桂米丸さんの追善興行に鶴瓶、文枝ら人気落語家ズラリ 一門の米助が会見(サンスポ)
芸術協会の3月上席は、桂米丸追善興行。
弟子のヨネスケ師が、ハデな番組を仕掛けたそうで。
落語協会を含む他団体から、ビッグネームを大勢呼び集めるという。
サンスポ、デイリー等の情報を寄せ集めると、こう。
- 五街道雲助
- 柳亭市馬
- 桂文枝
- 綾小路きみまろ
- 立川志らく
名前は出てないが、円楽党からも出るのでしょう。
兼好、萬橘あたり。襲名直後の7代目円楽師は、顔付けされていれば名が出たろうからいないと想像する。
きみまろ先生を呼ぶとは。
先日も書いたが、落語協会所属のきみまろ先生、そもそも落語協会の寄席でも見たことないのだけど。顔付けされた香盤自体見たことがない。
いろんな人を呼ぶのは結構だ。このニュースを勝手に、「分裂を繰り返してきた落語界の雪解け」と考える人もいるだろう。
実際、ヨネスケ師はヨネスケちゃんねるで、協会統一派であることを話している。気持ちとしてはそんな含みもあるのでは。
スポーツ報知によると、ヨネスケ師、各団体の許可は取ってませんとのこと。
落語協会の理事会に掛けて、などやっているとポシャってしまいかねない。本当に団体の許可は取っていないかも。
一方では「5団体の協力」とも書いてあるが。
私だって、今年の夏の浅草・にゅうおいらんずにボーカルとして市馬師が呼ばれないかなと書いた。
非現実的な話とはまるで思っていない。
桂小南師の、真打昇進時(小南治)に、父である落語協会の二代目林家正楽が顔付けされた例も実際あった。
そして、小南襲名披露では弟の桂二楽師が顔付けされた。
だから今回のニュースも、規模こそ大掛かりだけどもそこまでビックリしたわけではない。
芸術協会はもともと、末広亭の席亭の意思だから好んで初めたわけではないが、他派がよく出る。
末広亭の定席でも円楽党交互、立川流交互があって、そして文治師や鯉朝師の芝居では上方からも顔付けされる。
そうだとして、落語協会の人は確かにめったなことでは出ない。
こういう話を聞くと、人は「落語協会と芸術協会とは仲が悪いのだ」とすぐ思うもの。全然違うけど。
いっぽう落語協会のほうは、他派が出ることはめったにない。
だから2年前好楽師が柳朝追善で呼ばれたときは、大きな話題になった。
それから昨年の住吉踊りは半分近く芸術協会員が入っていて、かなり驚いたけども。それまでも毎年入っていて、これが芸術協会の人を呼ぶ、数少ない例外ではなかったか。
ただ落語協会の通常の寄席で他派が入らないのは、協会員が多く、そしてずっと客の入がよかったからという理由だと思う。
切羽詰まったときでないと、革新的なことはしづらい。そもそも落語協会員が出られるようにしなきゃいけないし。
ただ、上方落語家はたまに呼んでいる。先日鈴本では文枝師の主任があった。主任は珍しいことだが。
落語協会の囲い込んだ文枝師が、今回芸協に出るともいえる。
落語協会自前の寄席、黒門亭ではそこそこ上方落語家を呼んでいる。
そして、落語協会2階(黒門亭と同じ)では、小はぜ・かけ橋二人会が開かれている。
池袋演芸場の余一会は、基本落語協会の会員が会を催す。だが先日は、新作祭りで混合メンバーだった。
実は2協会、一緒に寄席をやっている例もある。
横浜にぎわい座の定席。毎月7日までしかないのであまり知られていない。
2協会は本質的には仲間なのである。
ところで今回の催しを見て、クラクラするのはなぜか。
落語芸術協会が鈴本演芸場から出ていったのはなぜだったかという話。
席亭から意見が出て、不入りだった芸協の定席に落語協会員が顔付けされるようになったからだ。
最初は鈴本に出るメリットを考えて我慢していた芸協であるが、そのうち落語協会の重鎮でなく、若手が気軽に顔付けされるようになって、限界を迎えたのだという。
鈴本撤退を決めたときの会長こそ、長期政権だった米丸師。
そして、落語協会から顔付けされていた若手に、五街道雲助師もいたのだという。
撤退した芸協は、吉池に移り、やがて新たにできた永谷の上野広小路亭に出るようになる。
そして鈴本に出たかった噺家3人(故・文朝、南喬、文生)が落語協会に電撃移籍。大変な混乱となった。
米丸師も決して、落語協会とバチバチやりあっていたわけではない。寄席の外では普通に顔を合わせるわけだし。
でも、落語協会が混ざってきたことが鈴本撤退の理由なのに、今回混ざってきたら米丸師も驚くのではなかろうか。
歴史を振り返ってもなお、「みんな一緒だったらそれで解決するのだ」と、そう考えるのを否定はしません。
私は消極的協会統一反対派なので、仲間でもあるがライバルとして励んでいただきたいと思っている。
(2025/2/9追記)
追善興行の番組、末広亭公式に出ていた。
なんと落語協会から会長・さん喬はじめ木久扇、正蔵、たい平、喬太郎、白鳥、花緑、菊之丞、つる子なども顔付けされている。三平、木久蔵、つくしまで。
上方からは八方、文珍、鶴瓶、べ瓶、三度、二葉。
立川流から志の輔、談笑、吉笑。
五代目圓楽一門会からは好楽、円楽(王楽)、兼好、萬橘、満堂とここまでは芸協とつながり強い人たちだが、愛楽師も。
こうしてみると、先のニュースはいささか雑でしたね。
私も行こう。喬太郎、志の輔、市馬、小遊三と揃った3月4日など第一候補。
3月上席は、即日完売になると予想しています。
予約も、ネットのようですので、私は行かない(行けない)つもりです。
ビッグネームが揃ったので、初心者からベテランまで行くのでしょうね。
もし、行かれましたら、記事をお願いします。
すみませんコメントいただいていたのに長らく気づきませんで。
私も混雑するとよそ行ってしまう癖がありますが。
しかし見逃したくない気持ちもあります。
行ったらレポートいたします。
いつも楽しく読ませて頂いております。先日、志ん輔氏と歌る多氏にまつわるパワハラエピソードを耳にすることがありました。なんだか印象が大きく変わってしまいました。いやはや残念です。
とまれ定吉様の愛読者であることはこれからも変わらず、更新を楽しみにしております。
いらっしゃいませ。
パワハラエピソードが、当ブログ以外で確認できたということですね。
私も根拠ないデタラメを書き連ねているわけではないので、よかったです。
正義の名のもとに人をひどい目に遭わせる人のエピソードは、若手の高座でたまに耳にしますね。