コロナ禍の中、上方落語協会は会長選挙だそうな。
協会員が一票ずつ持って、会員の誰かに投票するという民主的な選挙。
立候補制ではない。
東京では、協会の会長は選挙ではない。
落語協会は、多数派の柳家主導で多くのコトが運ぶ。
古今亭や先代正蔵系(春風亭等)などの噺家にとっては、常に不満が多いようである。たまに高座で文句言ってる人までいる。
落語協会と民主政なんて、実に似つかわしくない。
私はただのファンで、別に外から体制にケチ付ける気はありません。
この後は、柳亭市馬会長が降りる際、副会長の林家正蔵師に譲ることになるのだろうか。
正蔵師、他の団体とのパイプが弱そうな点が気になっている。いっぽう強いのが、鈴本演芸場とのパイプ。協会専用寄席。
会長になるのなら、無用な対立を起こさないように願う次第である。
落語協会でもって、他団体とのパイプの一番強い人というと、柳家喬太郎師じゃないかと思うのだが。
芸協こと落語芸術協会は、長期政権の多い団体。
歌丸師も、亡くなるまで14年会長職にあった。
会長代行の小遊三師が会長にならなかった理由、もちろん知る由もないが、最近なんだか非常に腑に落ちるようになってきた。長期政権を自ら執り仕切るような人物じゃないことを自認しているのだろう。
小遊三師がやらなかったので昇太師が会長になったが、これも長期政権が約束されている(はず)。
この協会にも選挙なんてないが、一番の人気者が会長になっているから、文句の出ようはずはない。というか、ここの協会員には、反乱を起こしてやろうなんて人はいませんね。
昇太会長は、政治力も抜群である。
いずれ、円楽党の吸収が実現すると想像している。吸収というとイメージ悪いが、これは円楽党の人たち自身が望んでいたこと。
口で言うほど簡単なことじゃないのだが、恐らく協会内団体というような形から、段階的に統合されていくものと思う。
円楽党は、今年から圓橘師に会長が代わっている。一切の報道がなく、私もしばらく知らなんだ。
昨年までの好楽師も、世間では会長として認識されていなかったので、そんなものか。その前の鳳楽師も。
立川流は、名目上惣領弟子の土橋亭里う馬師が代表の座にある。
だが、団体らしい活動はもはや、ほぼない。すでに、そんな団体など存在していないと思ったほうが実態に近いはず。
談志の一門が、なんとなく集まっているというだけである。
雲水みたいなツイッターで吠え出す人が出てきたのは、団体としてのメリットが存在しなくなった結果だと思う。今後もますます増えていくと予想される。嫌だねえ。
立川流のまともな人はすでに、芸協への移籍の道を探っているのではないか。
昇太師と近い志の輔師がキーマンだと思う。
さて上方落語協会の選挙の時期だと知ったのは、夕刊フジのツイートを見つけたから。
愛人DV野郎の桂春蝶の連載を紹介している。
その春蝶、平時じゃないのだから英雄を選ぼうと、協会員に呼び掛けている。
この男の呼び掛けに応じる噺家が、上方にどのぐらいいるのだろうか?
そもそも、噺家かどうかは別にして「DV男だが人徳はある」という人物が、果たしてこの世に成り立つのであろうか?
現会長の笑福亭仁智師に不満があるらしいことだけはわかる。
東京にいる私にはよくわからないところもあるが、仁智師は立派な会長に映るけどな。
仁智師は吉本所属だけども、笑福亭自体はほとんどが松竹で、バランスがとてもいいのもメリット。
普通に考えて、失策がないのだから今回も仁智師で決まりでしょう。
前回の2年前の選挙では、四代目春團治師も候補に挙がっていたそうである。春蝶はその兄弟子を推すということなのか?
当代は英雄だとはとても思えないから違うか。
ちなみに、前回の選挙の次点は月亭八方師であった。
それとも、マスコミで売れている鶴瓶師を推すとでもいうのか? これなら理解できなくもないが。
でも現会長と同じ笑福亭だし、本人がやりたがっていないのだから考えづらい。
ところで、仁智師と同じ笑福亭になってしまうが、私はいずれ松喬師に会長をやってもらいたいですね。
ちなみに仁智師は近鉄ファンであり、松喬師は阪急ファンである。
タイガース一色の大阪において、少数派として生きてきた師匠たちこそ、全体のバランスを見る会長の座にふさわしいと私は思っている。
関係ない? すみません。
面白い結果が出たらまたネタにします。