オリンピック反対派についてしみじみ考える

今日は朝の更新休もうかと思ったのですが、早起きしてしまったのでなにか書きましょう。
相変わらずオリンピックネタ。

金メダルラッシュの中、昨日から野球も始まった。
9回裏の大逆転、ドミニカのピッチャーの、一塁カバーの遅れからすべてが始まった逆転劇。
日本人なら、小さい頃から徹底的に仕込まれていて、まずミスらない部分だ。
相手の傷口を広げていく、日本人の嫌らしさがたまらない。
そして甲斐の見事なプッシュバントのスクイズ。小技であり大技。
日本らしいなと。

そんなわけで毎日、オリンピック観戦で忙しい。
ナイツのコメント聴きたいけど、ラジオに手が回らない。オリンピックに疲れたときは、ジャズを聴いている。

観戦に忙しいのだが、オリンピック反対派の動向も追いかけている。
一般人の反対派は、背景がわからないのでなんとも言えない。中核派かもしれないのでスルー。
結局、立民・共産、そして立川談四楼など左翼文化人をチェックしている。

なんで反対派のチェックなどしているのか。別にブログのネタ拾いではない。
確かにネタにすることもあるが、それ以前、もっと深い衝動に基づく。
私がオリンピック賛成派なので、対立する軸の動向が気になるからか。そうでもない。
そもそも自分自身を、「オリンピック賛成派」と認識しているわけではなく、あちらは真の対立軸ではないのである。
左翼の動向が気になるのは、「認知の狂い」に、非常に興味があるからである。

「オリンピック中止」を正義として打ち出し、政権打倒の武器としてこれを担ぎ出した左翼サイド。
これ自体今から思えば、選挙戦略的に大いに問題があったところだ。
すでに書いたことだが、オリンピックのムーヴメントは開催前に予期できない、想像を超えるものとなるからである。
5年も経つと、その大きさを肌感覚として忘れてしまう。「国民の多くはオリンピックなんて楽しんでいる場合じゃないだろう」そう読み誤った。
読み誤ったというか、そもそもオリンピックを軽蔑する心理が現れてしまったというか。
もともと、五輪のたびに発露される愛国心について、左翼は心理的嫌悪感を持っている。
日の丸にも、君が代にも嫌悪感があってこれは顕在化している。なのに天皇陛下は大好きという、深刻な矛盾。
ゆえに、人民を導こうとするうえでの戦略を誤りやすい。

オリンピックがようよう始まると、反対派は、競技については無視するという手段に出るしかなくなる。
だが、オリンピック競技は実に楽しい。私のようなひねくれ者であっても、心の底から湧き上がってくる衝動を感じる。
湧き上がる衝動に蓋をしないと、批判は続けられない。
キツいなこれは。人として。
因縁つける材料を探すために競技を観るなんて、無理だろう。
テニスの暑さとか、弁当廃棄に突っ込んでるところを見ると、さすがに誰も競技は観てないんじゃないか。

それでも共産党のような振り切った陣営であれば、もともと愛国心に紐づく衝動など小さい。湧き上がってくるものも少ないので、スタイルを貫くのはそれほど苦でもない。
そこまで行かない人は、現在、衝動と理念とに引き裂かれているところ。
反対派から鞍替えした人を非難しても始まらない。反対派の資質をもともと持っている人とは、性質が大きく異なるのである。

プロ野球やMLBが大好きで、客を入れてもいいと思うそんな人たちが、オリンピック開催をいつまでも(心理的に)拒否できるわけはない。

私も元来理屈っぽい人間である。理屈を追求した結果、感性のほうを修正することも多い。
だからこそ、理屈からスタートしている人たちを眺めていて、他人事には思えない。
理屈を追求しようとしても、オリンピックを楽しみたい衝動が依然強いままなら、それはもう理屈のほうが誤っているのである。
つまり、現実の認知が狂っているということ。ご愁傷さまです。

共産党まで振り切らない左翼が、オリンピックを否定する方法、ないことはない。
メダリストが、クソ野郎であることを証明すればいい。小山田圭吾と同じ陣営にいる、人間の屑たちなんだと。
今後これ、絶対あるだろうな。材料を集めてくるのは左翼とは限らないが、そこに乗っかるだろう。
未来のメダリストいじめは、彼らにとっては悪ではない。自分の精神が分裂しないための、大事なアイテムである。

メダリスト引きずり下ろしは前例がある。水泳の瀬戸大也選手は、すでにこの砲撃を食らっている。
徹底的に失墜し、今回の大会でも叩かれ続けているという、珍しい人。
栄光の頂点にいるメダリストには、十分警戒していただきたいところである。
もちろん、真に立派な人間になってもらったって全然いい、というかそれが理想ですが。

思想とは関係ない、「オリンピック嫌い」にも焦点を当てたかったのだが、また今度。

作成者: でっち定吉

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