宝井琴調@新宿健康プラザハイジア(上・細川茶碗屋敷の由来)

お久しぶりです。
更新を8日間休みまして。
本業もはかどり、ずいぶんとリフレッシュしました。
落語のことをあまり考えない時間もいいものだ。

さて12月は、真面目に更新しても毎年アクセス2割減。
全休はしないが、気楽に行きます。
気楽なので、無料の会へ。講談協会会長の宝井琴調先生。
有料の会も検討はした。
スタジオフォー四の日寄席に、亀戸梅屋敷は好楽師。
すべて、デジタル商品券やいたばしPayの買い物の抱き合わせである。

結局歌舞伎町の健康プラザハイジアの無料の会にやってきたが、これもデジタル商品券じゃないが買い物絡みなのであった。
買い物で行き先決めてもいいじゃないか。

12時から1時間。
入口付近の一角をアトリウムと呼ぶ。そこに高座と釈台が据え付けてある。
寒い。まあ、健康プラザで風邪引くのも面白かろう。
つ離れは逃れた程度。席数がそんなにあるわけでなく、催し物としてはこんなもんでしょう。
と思っていたらどんどん増えて、盛況。
琴調先生のこの会はもう8回め。無料の会愛好家としてはいささか出遅れた。

ステージの横には、演者用に時計がぶら下げてある。

細川茶碗屋敷の由来
赤穂義士銘々伝三村の薪割り

ちょんまげの琴調先生登場。
実力者であることは重々承知の先生であるが、私は7年振りらしい。

1時間お付き合いを願います。
あっという間にもう師走ですね。
今年一番の話題は、「働いて働いて…」ではなくて。国宝ですね。
歌舞伎座も賑わってるそうで、よかったですね。
もう記録を次々塗り替え、大変なヒット作だそうで。まだ見てないんですが。
いえ、観たいんですけどね。なにしろ3時間あるそうで。
私頻尿なので。耐えられるかなと。
なんでも、映画館でも途中で席を立つ人が結構いるそうで。
今年やった、歌舞伎座の忠臣蔵ですよ。
六段目で、菊五郎になる直前の菊之助、勘平ですよ。
いい芝居なんですけど。もう私、我慢できなくなりまして。
2階席や3階席ならこっそり出られるんですが。1階席前列のいいところで観てまして。
また、真ん中ですよ。両側はお客さんでいっぱいです。
もう、早く腹切らねえかなあと。
で、ようやく腹を切りました。ですが腹切ってからが長いの。
私は決意しました。せっかくのいい芝居が続いているので、席を飛び出して芝居を台無しにするわけにはいかない。
もう、漏らそうと。
勘平でなく、私がのたうち回っておりました。

ツカミばっちり。

今日は忠臣蔵から一席取り上げますが、その前にひとつ。
知り合いの人が不動産で儲けまして、古道具に凝っちゃったんですね。
亡くなったときに、奥さんが処分に困って、売った道具屋に、買値で引き取ってくれって頼んだんですね。
そしたら道具屋、なかなかやって来ません。調べてみたら夜逃げしてたそうで。
どうやら、100万のものを500万で売ってたみたいで。引き取るとなるととても間に合わないので、逃げたほうが早かったみたいです。

古美術も難しくて。
大きな茶碗と小さな茶碗。小さいほうが高いこともありまして。
これ、値段の差はなんだろうと考えていたら、係員がやってきて、あ、値札があべこべだなんてこともありまして。

落語でいう、井戸の茶碗に入る。
本家講釈のほうでは、細川茶碗屋敷の由来。

ストーリーも登場人物の名もいつも聴く落語とは違っている。
基本は同じなのだが、細かいズレが楽しい。
屑屋の清兵衛さんは、太兵衛。
細川藩の高木さまは、田中卯兵衛。奥さまと一緒に江戸にやってきた。だから娘さんはもらえない。
浪人の千代田卜斎は、川村惣左衛門。寝込んでいる。

江戸に初めてやってきた奥さまは、物売りだと思って屑屋を呼び込んでしまう。
それをきっかけに仏像が田中に渡る。
台座が剥がれて50両登場。
面体改めは顔の長い男だけ。奥さまがやるので、あまりひどいことは言わない。
茶屋の場面などなく、数日寝込んでいた太兵衛はすぐ見つかる。逃げ出したりはしない。
田中は屑屋の案内で、川村宅に乗り込んでいく。話が早い。
そして返すいらんとすったもんだであわや果し合いになりそうなところを大家が仲裁する。

見せ場は大家が、娘さんの苦境を川村に語って聞かせるシーン。
川村さまの薬代、娘さんがどうやって工面しているのかご存じなかろう。針仕事だけではない。
人足の手伝いまでしてるのだ。いくらにもならないのに。
ハタと目が覚める川村。

琴調先生は、能弁ではない。
しばしば口ごもるところもある。
しかし、セリフはまる覚えではなく、作ってしゃべっているようだ。
だから気持ちが入ると、喜怒哀楽がストレートにこちらに飛び込んでくる。
たまらないですね。

一席終えて琴調先生。
落語のほうでは井戸の茶碗ですね。
こないだ熊本の人に聞きました。細川屋敷が出てくるから、井戸の茶碗好きかと思ったら、大嫌いなんですって。
東京の噺家が、熊本に来たとき、喜んでもらおうと思ってみんなやるんですって。聴き飽きたよということです。
寝床や文七が聴きたいんだそうです。

続きます。

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