タモリ倶楽部「ENGEI以外グランドスラム」

タモリ倶楽部は大好きな番組で、毎週録画している。
TVバラエティをあまり視ない私にとっての、世間との最低限の接点がタモリ倶楽部。
面白い回とつまらない回との落差が激しいが、面白いのはまとめて保存している。
中には、扱ったマニアックな対象と関係なく、出演者の掛け合いだけに価値を感じて保存したりもする。

落語との接点は本来はない。噺家さんが出ることもまずないし。
ただ、進行の緩さに惹かれる点は共通しているかもしれない。
和牛が最近よく出演し、いい感じでダラダラ進行しているのは、実になんともたまらない。
だが、彼らを本業のほうで破った霜降り明星は、タモリ倶楽部ではまったくいただけない。ボケのせいやが張り切っちゃって滑っている。
「やる気あるものは去れ」というタモさんの哲学を知らんのか。

今回のタモリ倶楽部の進行役、大変珍しいことにナイツ。
ナイツぐらいになると、落語を生活の中心に据えている私にとっても、自分のフィールドにいる人だと認識している。
さすがはナイツで、めったに絡まないタモリとの掛け合いが実にスムーズであった。
今回は「お笑い第7世代」を集めた芸人企画である。
意外なぐらい、落語の世界と接点を勝手に感じ、面白かった。

漫才のチケットも、最近はLINEのやり取りだったりすると。LINEで予約したことはまだないけど、落語のほうも、二ツ目さんはおおむねこんな感じですね。

女芸人だけのライブをやると、おじさんばかり集結するらしい。おじさんもお笑いライブ行くんですね。
アイドルは無理だが女芸人ならなんとか行けそうなんだろうと。わかるなあ、これ。
落語で私がおじさん集結を経験したのは、講談の神田蘭先生、それから林家つる子さん。
蘭先生、ご贔屓だった貴乃花部屋がなくなってしまって大変だ。関係ないですけどね。
他にも、まだ前座だけど、金原亭世之介師のところの乃ゝ香さんとか杏寿さんとかはお客さん集めるのでしょうな。
私が女流で一番いいなと思うのは、春風亭一花さん。彼女のときは、変なファンはいなかったように思う。

あと、芸人さんへの差し入れについて。
芸人さんに、妙なものを差し入れする人は多いみたいだ。お花なんかもらっても持て余す。持って帰るのも大変だし。
食べ物はマシだが、そうはいってもきんつば大量に差し入れされても困る。
そのエピソードを聴いて、噺家さんもよく語る話を思い出した。
地方に行くと、やたらお酒を手渡しされたりするらしい。持って帰るのが大変なのに。
渡す側も気が利かないと思う。「師匠、お酒送っておきますからね」と言えばいいのに。
昔は噺家にとって旅に出るというのは、今のように日帰りではなく、何か所も回ることだった。
酒のような思い荷物を抱えて巡回するのは、前座の役割であり、大変な思いをしたという。

春風亭昇太師も芸協会長就任の際、噺家には現金のほうがいいと本音を語っていた。
私にも、祝儀を切りたい噺家がいる。
昨年、笑点特大号のチケットをくださった昔昔亭喜太郎さん。お礼がしたいのだが、家内に止められていて果たせていない。
まあ、確かに貧乏人だから。
でも、余ってる商品券ぐらい、渡してもいいんじゃないかと思う。
そんなこんなで、最近は喜太郎さんの出る席を避け気味かもしれない。なんでだ。

タモリ倶楽部の最後は打ち上げの話。
ナイツがオードリーと一緒に会をやっていたときに、なんだか知らないがいつもいるおじさんがいたそうな。
どちらのコンビも、他方のお客さんだと思い込んでいたのだが、実はなんでもないただのファンが勝手に紛れていたのだと。
それであるときの打ち上げは、おじさんをまいてから始めたんだそうな。
落語のほうにもいるのでしょうな、こういう人。

たまに、打ち上げ込みの料金、または打ち上げ別途参加自由という落語会がある。
まだ参加したいという気にはなっていない。
だいたい、こんなところで日々雑文垂れ流しているファン、もっとも嫌われそうだものな。

それにしても、客をdisっているようで、しっかり笑いだけ持っていく芸人さんたち、大したものだ。
少し前、キングコング西野が、差し入れが迷惑だと書いて物議をかもした。
言っていることは非常にもっともなのだが、意見の表明に当たって笑いも愛もないところがなんというか。
西野の場合、そもそも食事に興味がないんだそうだ。
飲む打つ買うに「食う」を足して4道楽にしたい私からすると、なんとも情けない芸人である。

作成者: でっち定吉

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