当ブログ、700を超える数の記事がある。
その中で、もっともアクセスが多い、しかも他を押さえて圧倒的に多いのが、「世の中の落語を探す(飲食店編)」という記事。
落語とほとんど関係ない記事なのだが、飲食店に関するまとめサイトとして勝手に使われているのだ。
今でもちょくちょくアクセスがある。
アクセスが突出して多いということは、どういうことか。
この記事から他の記事に巡回する人はいないということである。落語のブログなのに。
未読の落語ファンの方、今さら別に見なくて結構です。探さないでください。
現在これに、急激にアクセス数が迫っている記事がある。
説明しないとわからないので、仕方なくリンクを張っておく。
これは一応、落語の記事である。
古今亭菊一さんという落語協会の前座がいる。菊太楼師の弟子。
東大で哲学を学んでいたという学歴と、お父さんがロシア人だというハーフで、ちょっと話題の人。
話題たって、二ツ目にならない限りメディアも取材に来ない。師匠も許さないだろうし。
この注目の前座を、1日使って私も取り上げた。
私は、前座をその日の表題にすることはめったにない。かなり印象の強かった人に限られる。
他には、新作落語が見事だった三遊亭ごはんつぶさんと、林家きよひこさんぐらいか。
逆の意味で取り上げた「痛い前座」もいるが。
この菊一さんの記事が、4月9日に急にアクセス急増。
ツイッターにリンクを張られたためと判明。
なんで前座の記事にアクセスが増えるのか? それは、菊一さんが、日野龍樹というこのたび引退したフィギュアスケーターのお兄さんだから。
名前は「りゅうじゅ」と読む。すごい名前。
ジュニア時代の活躍で、根強い人気があったらしい。現在は、コアなファンしか注目してはいなかったようだが。
日野龍樹のファンが、「お兄さんもすごいらしい」って覗きに来たらしい。
まあ、私も有名な弟がいるなんて知らなかったけども。
でも、ブログのアクセス増えて嬉しいかというと、そうでもない。
私が菊一さんを「すごく上手い」と論評したからといって、その評価を「龍樹くんには東大出でとても落語の上手いお兄さんがいる!」って使われてもな。
東大出は事実だが、上手いというのは結局、客である私の評価の問題に過ぎない。
ツイッターで紹介した人も、ダイレクトのリンクだけ張り付けている。つまり私のブログを資料扱いしているのだ。
多くの前座がそうであるように、「まだまだ」みたいな感想だったら、拾わなかったんだろう。
私の当該記事の末尾は「続きます」で終わっている。普段の寄席を紹介する当ブログでは当たり前。
あくまでも菊一さんの記事は、ある日の黒門亭について書き記したものなのだ。
だが、始めて来た人の3分の1は、さらに古今亭菊一の記事が載っているものと思い、リンクをクリックする。
その結果、次の「黒門亭その2」も大幅にアクセスが増加。無理もないとはいえるが。
とはいうものの、ここに菊一さんのことはほとんど書いていない。
なので、さらに次の「黒門亭その3」のアクセス増加はわずか。
なんだか、その2・その3と表題にした金原亭世之介師匠に、勝手に恥をかかせたような格好になってしまった。ご本人の知る由はないけども。
世之介師の記事で扱っているのは、非常にメジャーな落語の演目「時そば」なのだが、フィギュアのファンにはとっては一切の興味がないらしい。
ちなみに、私が落語を聴いて初めて、志村けんを思い起こした高座でもあった。
「黒門亭その4」の、トリである柳家一九師の記事のアクセス増加は皆無。
全体の一部をつまみ食いされて資料扱いされても、別にありがたくはない。
まあ、落語ファン以外を引き付ける力まではないのだと言われたら、しまいだけど。
かつて落語大会不正問題の記事のときに、「スルツカヤが転んでガッツポーズ」した大臣に怒ったフィギュアのファンに、私は敬意を表したものだ。
自分と関係ない分野に対しても、互いに最低限の敬意は払いたいではないですか。