浅草演芸ホール7 その5(桂竹千代・雷門五郎真打披露襲名口上)

幕が開くと新真打の披露口上。
下手からこう。

  • 司会:桂米福
  • 竹千代の師匠:桂竹丸
  • 桂竹千代
  • 雷門五郎(音助改メ)
  • 五郎の師匠:雷門助六
  • 桂米助(参事)

パパー、と叫ぶ幼児の声。竹千代師の娘さん。
まあ、そのぐらいは無理はない。
将来、披露目の日を思い出して、親父を尊敬して欲しいなと思う。

米福師、私には大事な役割がありますと。
お客様のお許しを得まして、この二人の顔を上げてもらいます(拍手)。

米福師からプロフィールが紹介される。
竹千代師は、明治の大学院を出ていること(芸人時代の言及はなし)。五郎師は、静岡出身で京都の大学(龍谷)、そして信用金庫。
竹千代師は芸協カデンツァだが、それはプロフィールになかった。
米福師自身のことばで、とてもいいこと言っていたのに忘れてしまった。
自分自身が新真打だった頃、披露目で掛けていただいた言葉。
忘れてしまう程度の言葉? 違うと思うけど。

竹丸師は、「彼が最初に入門志願に来た日は忘れもしません。えーといつだっけ」。
新真打ふたりを挟んで助六師が「覚えてねえじゃねえか!」とツッコミ入れる。ステキ。
竹千代は幸い、入門してすぐ歌丸師匠にかわいがってもらいました。
歌丸師はもう、高座上がったり入院したりを繰り返していたころです。
歌丸師は立派でしたね。落語と笑点、両方で名声を上げました。それに比べて今の昇太は。

司会に制止される。

竹丸師、弟子の書籍を後ろから取り出してアピール。表で売ってるのでよかったら買ってください。
ついでにご自分の書籍も出して、こっち買ってくれれば弟子のはいいです。

続いて助六師。
五郎という名前は三代目です。初代がいきなり大きくしたんですね。先代の助六です。
ただ、二代目がさらに大きくした名前です。私ですけど。
五郎は、地元の静岡県で、信用金庫の元締め(連合会)のコマーシャルに出てるんですよ。YouTubeでも観られますからぜひご覧になってください。
最初は、静岡県出身の噺家さんで有名な人に頼もうと思ったそうなんですよ。
それで春風亭昇太さんに声を掛けたんですが、ギャラが300億円ぐらいするそうで(左右から一斉にツッコミ)。
なので五郎に回ってきました。五郎は大学卒業して、地元で信用金庫に勤めてたのでぴったりです。
それでギャラは2万円ぐらいなので。

米助(ヨネスケ)師は、「長いよ!」
もっと短く話さなきゃ!
私はね、真打昇進したときは隣の助六さんと、柳昇門下の桃太郎さんと、○○さん(誰だった? 調べてもわからない)と一緒でした。
二人亡くなりまして。我々は生き残りなんです。

音頭はヨネスケ師が指名されるが、「師匠のほうがいいでしょう」と助六師に譲られた。

最近、披露目での脈絡ない発言もよく覚えられるようになったつもりでいたのだが、まだまだです。
楽しかった記憶は残っている。

口上の後は、新真打雷門五郎師の高座。
前名音助のこの人は、寄席をはじめ日暮里、梶原、南阿佐ヶ谷などで聴いた。
本格派。雷門らしく所作も綺麗で実にいいのだが、爆発力はもうひとつかなという印象も正直あり。
だが今回聴いた真打の高座は、爆発力もあった。すばらしい。
披露目で出なかった弟子入りのマクラがあったと思う。
本編は宮戸川。色っぽくてよかった。
私の大好きなこの噺、最近あんまり楽しく聴けなくなってきて。
理由はいろいろあって、いちいち思い当たる。

  • 半七を最初から狙ってる積極的なお花、がスタンダードになってきた
  • 「あたしは嫌だって言ってたんですよ!」という半七が、昔風でもなく現代風でもないのがスタンダード化している
  • おじさんおばさんは紋切型で、クスグリは昔ながら

一言でいうと、陳腐化してきている。
「積極的なお花」が悪かったとは思わない。鶴瓶師が上方用にこしらえた型が原典かな。
たぶん、お花の行動をよく観察したらこれが正解。
でも、それが蔓延してくるとねえ。そうでない(そうなんだけど、露骨じゃない)のはないのかいと。

五郎師、江戸前であっさりしてていい。登場人物の解釈を押し付けられない楽しさ。
お花のおばさんは肥後の熊本在住。古い型ですね。でも、駿州藤枝でもいいと思う。

おじさんは適度にボケている。
しかし早飲み込みというほど強烈な個性にも映らない。深夜に男と女(美人)が来たら、疑うほうがどうかしてるだろうというぐらいの描き方。
半七も、ちょっとウブだねとは思うけど、深夜に押しかけてくる女は怖いよね。

そして、おじさんとおばさんの回想シーンはない。
だから「いまだに2つ違い」はない。このクスグリ、もったいなくないのだな。
バッサリカットして噺に活力を入れる、すばらしいセンス。

半七、お花が怖くて階下に降りようとするが、おじさんがハシゴ外してるので下りられない。
意外とこのくだり、効果ある気がする。なにせ逃げられない。
逆の言い方をすると、なにがあっても不自然ではない。

半七が帯を解いて、ちょっと期待するお花。
でもこれは布団の上に敷く線。
「こっちが上野、こっちが浅草。上野の人は浅草に来ちゃいけません」「でもあたし、浅草好き」
いつもこれでやってるのか、浅草仕様かはわからないが、たぶん浅草だからでしょう。
「上野」が落語協会を意味しているというのは勘繰りすぎか。

ちょうどあたしの持ち時間が来ました。

こういう宮戸川が聴きたかった!

続きます。

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