんけるの記憶さぽーと飲んどるだからね。二ツ目のつぶやいた三平師匠の悪口もまるごと覚えて帰ってくるだ」
「そういうところも載せちゃうのがごく一部に非難されてるんだけど、まあ、今後もこのスタイルで行くということでいいのかな」
「んだな。披露目の口上のせりふまで覚えちまうようになっただからね。ますます記録しちまうだよ。高座の出来事と、オラのどたまに浮かんだあいであとを、ごちゃまぜにぶっこんでかおすにしてやるだよ。これからの饒舌な権助を見てなせえ。覚悟するといいだ」
「誰に向かって言ってるのさ。寄席や落語会は月4~6回ぐらいコンスタントに行ってるのかな。今後もその調子、饒舌に行くということでね。混乱はさせないでいいと思うけど。はい、次はトラブル担当」
「トラブル担当の孝太郎だ。権助にはエースだって言われたけど、実際は遊軍でね。なにしろ、事件が起きないと出番がないんだから。暇を持て余してる若旦那のあたしにはちょうどいいけどね。反ワクチンの噺家なんかもいたけど、事件で一番多いのは、やっぱり『破門』だね」
「このブログを大きく伸ばしてきたジャンルなのは間違いないね。破門になった噺家を検索すると、だいたい上のほうでヒットするから」
「そう、小ごと、乃ゝ香、小かじ、扇兵衛なんかでどんどん大きくなったんだね。そしてトドメが天歌」
「そうだね。天歌のフライデーで、毎日のアクセスが500前後だったのがいきなり倍になったもんね。天歌騒動が落ち着いてきても、そんなに数字落ちてないからブログ自体大きくなったんだろうね」
「人の不幸のたびに数字の母数が伸びるんだよな。あと、訃報があると生前に出した批判記事にアクセスが集中するのな」
「まあまあ。天歌についてはしばらくいろいろ書いてたけど、そろそろ続報出すのかい?」
「ご本人には悪いんだけど、正直ちょっと飽きちゃってね。師弟関係の破綻、被害者に肩入れしたくなるテーマなのは間違いない。けど、ちょっと活動家になってくるとね。辛いことがあった以上活動家になったって無理はないと思うけど、肩入れできるかどうかは別だね」
「なるほどね。じゃあ若旦那はしばらく、次の事件まで待機だね。それか、天歌が新しい師匠についたときかな」
「そうだね。あとは了見の悪い噺家の批判でもやるわ」
「ブログがよそから因縁付けられてるときに逆襲するのも、若旦那の担当かい?」
「そうだけど、あんまり乗っかり過ぎるとマッチポンプっぽいからね。相手が静かになったら焚きつけるのはやめとこうか。でも『落語界の困った人たち2022』で、わけわからない奴らをまとめてのお焚き上げは今年もやるよ」
「楽しみだね。次にネタ担当」
「ネタ担当の紅一点、喜瀬川だよ。ネタってのは新作落語や小噺等、創作のことだけどね、このブログではずっと地味だったねえ。まあ、落語協会の台本募集で落ちてるレベルだからねえ」
「でも最近、なかなかよくなったよ。笑点絡みのネタなんてアクセス多かった。それに今日の会議も喜瀬川花魁の企画だしね。ほかにもいろいろアイディアあるんでしょ」
「あるんだよう。落語ブログ界の表現の自由を取り締まる私設警察と、でっち定吉とが闘うアクション系新作落語なんてどうだろうねえ」
「そのまんまな気がするけど面白そうだね。トラブル担当が出さなくても、ネタ担当は出しちゃうんだ。最後はヤカラを退治して、ごくらく浄土に送ってやるといいや」
「どちらかってえと、返り討ちにされるほうが定吉っぽいけどねえ」
「そういえば、でっち定吉本人が生意気な息子と登場するネタはやらないの」
「またやるよう。ブログのアクセスがもっと増えると、自動的に『にせ丁稚』のパワーも増大するから期待して待ってておくれ」
「『にせ丁稚』は、でっち定吉をボロクソ言ってるけど実は憧れてるというヤツだね。真似してブロガーになりたいんだけど、いざ書こうとするとなにも書けないのね。いいキャラだから大事にしよう。次は落語論担当」
「落語論担当の与太郎だよ。あたいがエースだった頃もあったね」
「そうだね。今でも落語論は人気あるんだけど、ちょっと前にやってたサゲ分類とか、あの頃のが最近乏しくてね。一部の好事家からは高い評価をもらってるけど、実にもって一般ウケしない内容だからな」
「あたし与太郎さんが、そのインテリっぷりを世間に見せつけるいい機会なんだけどね」
「自分で言っちゃダメだよ。でも、ブログの品格を維持するためにはいい仕事してるよ。『昔ながらのオチの分類』はフィニッシュしてないけどどうするの?」
「ああ、もう最終着地は『シャレ落ち』に決まってるんだけどね。絶対出した日のアクセス落ちるからね。オチだけに」
「でも今でも、『○○落ち』検索で結構ヒットする隠れ人気シリーズだからね。最後までやろうよ。そのうちどこかで評価されないかもわからないとまではいえなくもないって」
「どっちなんだよ。そういえばサゲの前に、落語には『いただき』があってもっと重要なんだっていう世紀の発見をしたんだけど、数字がガタ落ちだったからすぐやめたんだよね」
「ああ、あの不評ぶりはうちのブログではもはや伝説だね。読者の過半数が「上」で脱落したので「中」で終わって「下」まで行かなかったという。でもまたやろう。最後にサブカル担当のご隠居」
「サブカル担当というか、マンガやドラマ、それから漫才・コントなんかの担当だね。笑点も扱う。色物だね」
「これからM-1グランプリもあるしね。楽しみだね。落語マンガやアニメも今後どんどん出てくるしね」
「そうだね。『うちの師匠はしっぽがない』も出すつもりだけども、落語と関係ないマンガに、落語の要素を見つけ出すなんてこともやってみたいね」
「ほう、というと」
「今、LINEマンガで『ガラスの仮面』ずっと読んでてね。ここで繰り広げられる演劇論が、落語と非常に親和性が高いのさ。タダで読んでるから、再読しづらいのが難点だけど」
「ご隠居、さすが年は取っても柔軟で多趣味だね。さてと、今日の結論を出しますけど、いろいろチャレンジはしてみるけど、基本路線は今までのやり方を変えないでってことでいいですか」
「そんだなこったな。いろいろすんくずくはあってもええだが、徐々に出してくべえ」
「新機軸ね。はいお疲れさまでした。それでは最後に、でっち定吉のテーマソングをみんなで歌って解散しましょう」
♪♪
馬の骨だか 知らないけれど
ブログはわりと 知っている
でっち定吉のアニさんは
落語の味方よ ブロガーよ
はやてのように現れて
こまちのように去っていく
でっち定吉は誰でしょう
でっち定吉は誰でしょう
「ふだんの倍の分量になっただから、明日は久々に休むだよ」
「お菊の皿だねえ」