パラリンピックと東京かわら版9月号

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パラリンピックの開会式を観ている。
さまざまな欠損を抱えた人たちが、国家を代表して行進するさまは、オリンピックと同様、グッと来ます。
「欠損」というと「ちがーう!」と言われそうな気もする。「障がい」「障碍」と書けと。
でも、やはりなにかしらの欠損と思うのである。親父に手首を落とされたルーク・スカイウォーカーのような。
といって、「ハンディがあるのに立派」ということではなくて、ハンディがあろうがなかろうが、自分の力を最大限に発揮しようとする、そのさまに人は感動する。
落語にも、欠損をテーマにした人情噺が多数ある。すぐに例が挙がらないけど。

パラリンピックのパフォーマンスも素晴らしかったと思う。
ところで塩村あやか議員は、子供が夜中に出演していることに異論を唱えるのでしょうか、やはり。
自分の正義に固執していると、多様性には不完全乗車。

尾瀬のガイドが、一面の花を「女性専用車みたいでいい香り」とか、「アフガニスタン、ミャンマー、ロヒンギャに比べて幸せです」とかつぶやいて炎上したらしい。
思わず食いついて、久々に「世の中の落語を探す」シリーズでネタにしようかと思った。
だが無理だ。
「面白いことを言おうとして滑る」人については、突っ込んで笑いが生まれる余地がある。
しかし、「面白いことを言おうとしてあたりを凍りつかせる」人に、救いはない。
河村、張本ほどの年寄りでなくても、ダメな人はダメ。
本人は理解できないだろうが、気持ちの悪さの要因は、「ヘンな、一方的な視点」にある。
「女性専用車の香りを好む」とか、「戦乱の地の住民に対し優越感を覚える」という感覚に共感してくれる人は、まずいない。
スタートからすでに間違っているのに、自分の「たとえ」のセンスに勝手にユーモアを感じてしまう人。
露悪的な部分にユーモアを見出すセンスは、最近世間でやらかした人の感性にも近い。
これまでもガイドで、本人は気が付かず、引かれてるのだろうなあ。自分では手応え満点で。
落語でも聴いていればよかったのだ。

さて、以上と全然関係ない、東京かわら版9月号の話。本日届きました。
9月も、行きたい会が目白押しで目移りする。全部行けるはずもないが。
しかし堀井憲一郎氏は、来月昇進、落語協会の新真打4人について、それぞれ40回近く高座を聴いているのだそうだ。
そんなに? 私は柳家花いちさんがかろうじて二桁であり、あとは一桁。
うらやましいと思う気持ちが少々。反対に、そこまで行かなくていいんじゃないと思うのが両方。
私は聴いた高座を深掘りしているため、おかげさまでしばらく楽しめます。
これ以上書くと、多くて週1回程度落語に行く程度の奴の、妙なマウンティングになりかねないのでよします。
堀井氏のコラムは、その新真打たちについて。この人、かわら版で新真打にいつも筆を割く。
ということは、1年のうち3~4月は新真打のことを書いているのだが、無理やり褒めているなと思うことが多い。
だが、今回の4人についてはわりと無理していない。「わかるわかる」と思うところが多い。
それだけ、質が高いということ。できれば全員の披露目に行きたいものだ。
もっとも私は落語協会の前に、国立で終わる芸協新真打の披露目に行かないといけない。

それから同じくかわら版。渡邉寧久氏のコラム。
鈴本演芸場の新席亭にインタビューしていた、そのおこぼれ情報。
渡邉氏は席亭にどうしても聴きたい情報が3件ある。
すなわち、「早朝寄席」「古今亭志ん生襲名」「芸協との関係」だそうだ。

まず早朝寄席は復活させたい意向とのこと。
正直、これについては個人的にはどうでもいい。私もたびたび行ったし、あればあったほうがもちろんいいが、なくても困らない。
早朝寄席が復活しても、二ツ目の出番が劇的に増えるわけでもないし。
夜席復活のほうが優先順位としては先の気がする。

そして、志ん生襲名は、前席亭の目の黒いうちに実現とのこと。
コラムには継ぐ人の名は書いていないが、菊之丞師で間違いないでしょう。
当ブログでも、この襲名はすでにスケジューリングされているのではと憶測を書いているが、その通りらしい。今年の圓菊襲名も、この流れの中にあるはず。

渡邉氏のコラム、鈴本と芸協との関係という、私が最も知りたい話にはなぜか触れず、圓生襲名の話に飛ぶ。
外交上手の当代円楽師がどう取りまとめるかが楽しみだと。遺族の反対はすでにないそうで、業界がまとまれば実現するらしい。
私はいいと思ってます。
芸協の寄席で襲名披露をして、ついでに鈴本でもやれば完璧じゃないか。もちろんホームグラウンドの両国でも。
ネットのニュースにも圓生襲名への意欲が出ていたが、ヤフコメでもって、反対意見が意外なぐらいないので驚いた。

作成者: でっち定吉

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