日曜のなかよしおじさんズは実に楽しく、ブログに書き残しているおかげで長く余韻にひたって楽しめる。
なのだが、週の半ばにちょっとだけ落語が聴きたい。
神田連雀亭などいい。
木曜の昼席に、桂鷹治、桂南楽という名前があるのでこれに行こうか。
ただ、東京かわら版ひっくり返したらさらにひとつ見つかった。
野方の環七沿いにある葬儀場グリーンホールの二ツ目勉強会で、桃月庵黒酒、古今亭菊正。
ここは9月に来たので、そんなに間は空いてない。
午前11時開演。二ツ目は千円。
黒酒(くろき)さんは落語協会の二ツ目にしては珍しく、前座時代含め聴いたことがない。
菊正さんは、前座の菊一時代に黒門亭で聴いて記事にしたら、フィギュアスケートのファンが大挙して押しかけた(ご本人の弟さんが元選手)。
基本的にブログのアクセス増加は嬉しいが、落語好きでもなんでもない来訪が増えて愉快でなかったのは菊一まつりとピッツェリア恭子まつり(戸越銀座のイタリアン)だけである。
今だったらアフィリエイト広告があるからそんなにイヤじゃないけど。
ともかく、神田連雀亭には出ないふたり。
二ツ目を集めた会でもあまり名前を見ない気がするが。落語協会にはままいるタイプの活動中の二ツ目さんたち。
ちょっと聴きたいにしては、時間たっぷりだ。
オープニングトーク | 黒酒・菊正 |
転失気 | 菊正 |
三年目 | 黒酒 |
(仲入り) | |
茗荷宿 | 黒酒 |
大工調べ | 菊正 |
エンディングトークと撮影タイム | 黒酒・菊正 |
なんと満員だ。といっても20人だから、まだ椅子出してくれれば座れるが。
それでもすごい入り。
そして、かなり満足したのだった。二人会は落語協会2階でもやってるようなので、また参加したい。
ちなみに時間はそこそこあるし大ネタも出たのだけど、ふたりとも不思議な軽さを伴っていた。疲れなくていいや。
オープニングトークから。揃って黒紋付。
菊正さんは雪駄履きだが、黒酒さんはスニーカー。
明けましておめでとうございます。今年もこの会よろしくお願いします。
満員ですね。まあ、何をもって満員というかですが。
お客さん2〜3人の会なんてザラですからね。
この間、「昨日満員の会に行ったよ」なんてお客さんに声かけられました。なんでも美馬と誰かの会ですよ。
明日ぜひどこかの会に行って、満員だったよって言いふらしてきてください。
黒酒さんは、以前は「黒」アピールで、全身黒コーデだったという。
羽織の紐まで黒にしていた。
だが、ブラックホールみたいですもんねと菊正さん。
今は、紐は黒じゃないんですねと言われるそうで。
正月の過ごし方。
黒酒さんは、まず師匠の家に集まる。
毎年一門で集まって、師匠の娘さんと遊ぶことになっている。
56歳である白酒師の娘さんはまだ7歳ぐらい。
毎年新しいおもちゃがあるが、今年は人体パズル。
振動を与えないようにそうっと臓器を埋めていくが、失敗すると粉々になる。
師匠も爆発させていた。
師匠は体が悪いから、娘さんを医者に育てたいんじゃないかとこれは菊正さん。
それから大師匠の家へ。
下が寿司屋で、大トロが次から次に出てくる。
菊正さんは、葛西の師匠の家に早く行く。毎年師匠の正月の出番が早いから。
近所に初日の出が拝める橋があり、そこで御来光眺めてから、師匠宅向かいのコンビニで時間潰していた。
そしたらコンビニに師匠がやってきた。「おう、おはよう」。
おめでとうございますと挨拶しなさいと教えたのはあなたですよと菊正さん。
大師匠は亡くなっていて、一門で集まることもないので、近所にある師匠夫人の家でくつろいで過ごすそうで。
おかみさんの運転で寄席に行く。寄席の帰り、師匠がこの辺に雲助師匠の家があるから見てみようというので前を通ったとのこと。
雲助宅に関する詳しい情報が話されたが、さすがに自粛する。書かないと忘れるんだけどな。
われわれの世代あたりから、修業が緩くなってきたよねと菊正さん。
初席から遅刻した人もいるし。志ん生の親戚筋の人。
雛菊さんは、権太楼師匠に叱られていた。勝手に打ち解け過ぎじゃねえかと。
師匠の前で急に腕立て伏せ始めて、ふざけてんのかと叱られて辞めちゃった人もいるしね。そりゃまあ、ふざけてるんだろう。
俺(黒酒)なんか師匠の家に遅刻して、謝りもせずにいただきますって箸つけてたよ。
前座はさ、楽屋では前座同士話すな。話すなら裏でやれ。そして笑うなって言われてるじゃない、と菊正さん。
でもしん平師匠が笑わせてくるからね。笑わせようとしてるのに笑わないのも違うじゃない。
僕の場合は、とりあえずズコーッってズッコケておいて、仕事のある振りしてそこを離れたよ。
あと勢朝師匠ね。この人は離してくれない。楽屋に4時間いるんだから。
あるとき楽屋で、鉄平師匠がちょっとトイレへ、っていなくなって。勢朝師匠が言うんだよ。
長いねって。長いトイレの話と言えばね。
引き出しの数がすごいんだよ。長いトイレの話の引き出しなんて、手の届くとこにはないじゃない。立ち上がって頭の上ぐらいを開けないとないよ。
本当はね、鉄平師匠も、勢朝師匠に話しかけられるの嫌なんだよ。高座の前は集中したいんだって。
だから長かったんじゃないかな。
いいなあ、しん平、勢朝、鉄平だって。
ポカンとしてた客もいるだろうが、どストレートに面白かった。
そろそろ時間なんで始めましょうかと。
今日は菊正さんが先に出ますとのこと。