新番組「落談」より・・・落語談義よりもナイツ塙が面白い(上)

昨年も行った国立演芸場の、小遊三師のトリを聴きにいこうと思っているのだが、〆切が。
とりあえずネタのないときにはTVから拾います。

桂宮治師の情熱大陸は、我々が普段覗けない学校寄席の模様が面白かった。
前座の頃からやっている西荻窪の会では、宮治師のオープニングの立トークが45分だって。それはちょっと無理だなあ。
しかもずっとなじみの客に悪態ついてるし。

この春BSのチャンネルが増えた。
増えたひとつBS松竹東急では、「落談~落語の噺で面白談義~」という番組が始まった。
2回にわたり、「火焔太鼓」を特集していた。

ホストは米粒写経。正直、好きなコンビではない。
池袋演芸場の落語協会の寄席で彼らが交互出演のときは、もう1組のほうを狙っていくことが多い。
ツッコミのサンキュータツオは、渋谷らくごのキュレーターであり、落語界に多大な貢献をしている。
いまだに渋谷らくごは行ったことがないのだが、先日朝の会を検討したし、いずれ行くと思う。あまりサンキュータツオも米粒写経も嫌っていちゃいけないと思う。

ただ、嫌いな理由はわりと明確。
今回の番組が典型なのだが、トークに理屈が立ちすぎていて、引いてしまうのだ。
インテリなのはいいのだけど、インテリを前面に押し出してくると、引くときがあるということ。
サンキュータツオが、マキタスポーツたちとM-1の後で論評していたトークにも、同じことを感じた。
インテリなのに押し出してこない人、あるいは逆にインテリを徹底的に押し出すことで別種の笑いを生み出す人に対しては、まるで抵抗は感じないのだが。

いや、こんなことを呟きつつ、私のブログを読み、同じ感想持って脱落する人も、きっといると思うんですよ。
私も時として、米粒さんたちと同じ方面に向かってるんじゃないかなと。
反面教師にしたい。
理屈は面白いのだけど、理屈を突き通した先に面白さがないといけない。タモリのような。

その、やたら理の立った番組の第1回(と後半の第2回)のゲストがナイツ塙。
ナイツのラジオ、最近めっきり聴かなくなってしまった。ブログでも散々取り上げたのに。
今は、土曜のちゃきちゃき大放送と木曜のビバリーぐらいかな。結局、帯のラジオショーに飽きてしまったということ。
先週ロケット団がゲストで出ていた、木曜日のラジオショーは面白かったけど。
とはいえ、ナイツに飽きたということはない。改めて刺激を受けた次第。

米粒写経とナイツは同業者だが、米粒は漫才協会員ではない。
落語の寄席に出ている漫才師で、漫才協会員でないのはこのコンビだけ。この点、ちょっと距離を感じるところ。
落語を知り尽くしている米粒と違い、塙は芸協の会員なのに落語の知識はあまりない。これは日ごろから語っていることであるが。

第1回のテーマ、火焔太鼓を演じるのは立川志ら乃師。
この人を聴く機会は皆無であるが、こんな志らくコピーみたいな人だとは知らなかった。本編を過剰に膨らませて延々とやる。
これからもずっとこの人が落語をやるみたい。
好きな人にはたまらないだろうが、ちょっと私にはしんどいな。攻めすぎの人選。
演者との距離をどのぐらい取るかは、聴き手に決めさせて欲しいぞ。

3人で火焔太鼓のどこが難しいかというトークをしていたのに、塙が急にブッコんでくる。
落語家さんもピンキリですよ。すっげえつまんねえ人いますもんね、同じ協会でも。
ムダな話が多いですね。なにもかかってないことをずっと言ったりとか。
いるいると合いの手を入れる、ボケの居島一平。米粒写経が同意すると、落語協会の人がターゲットになってしまうのだが。

落語の寄席の集客を支えてきたナイツだからこそ言える話。
私の感想はちょっと違うけども。マクラが塙の言う通りつまらなくてムダでも、本編とのバランスを考えたときはそれほど悪くないという人もいるから。
マクラがヘタで本編もイマイチという人もまあ、確かにたまには出てるが。
ツカミを大事にする漫才師からすると、盛り上がらないマクラは確かになにをやってるんだとなるであろう。だがお笑い論では語れない領域も、落語には間違いなくある。

火焔太鼓の夫婦関係は、塙の相方・土屋の家と一緒だそうだ。
ツッチー恐妻家のネタも使い古されていると思いきや、まだまだあるものだ。
漫才してて、今日は奥さんに叱られてきたというのがテンションでわかるらしい。

続きます。

(追記)
新番組だと思っていたが、すでにソフト化もされている番組でした。
BSでも新局だけあって、CSみたいな放送の仕方。でもまあいいでしょう。

 
 

作成者: でっち定吉

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