落語に行きたくて行けないことも多々あるが、別段がっかりする必要などない。
もともと池袋の、3月下席、新作まつりに行きたかった。柳家喬太郎師の「東京タワーラブストーリー」ネタ出しには特に。
行けなかったので、すぐに4月上席、喬太郎師のトリの芝居に切り替える。
なかなか豪華な顔付け。
喬太郎師は夜トリだが、昼席トリの古今亭菊之丞師から居続けしようと思う。
池袋へは、入れ替え制の下席に行くことが多い。小股の切れ上がった下席の番組はいつもとてもよいが、たまには流し込みの上席、中席で居続けしたいなとも思う。
居続けは実に久しぶり。
おかげで菊之丞、喬太郎と二人のトリを聴け、お腹いっぱい。
特に夜トリ、柳家喬太郎師の「居残り佐平次」は絶品だった。まだ4月だけども、ひょっとして今年一番の落語になるかもしれない。
平成最後の、などという区切りは嫌いなので、しません。
今年は年頭に、新宿、浅草あたりにもっと行こうと決意した。
柳亭小燕枝、三遊亭遊雀といった私の好きな師匠が、池袋では主任がないからだ。
でも、やっぱりまた池袋に来てしまう。私を掴んで離さない、池袋秘密倶楽部。
菊之丞師の割引券が出ていたので500円引きで入れてもらう。東京かわら版割引のない池袋ではありがたい。
ありがたいから文句ではないけど、どのみち立ち見になる芝居で割引券を出す理由は、なんだかよくわかりません。
池袋の、ではなくて師匠の意向なんだろうか。
テケツには「ただいま立ち見」の表示。客席後方に、立ち見がズラリだ。
いつも素晴らしい池袋は、今回もまた、素晴らしい内容でした。
《昼の部》
さん喬 / 締め込み
(仲入り)
こみち / 鮫講釈
扇遊 / 狸賽
ジキジキ
菊之丞 / 三味線栗毛
《夜の部》
八楽 / からぬけ
小太郎 / 初天神
小平太 / 松曳き
ニックス
小せん / 人形買い
扇辰 / 道灌
仙三郎
はん治 / 背なで老いてる唐獅子牡丹
花緑 / 天狗裁き
(仲入り)
左龍 / 鈴ヶ森
彦いち / 熱血!怪談部
二楽
喬太郎 / 居残り佐平次
仲入り後の時間を狙って行ったのだが、時間が押していて、仲入り前の柳家さん喬師がまだ喋っていた。混雑する席の場合、噺家さんに気合が入って、つい長くなるようだ。
色物さんが時間を調整しなければならない。
締め込みの、夫婦喧嘩の場面から立ち見で聴く。
湯をぶっかけられて飛び出てきた泥棒が仲裁に入る。旦那にいろいろ質問されての、泥棒の婉曲な回答、「それです」が素晴らしい。
ちなみに池袋、消防がまた入ったのか、補助椅子は撤去。
しばらく池袋の記事が続きます。