おかげさまで昨日はアクセスが200件を超え、PPVも500を超えました。
フィギュアのファンが大量流入してきたなどという不名誉な前例を除くと、これは快挙です。
まだまだ当ブログ、大きくしたいものです。
しかしネタがない。今日も朝一番では出せなかった。
昨日は、二週続けてスタジオフォーに出向こうかと思ったのだが、仕事もあるしやめた。
一刀、ぐんま、馬久というなかなかのメンバーではあった。
さて、一朝一門の優秀さを書いたところアクセス多いので、今日は落語界における「一門」の興亡を見てみることにします。
落語とは、実のところ集団芸。
当然、優秀な集団とそうでもない集団がある。どこでデビューしたとしてもなんとかなる人もいるし、優秀な一門から出たおかげで花咲く幸運な人もいる。
優秀な一門から出てパッとしない、哀しい人もいる。
現在の優秀な一門とは、こんなところ。
今回は複雑なので、東京に限定します。
- 林家木久扇
- 三遊亭円丈
- 柳家さん喬
- 三遊亭好楽
- 春風亭一朝
- 瀧川鯉昇
- 春風亭昇太
- 柳家花緑
笑点メンバーは、実のところ非常に優秀である。小遊三、円楽という一門もなかなかよし。
他にも少数精鋭の一門もあるのだが、ここは質・量を兼ね備えた一門を。
いっぽう、立川志らくのように量だけ豊富に備えた一門もある。
次にこれらの師匠が、どこの一門から出ているのかを見てみる。
- 林家木久扇 ← 林家彦六
- 三遊亭円丈 ← 6代目三遊亭圓生
- 柳家さん喬 ← 5代目柳家小さん
- 三遊亭好楽 ← 5代目三遊亭圓楽 ← 林家彦六
- 春風亭一朝 ← 5代目春風亭柳朝
- 瀧川鯉昇 ← 春風亭柳昇
- 春風亭昇太 ← 春風亭柳昇
- 柳家花緑 ← 5代目柳家小さん
同じ名前が複数出てきて、幹が見えてきた。
師匠没後に移籍した好楽師だけでなく、木久扇師や鯉昇師も二人目の師匠なのだが省略します。
春風亭一朝師の師匠は、先代柳朝。いわゆる四天王のひとり。
その師匠は、上の一覧に二度名前の出てくる、林家彦六(8代目正蔵)。
柳朝 ⇒ 一朝と続く一門に限らず、木久扇師を通して実に盛況だ。
さらに橘家文蔵、春風亭百栄に続く流れもあるので、忘れてはならない。
四天王の他の3人は、古今亭志ん朝、5代目三遊亭圓楽、立川談志。
それから、四天王の5番目として橘家圓蔵。
談志は立川流を創設したぐらいで、直系弟子は非常に多い。
だが、これといった孫弟子は出てこない。マニア受けする人はいても。
立川吉笑さんは、真に売れるだろうか?
立川流と比較され、ずっと劣ると言われてきた円楽党だが、孫弟子の代になって盛況である。
笑点ではポンコツ扱いされている好楽師の一門から、兼好師など売れっ子が出てきている。
だから、今だけ見ていたってわからない。
ひとついえること。伸びてくる一門は、おおむね好楽師のように、緩い。
ムダに厳しい一門の教育方針をよしとする世間の見方は、完全に間違っている。時代を下っていくと容易に証明されるのだ。
無意味に厳しい一門は特に、孫世代になっておかしなことになる。
先代柳朝の一門は盛況だが、主軸は一朝師のところ。
小朝師は弟子3人。差が付いたものだ。もっといたのだけど。
小朝師の惣領弟子で、寄席に欠かせない橘家圓太郎師は、なぜか弟子がいない。
他の孫弟子では、今春真打昇進の正太郎(春風亭柳枝)の枝がどこまで大きくなるか。
圓蔵一門は、孫弟子がひとりいるものの、衰退の一途。
師匠が亡くなると、寄席の顔付けがガクッと減る。そこを乗り切れないと難しい。
志ん朝の一門も、そういう状態だった。
志ん朝孫弟子の世代に、今秋「志ん雀」で真打昇進の志ん吉さんがいる。
すでに真打になっている兄弟子二人が、志ん五師と、鉄道落語で人気の駒治師。
この人たちは人気。だがトータルで見ると、一門は小さくなる一方である。
志ん生 ⇒ 志ん朝と来た幹は細くなり、古今亭では圓菊一門のほうが現在太い。
菊之丞、文菊といて。
もっとも、孫弟子がどんどん増えていくという感じでもない。30年後どうなるか。
志ん生からの流れだと、先代(10代目)金原亭馬生一門が盛況。
先代馬生という人も実に不思議で、亡くなって時間が経てば経つほど名声が大きくなってくる。
現役時代の馬生にちゃんと惹かれた、多数の弟子は立派だ。
五街道雲助、当代馬生の一門が、それほど数は多くないが精鋭が揃っている。曾孫弟子もいるし、これからますます充実していくだろう。
別の幹を見てみる。
春風亭柳昇は、孫世代まで大きく枝を伸ばしている。芸協の会長を出したのは大きい。
ちなみに、春風亭柳朝とは全然違う一門である。
柳昇一門も緩い。
瀧川鯉昇、春風亭昇太だけでなく、昔昔亭桃太郎師のところもなかなか盛況。
A太郎、喜太郎あたりからは売れそうだ。昨年二ツ目になった昇さんもいいと思うが。
芸協で別の幹としては、10代目桂文治一門がある。
ここが今後どれだけ大きくなるだろうか。
現在単独披露目をしている桂宮治も、この孫弟子。
ただし全体としては、一門の興隆は当代(11代目)文治師に掛かっていると思う。
二ツ目の鷹治、前座の空治と逸材はいる。どうなるか。
幹を遡っていくと、三遊亭圓生、5代目柳家小さんがいる。
ここは太い。
円楽党は圓生の系統であるが、落語協会のほうでも円丈一門が大きくなった。
小さん系統は、現在の落語協会の多数派になっていて、一門外から柳家協会と揶揄されている。
今日はこのへんで。