日月と文京区デジタル商品券を使いに出かけ、金曜もまた。
湯島天神の南側にサミットがあり、鈴本の帰りに寄れる。
大義名分があると出かけやすい。
11月は落語協会の寄席だけで3席め。
このところ寄席づいている。
今度は柳家喬太郎師の鈴本。この席は3年連続で来てますね。その初日。鈴本も今年4席め。
喬太郎だけでなく、落語協会オールスターズ(古典派限定)みたいなすごい番組。
喬太郎師も、古典縛りでしょう。
例年、12月は当ブログの訪問者が2割減となる。
今年は、いっそひと月休んじゃおうかななんて思ってます。落語にも行かず、仕事に励もうかと。
あ、M-1グランプリだけは毎年お客さん来るし、なんか書こうかな。
鈴本は、東京かわら版で500円引きがありがたい。
定価3,500円の15%還元だといえる。
開演前には着いたが、すでにほぼ満席。
通路側の隣にもぐずり込ませてもらう。
| 道灌 | 一呂久 |
| たけのこ | 小はだ |
| 仙志郎・仙成 | |
| ガーコン | 小次郎 |
| 目黒のさんま | 市馬 |
| ロケット団 | |
| 箱入り | つる子 |
| ふぐ鍋 | 菊之丞 |
| 小梅 | |
| 狸賽 | 扇遊 |
| (仲入り) | |
| 八楽 | |
| 法事の茶 | 三三 |
| 町内の若い衆 | 雲助 |
| 橘之助 | |
| 品川心中 | 喬太郎 |
前座は「一呂久」とある。
春風亭一蔵師の一番弟子だ。初めて遭遇。
うん、声がでかい!
素晴らしい!
前座はそれでいいじゃないか。
一蔵師は、一朝イズムを継いできっといい師匠になるね。
といって声がでかいだけ、という前座ではない。
自分でセリフを作っている感じ。
ちなみに道灌だが、元は文蔵師かなと。
イエヤスだけでなく、最後女形でお恥ずかしいをやるので。ただ、決して乱暴な八っつぁんではないけど。
「カレーレエス」は、いったん勝手な絵解きを終えて、油断してると出てくる。
有名な太田道灌公だ。
有名な、大きな土管ですかい。
土管は有名じゃないだろ。
このやりとりは喬太郎師っぽい。
鷹野だよ。
新宿の先の。
そりゃ中野だよ。野掛けだ。
新宿の先の。
そりゃ野方だ。
中野はそこそこ聴くが、野方は初めて。ここも中野区だ。
全般的に、隠居は軽いツッコミしかしない。これがとてもいい感じ。
前座で、「一生懸命ツッコむ」勘違いした人っているよね。
教える側のセンスかとも思うのだが、現代では軽いツッコミがウケる。
教えてくれた人の悪いセンスを引き継ぐ人は、残念だがセンスない。
落語もいいが、この日出てたロケット団のツッコミを学んだほうがいい。
「そばの割り前返せ」付近だけ、妙に詳しくやってるのはやや不思議。
「お前が考えた勝手道具の都々逸か」は普通に語り、その後「都々逸なんていうところを見るとお前も歌道に暗えな」から、口調が変わる。
客の方に向き直って、きちんとサゲる。
実に楽しみな人。
それにしても最近の前座、下手な人のほうが珍しいぐらい。
番組トップバッターの二ツ目は、4日前に絶賛したばかりの柳家小はださん。
二ツ目さんは、外で聴くと素晴らしいのに、寄席五場だと借りてきた猫みたいな人もいる。そりゃまあ、役割というものがあるから仕方ない。
だが小はださん、役割を果たしつつしっかり個性を打ち出す。
今日は喬太郎師匠ですから満員ですが、二ツ目の披露目もあります。
次の次に小きち改め小次郎さん出ますから、大きな拍手で出迎えてください。さん喬師匠の末のお弟子さんです。
それでも足りない人はフッ(祝儀袋)、こんなことしていただいて。
私にしていただいてもいいんですよ。
池袋と違い、二ツ目披露の前に色物が入るので、先に断っておく。
旬の食材について。
なかでも竹かんむりに旬と書くのが筍です。
筍の噺は、「たけのこ」だけか。鈴ヶ森は筍の噺じゃなかろう。
これ可内、夕餉の膳はなんじゃ。
筍にてございます。
買い求めたのか。
いえ、隣家の筍が塀を越えてこちらに出て参ったもので。
けしからん。渇しても盗泉の水を飲まずと言うではないか。お主も武士の端くれであろう。
このあたりで後方から、虫の声みたいな変な着信音。
小はださん地に返り、「コオロギ?携帯鳴らしたかたは出ていただいて私のあとでお戻りください」。
鈴本はしつこいくらいに電源オフを呼びかけている寄席。そんなとこでも鳴らす人は鳴らす。
それはそうと、地に返らずにお武家さまのセリフで処理して欲しかった。
「なんじゃこのふざけた着信音は!貴様!そこへ直れ」
「旦那さま、仮にもお客さまでございます!」
まあ、これはやり過ぎか。でも成立すると思う。
ちょっと水を差されたが、このあと実にいい感じ。
お武家と隣家の老人との、大真面目なシャレのぶつけ合い、意地の張り合いに、可内も楽しくなってくるのがたまらない。
この噺は、固くやれる人でないとダメだ。固ければ固いほど、面白さが強烈。
さすが小はだ、という見事な一席。
軽い噺で、役割もきちんと果たしている。