国立演芸場寄席@内幸町ホール2(上・三遊亭東村山「牛ほめ」)

13日はようやく寄席へ。
池袋(主任:伸治)と、国立代替の内幸町ホールとで当日まで激しく迷った。芸協対落協でもある。
最終的には近くて安い、内幸町へ。
東京かわら版で2,000円。
もし池袋の割引券が出てたら、そっち行って夜の初めまで居残りしてたと思う。
内幸町ホール、空席があるのは事前に確かめているが、団体が入ってて残りは10席ほどだった。
ということは、私のようにかわら版の割引使ってる人はほぼいない。国立本場じゃないので、かわら版使うと現金払いになってしまうが。
寄席としては内幸町ホールは狭いが、でも池袋よりたくさん入るわけで大盛況。

内幸町ホールの主任は林家彦いち師。5日間の芝居なのに、初日(祝日)は休演だった。

迷っただけあってなかなかの顔付け。

牛ほめ 東村山
追っかけ家族 きよ彦
八楽
マナー車掌 駒治
松曳き 甚語楼
(仲入り)
堪忍袋 一蔵
安兵衛狐 文菊
猫八
という 彦いち

内幸町ホール、携帯スクランブルが完璧。ロビーもつながらない。
絶対に鳴らさないぞという強い決意が感じられる。
その割にはなんだか音がよく鳴る。

前座は三遊亭東村山さんで嬉しい。久々に遭遇した。
与太郎小噺。
最初が、「縦2メートル、横1メートル」のガラス板を買いにきた客。
与太郎店員が、「縦1メートル、横2メートルの板だったらあるんだけどね」
じゃ、いいや。客も与太郎。

聴いたことぐらいあったと思うが、実に珍しい小噺。
次に星を叩いて落とす与太郎兄弟の小噺。
ウケないが、「ここはいつもこんな程度です」と東村山さん。ウケ直してました。

おとっつぁんから家のほめ方教わって、紙に書く。
自分でウケどころを見つけて、「かっこ笑い」と書き記している。
おじさんの家で謝らず、隣でおじさん出てこいと叫んでいる珍しいタイプの牛ほめ。
挨拶ができるようになって褒められた与太郎、挨拶繰り返すが、3度目は「揺れながら挨拶できる」と変化球。

細かい部分をいじっている、楽しい牛ほめ。さすが前座でも新作派は違う。
いとこのお姉ちゃんを牛のほめかたでしくじるというのは上方で聴くが、お姉ちゃんはまだ帰ってきてないのでフライング失礼ほめ。
このくだりがあって、牛はこっちだとおじさんに案内してもらう。
といって、渾身の力を込めたギャグなど一つもないので、楽屋で叱られたりすまい。

二ツ目は主任の弟子、きよ彦さん。
師匠にならってか、高座に走り込んできた。こんな登場は初めて見る。
挨拶の作法がまた変わっていて、最初に「林家きよ彦と申します」でまず両手をぐるん。
ああ、一緒に手を回したい。㐂三郎スタイルで。

それからいつもの田嶋陽子。
アイドルのライブの整理係で呼ばれたマクラで、本編が「追っかけ家族」と知る。
もう三度目だ。新作の若手はネタ数少ないから仕方ないけども。
練り上げるまでが大変だろうな。

仕方ないので、客の様子を観察していた。
アイドルグループ、フルーツバスケットのいちごちゃんと、握手会で話をする女性教師が主人公。
正体を明かす場面で、それはウケていた。
私まで嬉しくなるじゃないか。
さすが自信作らしく、徹底して練り上げられている。

紙切りの八楽さん(師匠と呼ぶべきか?)は、紙切りとしては二度目。
急速に語りが上手くなっていて驚いた。ちゃんと漫談のネタもたっぷり用意してあって。
どこに出しても恥ずかしくない芸である。
昨年名古屋で昇り龍を切り、お客さんに「今年はこれで優勝だ」と喜んでもらえた。(ドラゴンズ最下位は)私のせいじゃないですから。

ハサミ試しは花嫁さん。
リクエストは「きよ彦」「トランプ」「一蔵とボート」。
いずれも小さくて、よくわからなかったけど。
一応、高座のきよ彦さん、トランプしているトランプ、1号挺に乗った一蔵師らしい。

きよ彦さんが袖で観ていて、OKをくれたんだって。
一蔵師はまだ入ってなかった。

高座を高く作ってあるため、リクエスト客は、舞台に上がらないと作品がもらえないのだった。

続いては古今亭駒治師。
駒治師は、最近寄席の出番もかなり多いのではないだろうか。
ちょっと聴きそこねてもすぐ遭遇できるようになった気がするのだ。

三田線でやってきたが、隣の兄ちゃんにメールを覗き込まれた定番ネタから、学校寄席の作文。
そして久々に聴いた、調布のインターナショナルスクールの仕事。呼んでくれた人が、わざと特殊な環境であることを教えてくれていなかった。
さすが持ち時間の長い国立演芸場寄席、これで終わりではなかった。

続きます。

 
 

作成者: でっち定吉

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