先日、「上方落語をきく会」の桂南天師を激賞した。
2年前に続いてのこと。
師は上方落語協会員でないから、今後喜楽館のサブスクを再開してもそうそう聴けないだろう。東京で会があるから行ってみよう。
南天師は東京の落語ファンの好みの隙間にピタっとハマると思うのだ。
ラジオの高座に触れた際は、この会のことは知らなかったのだが、絶妙のタイミング。
23日祝日の日曜、南天師を聴きに初めての場所へ。
アートスペース兜座。
なかなか落語のハコがありそうでないエリア。休館したお江戸日本橋亭は新日本橋だし。
雑居ビルの5階に行ってみると、いい感じのスペース。
和室だが土足で入れる。
30人くらいでなかなか盛況。
床の間の掛け軸は「年中夢求」とあって面白い。
もっとも「夢ヲ求ム」だったら求夢になるな。そんなこと言ってはいけない。
23日は当初堀之内寄席に行くつもりだったので、予約しておかなかったのが残念。当日料金3,500円。
上方の師匠の場合、ちょっと高めになるのは仕方ない。
| 転倒記 | 南天 |
| 時うどん | 南天 |
| 千早ふる | 弥太郎 |
| (仲入り) | |
| 愛宕山(ネタ出し) | 南天 |
いつもはCDを使っているが、今回は下座のお師匠さんが入るとのこと。
落語協会の井上りち師匠。
なんでも席の使用料が若干安くなるそうで。
おかげで愛宕山もハメものたっぷり。実にご機嫌でありました。
最初に南天師が出てきた。挨拶なのか、一席目なのかは知らない。
20分間、爆笑漫談を披露したのであった。
一応本日は2席ということなのだが、漫談の後時うどんに入る前に番組について語っていたので、なんとなくだが最初の1席、分けさせていただきました。
「転倒記」はでっち定吉が勝手につけたものである。正式採用していただけないかなあ。
昨日は桂弥太郎さんが仕切ってくれる会があり、横浜でやってきました。一泊して東京ということで、この関東ツアーは非常に効率いいです。
本来、横浜の会ともども弟子の天吾が出る予定でして。楽しみにされていた方には申しわけないですが体調不良で。
カキにあたりまして。
神戸でカキのグラタン食べたそうですよ。オシャレなもん食うてますやんか。僕は今年まだカキ食べてません。
ノロだそうで。
食べたあと3時間ぐらい潜伏期間があって、夜中に自分で救急車呼んだそうです。なんでも救急車が着いたときにはもうよくなってて、自力で病院行ったそうですが。
良くなったので横浜もこちらも出る気でいましたが、大事をとりまして。それに、僕にうつされたらイヤですし。
カキは食べてへんわノロはうつされるわでは面白くないです。
天吾さんは東京にいても活躍を耳にする有望株。私も聴きたかった。
幸い、弥太郎さんが空いていたので一泊してもらいました。
私57ですけどね。情けないことに平たい道で豪快にコケまして。ショックでした。
二三歩駆け出して、思いっきりバアっと。
枚方総合文化芸術センターの会です(2月1日らしい)。
会が終わりまして。私はリュック背負って駐車場に行きました。
ここの駐車場、左カーブの先で料金払うので、大きく回らないと機械に手が届かんのです。
師匠は運転しないので、奥さんが運転します。案の定、奥さんゲート前で機械に向かって思いっ切り手を伸ばしています。
私が駆けつけて、駐車券を入れる手伝いせな!と駆けつけた瞬間にひっくり返りました。
普段つけてるメガネも吹っ飛んで。見えない目でメガネを探したりしまして。
メガネがちゃんとかからないので、とりあえず握りしめて、師匠の車に駆けつけようとしました。
全身痛いし情けないですけど、まずは師匠です。
でも、奥さんなんとか手が届いたんですよ。駆けつける私を尻目にゲートが開いて、師匠の車は去っていきました。
そこへ、吉弥くんが駐車場に出てきました。
「兄さん大丈夫でっか?」と大きな声で呼ばわります。ああ一部始終見られた、情けない。
でも返事しました「大丈夫や」。
「そうでっか」。あ、これで終わりなんや。もうちょっと心配してくれてもエエのに。
落語会のお客さんからも声がかかりました。南天さあん、大丈夫でっか?
私は毎週木曜日、ABCラジオの「ドッキリ!ハッキリ!三代澤康司です」に出てます。よかったらラジコで聴いてください。
その番組での私の決まった挨拶がありまして。「ホンマ・ミーア!」というんです。
お客さんから重ねて「ホンマ・ミーア!」と声がかかりまして。これはもう、返さんわけにはいきません。「ホンマ・ミーア!」。
吉弥くんはもう、駐車場を出るところです。
係の人が出てきまして、車が機械に近寄りやすいよう、塞いであった通路のチェーンを開けました。なので吉弥くんは楽々出ていきました。
私は、手は擦りむいてて血は出るし、全身痛いし。
なのでモタモタしてて、危うくせっかく開けてくれた通路を閉じられるところでした。私の顔見てたはずなのに。
メガネが顔にかからないと思ったら、ツルの部分が外向いてました。
師匠は外車の高級車です。吉弥くんも7人乗りか8人乗りのエエ車乗ってます。
僕は軽ですよ。情けなくて。軽でもって、係の人にクラクション鳴らして合図するのも情けないです。
ともかく私も帰ります。
不思議なことがありました。運転してると目の前に、ケサランパサランが出現するんですよ。綿毛みたいな、
窓開けても、また出てきます。背をもたれると出現するんですね。
ジャケット見たら、背中のところに穴が開いてて、ダウンが出てきてました。
楽しい話を楽しい所作つきで。
駐車場の、ゲートを腕の所作で表現し、「今、伝わりましたね。喋らんでも伝わるんですね。噺家にはあるまじきことですが」
窓を開ける所作でいったんクルクル回してしまい、「あ、回さないですね。ボタンで開きます。さすがに私にもそのぐらいのプライドはあります」。
さらに漫談はダウンジャケットをモンベルに持ち込んで修理してもらう話に進んでいった。

