先の総選挙は面白すぎて、現実を上回る面白いネタは浮かばなかった。ネタ書く義務はないけども。
すごく今さらながらですが。
今日書きたいのは思想の話ではない。もともとダイレクトに思想の左右の話なんて書いてるつもりないけど。
参議院議員ラサール石井先生は、選挙後醜態をさらしてしまった。
世間からも、情けない、老害だと泣きっ面に蜂。
2年後の参院選では、福島みずほ党首は落選し、社民党は政党要件をなくすだろうなと確信した。
その政党の副党首センセイを、今日は最大限擁護しようというのである。皮肉ではなく。
なかなか本題が始められなくていけない。でもあらかじめ書いておかないと曲解されることは必至なので。
ぺこぱ松陰寺は、フレッシュな論客である。
メイクを入念に施したビジュアル系(ネタだが)新人論客が、昔ながらの権威に頼る老害をやっつけたというので、世間は拍手かっさい。
これ自体、「リベラル」の現在の立ち位置をいみじくも物語っている。
松陰寺は「優しいツッコミ」で世に出た人。多様性をネタの世界で実現した芸人。
こういう人が、立ち位置としては与党支持の側にいるというのが、実に今ふう。
そして石井センセイに代表される左翼陣営は、年齢を重ね年々衰えつつあり、今回壊滅的となった。
ところでAbemaもまあ、テレ朝である。
「マスコミは保守系にやたら厳しい」と世間ではいまだに言われている。
TBSのキャンペーンのおかげで、参院選で参政党が躍進した。そんな実例もあるから、仕方ないかもしれない。
でもこうして選挙に負けた側が徹底的に水に突き落とされてる討論番組において「メディアは左翼に厳しい」と言う人など誰もいない。
勝手なものだと思う。
以上を念頭に置いたうえで、ようやく本題。
ラサール石井は、この討論の場を間違えて捉えていたのだ。
非常にシビアな討論が行われる場であったのに、性根が芸人であった。
寸止め空手で戦うつもりだったら、なんとフルコンタクトであったみたいな。
ラサール石井は、なにもここまでコテンパンにやっつけられることもなかった。
世間は松陰寺をもてはやしているのだが、彼は実は今回、ツッコミのスピード力にものを言わせたに過ぎない。
繰り返し観ると、「ママ戦争止めてくるわ」に関しても、彼自身が思想で戦っている事例はひとつもない。
全てが世間の代弁である。
芸人としての大先輩石井センセイを詰める際も、常にこう。
- 世間はこう思っています
- 若い人はこう考えています
- そういう態度が若い人に刺さらないのではないですか
言ってることはその通りなのだが、実は世間の選挙直後の評価を、増幅しただけである。
増幅が見事な芸だったのは確か。だが、これはお笑い芸人のスキル発露であっても、目的ではない。
石井センセイは、まさかフルコンタクトの敵が待ち構えているとは想像もしていなかった。
たかまつななも含め、3人の芸人がいる。芸人はだいたい先輩には礼儀正しいから、ちょろいだろうと。
そしてたかまつは、左のはずだと。
そういう勘違いだったのではないか。
討論冒頭、当選ゼロの会見を釈明させられたのは当然。
「自民党の動画再生回数は、本当に人気なのかそれともお金の力なのか」
これはまあ、不用意すぎる発言。
番組では、「自民党はお金があるからプロモーションができる」と、マイルドに替えていた。これで会見の発言をチャラにしようと。
しかしいきなり、松陰寺のローキックが炸裂する。
「社民党もお金があれば当選したということですか」
コント赤信号のラサール石井としては、恐らく非常に驚いた。
え、コイツ先輩に対する礼儀もなんにもないの?
もちろん、そんな芸人同士の関係が通用する場ではないのだけど、甘えがあって。
石井センセイという人は、参院議員になってから、ずっと「自虐」でやっている人なのである。衆院議員の離脱があった際も、自虐コメントをしていた。
今回も自虐を何度も繰り出しているのだが、世間は気づいていない。まあ確かに、自虐ユーモアを漂わせる場所じゃないし、そもそもさして面白くもないけど。
- 爆笑問題太田とそこで会って、ご愁傷様と言い合った
- 一生懸命やっているが伝わらない
- もう街頭演説の時代ではない。わかっていた
- 若者に伝わらないことには責任を感じている
- 変えようと頑張っているのだが、組織内でなかなか聞いてもらえない
- 参院選で社民に入れた人がよそに逃げたのは、私のせいかも
最初のは、ネタだという以外にまるで意味がない。しかもこの「太田」呼び捨てに不快感を持った人が結構いたみたいだし。
そして、特に最後のが。
もう、自虐ユーモアなど通用しないことがわかっていなければならないはずなのに、最後の賭けに出てしまったらしい。
しかし、わからないでもない。松陰寺も一言、ボケにツッコまないといけなかったのでは。
「そんなこともないですよ。嫌われてるのは石井さんだけじゃないですよ」
とか。
ツッコミ芸人としてのサガは機能しなかったのかな。
あるいは。
「ああ、消えそうな火にガソリン掛けようとしたら軽油だったので、消えちゃったんですね…ごめんなさい」
いや、これはダメだ。不謹慎すぎて非難される。
「ママ戦争止めてくるわ」が気持ち悪いと言ったのも松陰寺。
だが、短絡的な戦争ワードの使い方の非難はあっても、ギャグは一切ない。
石井センセイも、不用意な点が自虐以外にも多々ある。
松陰寺が最初に発言した後で、「芸人は政権を批判しなければならない」とあてこするように言ってしまった。
これで松陰寺のスイッチが入ってしまい、何倍にも増幅してやっつけられたのである。
今回、結構左にいたはずのたかまつななが社民党やリベラル陣営を突き放してしまっていたのも大きい。
彼女はもう全然、芸人らしい部分などない。いい悪いは知らない。
彼女が入れた中道の議員も、ママ戦争止めてくるわにハッシュタグをつけて残念だったと。
石井センセイも、討論の場に社民を応援した女子大生がひとり座ってたから、アウェイとは思わなかったのかも。
ヤフーのニュースで知って最初にこの動画を見たときは、正直爽快感を覚えたのである。
だが何度か見たら、喜ぶようなもんでもないなと。
石井センセイもあとでご立腹かもしれない。
「なんだあいつは。あれでも芸人か! 政権に媚びやがって! 面白いならまだわかる!」
なんて。