梶原いろは亭復活・連休の鈴本・笑点の桂南光

遅い更新ですみません。小ネタ集です。

梶原いろは亭復活

東京かわら版の末尾で落語会の開催を確認すると、懐かしの文字が。梶原いろは亭。
東北線の線路沿いにある。上野方面から尾久を過ぎ、線路をまたぐ人道橋「上中里さわやか橋」の直前、右手。

コロナ禍において、お上の指導でずっと閉めていた小さな寄席である。配信はやってたようだが。
公式サイトによると、4月から水曜、日曜の会を再開したそうだが、番組表を出しておらず詳細はわからない。
ともかく5月からは、かわら版があれば目当ての会にいけるわけである。

水曜日が若手(二ツ目限定のはず)2人会で、日曜日は真打が出る寄席形式。
かわら版を見ると、22日の日曜日の予定だけ入っていない。本当にないのかどうかは知らない。
水曜も日曜も、良さそうな顔付けがあるので行ってみたいものだ。
料金は、水曜1,500円(予約1,000円)、日曜は2,500円(予約2,000円)。

コロナ前はお弁当付き、お菓子付きの料金設定もあったが、これはまあ当面復活しますまい。

結局、2年閉めていたのかな。2019年1月に開場し、そして2020年にはたちまち閉めざるを得なくなった、不幸な寄席である。
私は2019年に二度行った。
やたらと高座が高いのが特徴。まあ、どの席でも見やすくていいのでは。
客席は、上手(右)が壁になっていてこちらからは出入りできないのがやや難点。仲入り休憩時にトイレに行こうとすると、下手に座っている人の前を横切らないとならない。
まあ、そんなことはよろしい。

私は二度この席に行った。いずれも若手の会。
神田連雀亭や、スタジオフォー巣ごもり寄席を補完してくれる存在である。

春風亭一之輔、連休の鈴本を救う

寄席は、正月・お盆と並ぶ書き入れどき、連休を迎える。
寄席の最高峰、鈴本演芸場でも5月は夜席を開ける。クラウドファンディングの返礼である百日寄席ではなく、定席である。
連休に鈴本でトリを取る師匠は、落語協会において非常に偉い人である。
昼席は林家正蔵師。
夜席は柳家権太楼師であったが、心房細動による不整脈で入院、休演。
かわら版にも載っていない緊急のニュースなのに、この代演にスポッと人気者の春風亭一之輔師が収まったからびっくりだ。
もともと連休の寄席は、浅草(喬太郎師が主任)が入っていたとはいえ。

もちろん一之輔師も忙しい。1・3・4・5・7・8とびっちり回があるのだが、奇跡的にみな昼なのである。
6日は休演で、この日だけさん喬師が入る。
一之輔師はこの日、大阪・豊中で夜の会。さすがにこれは無理。
それにしてもかわら版には、公式のスケジュールに出ていない会も載っているのは不思議だ。

さらにすごいのは、全日ネタ出し。代演の打診を受け、すぐに9席ネタを決めたのだ。
もちろん古典の大ネタばかりだが、9日はなんと「任侠流山動物園」。
三遊亭白鳥作のご存じ「流れの豚次」シリーズで最も先にできた噺。こんなの持ってたのは知らなかった。

笑点の桂南光

最近の笑点を見逃し気味である。特大号で見るからいいやと思っているのだが、野球シーズンに入り放送回数が少ない。
円楽師の代演に東西の噺家が多数出ているが、あまり追っかけられていない。
桂南光師の2回目は、後半だけ間に合った。

南光師は、MBSラジオ「松井愛のすこ~し愛して」の月曜日レギュラー。
なにか触れているに違いないと思い、2週分聴いてみた。

南光師は、いにしえの東西対抗に出たぐらいで笑点はすっかりご無沙汰だったそうで。
先代圓楽の時代は、リハーサルから非常にきっちりやっていた。
だが今回出向いたら、だいぶ緩い作りになっていたと。
リハーサルをまず1回やってみて、いいネタを作家さんたちがセレクトして、本番で使うのだそうだ。

ははあと。
笑点の作家さんの役割が、腑に落ちた。
笑点台本問題というのが、長きにわたって笑点ファンとそれ以外との間でくすぶっている。
あんなものは皆ネタが決まってるんだから誰でもできるんだと。まあつい最近、できなくて辞めた人がいたことで、実力が不可欠なことが世間に知らしめられたのだが。
最近はさすがに、笑点大喜利がまったくの出たとこ勝負だと思っている、純朴なファンは少ないと思う。純朴なファンのほとんどは、落語好きではないのだけど。

北野武はあんなものとボロクソ言う。それに乗っかる人も多々。乗っかる連中も、純朴な笑点ファン以上に単純すぎる。
高田文夫先生は、作家として笑点にかつてかかわっており、番組を悪く言うことはないが、作家がネタを作っていることは明かしている。
だが現在、やり方が違うようなのである。

私は若手大喜利の公開収録だけ観たことがある。
観た感想は、「若手大喜利はガチ」。別に、地上波笑点はヤラセだとか、いい悪いの価値観が入っての感想でないことはお断りしておく。
若手の大喜利はそのほうがパフォーマンスがいいのだろうと想像したものだ。
だが、あれについてもリハーサルがあってネタの取捨選択が行われているのだろう。よく考えりゃ当たり前だ。

そして、ネタは出演者が自分で作ってきているのだそうだ。もちろん、事前にお題は伝えられている。
この事実はむしろ、意外に思う人が多いのではないですか。
南光師は、すべてのネタを桂米紫師に作ってもらったんだって。

視てない1週目について触れるのもなんだが、南光師が番組最後で、司会に頭を下げて来週もぜひお願いしますと言ったそうで。
南光師、あれは台本に書いてますんで。私は忠実に再現しただけですからと。
ちょっとその内幕暴露は野暮すぎるのでは。

作成者: でっち定吉

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