上方落語協会会長選のその後と大阪のラジオの話

上方落語協会会長選は、まあ、当然だろうが笑福亭仁智師の圧勝に終わった。
ツイッターを読むと、「誰が対抗馬として出たのか、ちゃんとマスコミは書け」って怒っている人が数人。そりゃそうだなと思うのだが、この会長選は立候補制ではありません。
2位の人が誰だったかは、私も目にしていない。

勝手に「英雄」に入れろとクーデターを呼び掛けていた桂春蝶の期待には沿わなかったようだ。
だいたい、タブロイド紙とはいえ、まがりなりにも新聞のコラムを使ってなにをしてるのだ。人徳もないくせに(想像)。
ところでこの人、今、東京の家で奥さんと一緒に巣ごもりなんでしょうか?
家に籠って仕事もないとなると、DV癖がそのうち家族に向くのではないかと、余計な心配をせずにはおれない。

再選の決まった仁智師、早速吉村大阪府知事に噺家の支援を要望している。
なにしろ上方落語家の7割が、4月無収入だったそうな。
上方芸能と大阪府とは、橋下知事以来、密接な関係にあるとはとてもいえないように思うのだが?
噺家にまわすカネ、どこを探してもなさそうだし。
とにかく春蝶の期待って、こういうところにあったのではないのかな? 権力に近づくという。

本来上方落語協会は、3月から東京でも定期公演を開くはずだった。日本橋公会堂。
早く世間が正常になり、このような公演が再開することを願ってやまない。
私も東京の公演には行くつもりですが、上方落語家の会はどうしても価格が上昇気味になるのが難点。演者の交通費の分、仕方ないことだけど。
私は東京も上方も、好きな落語を区別する気は一切ない。だが、真に平等に扱うとその結果、安いほうに行くのが自然になったりして。
まあ、いろいろな寄席や落語会があり、選択の自由が担保されている状態は望ましい。

さてこのところ2週続けて、ABCラジオの「NEXTをさがせ!」というトーク番組を聴いていた。
野球が始まらないので、穴埋めに作った枠らしい。火曜日は、「落語家の出番です!」。

この火曜のラジオの枠は、一週ごとに「南天・佐ん吉」「吉弥・吉の丞」の交代制。
みな米朝一門。所属事務所でいうと米朝事務所。
どちらも非常に面白かった。野球が始まってもどこかで続いて欲しい番組。
どちらの出番にも共通しているのは、噺家が仕事がなくなり、どうやっていま過ごしているか、過ごさざるを得ないかを2時間にわたって延々と語り合うこと。
電話で、暇を持てあまして飲んでばかりいる噺家ともつなぐ。

会長選に参加してきた(一応、あまり来ないようにとお触れは出ていたそうだが)桂佐ん吉師によると、一票「桂三枝」といういたずら票があったらしい。
事務局は弁護士の意見も聞き、「三枝さんは一般的な認識として文枝さんと同一と考えられます」ということで、文枝師の評になるところであった。
だが会員から物言い。「三枝という人間が現在いないことは落語家にとっては常識。これは無効票だ」。
さらに別の会員も物言いを出し、収拾がつかないところであったそうな。
だがこの票をどうカウントしようが、すでに大勢に影響はなかったのに。
ちなみにコンビを組む南天師は、師匠・南光ともども協会員ではない。
その南天師の広告を貼らせていただいた。
このCDの印税、毎年数百円程度上がっているそうだ。大手から出すと、そんなものなんだと。

比較的品のいい(つまり全国区向けの)吉弥師の回と違い、「南天・佐ん吉」は、男二人で2時間セクハラ発言のし放題。
ある女性芸能人について名前を出し、「だらしない体がたまらない」なんて言ってた。直接こう発言したのは、電話でつないだ別の噺家だけど。
ナイナイ岡村の風俗発言、世間で叩かれて当たり前だし時節柄も悪い。だけどそんな中、大阪のラジオはそもそもセクハラの水準が違うなあと思った次第。
日本の東西で、ラジオで同時に発生している事象とその扱いの差の大きさに目がくらんだ。
佐ん吉師、落語を聴く限り、兄弟子・吉弥師と同様非常に端正なのに、ラジオでは、固めの口調のままでセクハラネタを発するのであった。
単純に非難しているわけではない。女性を敵に回さないよう、気を付けてねと言いたいのです。
ローカル番組とはいえ、全国で誰が聴いてるやらわからないし。

作成者: でっち定吉

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