国立演芸場が建て替え

最近、やたらと国立演芸場に出かけている。数えたら昨年6回、その前(コロナ真っ最中)も4回。
今年に入ってからもすでに3回。実は一番よく通っている。
独演会や国立名人会ではなくて、ほとんどが寄席の定席。落語会は昨年の「小遊三の会」だけ。
私、寄席四場と比べて、国立定席を明らかに見下していた時期があった。
今となってはお詫びのしようもありません。

なんでしょうね。寄席四場とは違うシステムで顔付けをしているのに、妙にそそられたりするのだな。
少しでもいい芸人を使おうと、国立演芸場も頑張っているのだと思う。
終日はさすがにいたくないなと思う顔付けのときでも、仲入り後3割引きという必殺技もあるし。
あとはキャッシュレスで入れるというのが気持ちいい。

その国立演芸場、建て替えられるんだそうだ。まったく知らなかった。
知ったのも、このニュースで。

落語会最古参の三遊亭金翁、7年後に100歳で新国立演芸場のこけら落としを目指す(サンスポ)

これ以外に、国立演芸場建て替えのニュースは見当たらない。
もっとも今回、国立劇場全体の建て替えである。国立劇場で調べると、過去にいくつかニュースは出ていた。見逃していたのだ。

国立劇場の建て替え計画、ホテル併設し文化拠点へ 最高74メートル(朝日新聞デジタル)

金翁師は、国立演芸場開設にずいぶん骨を折ったそうである。それが建て替えとは感慨深いであろう。
私からも、ありがとうございます。

2023年秋から建て替えに入り、2029年完成とのこと。
ならば、まだ大きな報道がなくても無理はない。歌舞伎座と違って極めてひそやかだが。
ホテル併設か。劇場・演芸場としては便利なロケーションだが、ホテルとなるとそうでもない、微妙な場所。
まあ、いいんじゃないですか。
劇場のほうの喫茶店だって、現状本当に地味なのだ。ホテルのラウンジぐらい併設されていたってバチは当たるまい。
歌舞伎や落語の観劇券とホテル宿泊をセットにすれば、一定の評判は得られるだろう。

2023年秋というのが何月なのかわからない。決まっていないのかも。
落語協会の秋の真打披露興行が行えるかどうか、微妙なスケジュール。
落語協会では、春に江戸家猫八襲名がある。この時期どうやら、真打の披露目はない模様。
秋に押し出された新真打が、完全な披露目をさせてもらえないのであろうか?
朝日のニュースによると、国立の公演自体は別場所で続くということだが、別場所ってどこだろう?
定席のできそうな会場、思いつかない。
国立能楽堂? 夜だったら使えるかもしれない。

芸術協会のほうは、最初から秋の披露目はやらない可能性。

国立新演芸場の目玉はなんだろう。規模は現在と同じなんだそうだ。
個人的には、「タッチ&ゴー」など導入して欲しいのだが、どうですか。駅の改札と同様に、スイスイ通れる。
もっともそんなご時世になっても、相変わらず東京かわら版を握りしめ、スタンプを押して200円引いてもらっている可能性もあるが。

来場マイルが自動で貯まるなんてのもいいですね。

相変わらず、席で食事は禁止の気がする。まあ、それはそれでいいです。
ということは、テーブルもなしということ。

あとは桟敷席があるといいですね。横浜にぎわい座に行ったばかりなもので。

番組についても、建て替え後はいろいろ考えて欲しいものだ。
現行の、落語協会と芸協それぞれの定席はあっていいけども、そうでないバラエティに富んだ番組が欲しい。
金翁師のニュースに出ていたGWの大演芸まつりと、正月だけですからね。
演芸場主体でもって、各派混合の寄席があるといいのに。上方も加え。
披露目の口上だって、別協会の師匠が並んだっていいじゃないですか。パーティにはちゃんと出席してるんだし。
落語協会にも芸協にも利権はあろうが、下席ならできると思う。

いろいろ妄想するのは楽しいものです。
ちなみに、先代古今亭圓菊は、「都立演芸場」設立のため奮闘したそうである。菊之丞師がマクラで語ってた。
あいにくこちらは挫折。都民寄席はやってるけども。
まあ、民間の力あっての寄席ということで。でも国立はありがたい。

(追記)

朝日の記事をよく読んだら「23年10月末で既存施設は使用を終える」と書いてましたね。すみません。
とにかく、披露目はできない日程。

 
 

作成者: でっち定吉

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