寒い日曜日。
今日は雑司が谷拝鈍亭で、玉川太福師の浪曲を聴こうと思っていたのだが、結局やめた。
それはいいのだが、ブログのネタを作らないといけない。
ヨネスケちゃんねるのサムネイルを見てみたら、春風亭小朝師の回が昨日アップされている。
落語界統一について語るということなので観てみた。
ただ、小朝師の10月30日のブログを読むと、「落語界の現状とか今後みたいな真面目な話はナシにして、公演の宣伝をさせて頂けるならということで出演する運びとなりました」と書いてあるけど。
木久扇師勇退の後のメンバーについて、小朝師は木久蔵がいいと言う。自分の弟子を出せとは言わない。
明るいし画になるしいじりやすいし。
私も賛同するけども、二世は反発を買いそうなので（あいつのせいだ）、これはないと見ている。
世間から女性を入れろという圧力が押し寄せる中、非難される要素の多い人をあえて出すことはなさそうだ。
好楽師はポンコツキャラのいいポジションを見つけたけども、その分小遊三アニさんが大変だろうと。
ポンコツの分、小遊三師が背筋を伸ばさないとならない。
前半は賛同するが、小遊三師、背筋伸ばしてるかな？ 伸ばしてるとしたら、それはエロネタを使命感に燃えてやってるだけの気がするのだが。
まあしかし、当たってるかどうかはともかく、いかにもプロデューサーな小朝師のものの見方が面白いなと。
小朝ブログの話から、久々に三笑亭夢之助師の話題も。あの人は繊細だったと。
そこからヨネスケ師のフリにより、協会統一論議に話を持っていく。
小朝師、そういう話がしたいわけでもないのだろうが、自分の意見はちゃんと用意してあって、いつでも出す準備があるのだ。
故・円楽師と同じく協会統一賛成者のヨネスケ師に対し、小朝師は反対だと。
その理由付けが面白い。
統一すればいいというのは「強者の論理だ」と。自分たちが残る側であることを前提にした論理だと小朝師は言う。
36人抜きのエリート街道の人が、弱者の立場で語るのである。
私は最近、協会統一反対論者になったところである（穏健派であり、必要性がある場合の統一に真っ向から反対したりはしない）。
小朝師は反対なんだなと思ったのだが、私とは理由付けが全く違っていた。
小朝師、協会が統一され、再分配されたときには寄席にギリギリ出ている人はどうなると。出番を失うよと。
その後も、いつも準備している小朝師、すらすら弱者の立場から語る。
ヨネスケ師はタジタジ。
だが、準備しているにしても、変な論理だなと正直思った。
小朝師の頭の中にあるのは、先日亡くなった半七師など、預かり弟子のことではないだろうか。もちろん他門の、パっとしない人も含めて。
生え抜き弟子3人は、ボーダーのずっと上にいるから。
だがそもそもだ。「協会が分裂しているからこそボーダーラインの人が寄席に出られる」、そんな関係、ある？
落語協会の席でも芸術協会の席でも、あまりにもあまりな人は出番が少ない。そんな噺家が、協会が統一することでさらに出番が減るというのもわからない。
統一されたって、寄席四場と国立や永谷、さまざまな席がある以上、ボーダーの人の出番はあるところにはあるし、ないところにはない。
百歩譲り、統一されて出番が減る人が実際にいたとしよう。
だが、その人に配慮する必要性もよくわからない。席亭も協会も、誰も配慮なんてしてきてないし、これからもしないだろうに。
むしろ「落語界が消えるかもしれない」からなんとかしたいと考えるヨネスケ師の情緒性のほうに私は惹かれたのだけど。
ただ、「～になるかもしれない」という論理は、事象に賛成だろうが反対だろうが、極めて抽象的危険に過ぎないものである以上、理屈の世界で評価はしないが。
私は統一反対の意見は引っ込めないけども、統一があったとしてその後は、寄席四場とそれ以外が明確にランク分けされるだけだろうと思うけど。
今でも芸協はそうなのだが、ボーダーギリギリの人は、もっぱら永谷のほうに出ている。もちろん永谷に出ている人全員がBランクではないけれど。
すらすら語る小朝師を聞き、反対派に鞍替えする人は、たぶん弁舌に押し切られているに過ぎないので、気を付けましょう。
小朝師が、落語を残すものは協会の統一ではなく、自分の役割を理解して忠実に果たすことだという。
これはもっともだ。
ケチャップとマヨネーズで味付けして笑わせるだけなら、それが落語の滅びであると。
ただ、小朝師がなんとなく説得力を持って語る、ある主催者から聞いたという客アンケートは私には理解不能。
ある演者について、「すごく笑ったが面白くなかった」そうだ。
私だったら、面白くなかったら笑わないもの。面白くなくても笑った人とは、相容れない。
そういう人がいただけの話に過ぎないよなと。
なかなか面白かったが、動画の後半を取り上げることはたぶんないと思う。
（2023/11/30追記）
間違えて三遊亭夢之助って書いてました。
三笑亭の皆さんすべてに失礼な間違いで、お詫びして訂正します。
