黒門亭6月よりひっそり再開

書くことがなく朝を迎えてしまった。
よく調べたらニュースがひとつあるじゃないか。黒門亭の復活。6月4日から。
落語協会の本丸である。2階の和室(噺家さんが稽古に使っている)で開かれる小規模な寄席。

20人入れるそうなので、まあまあ。神田連雀亭と同じだ。
連雀亭と違うのは、和室で座布団。
そんな寄席もしばらく行っていない。末広亭の桟敷に短時間座って以来。
本来キャパは40人だが、もともとすべての日が埋まっていたわけではない。10人程度のことも多かった。
いっとき定員10人・予約制で再開していた時期があったが、それはさすがに行ってない。
復活後も予約は必要だ。面倒だが仕方ない。
ワクチン打った証拠を見せろと言われるよりはよかろう。

ここでいろいろ聴いたなあ。
最後に聴いたのは、2020年正月、入船亭扇辰師の「雪とん」。あれはしみじみよかった。
「五人廻し」も聴いた。
他に柳家小ゑん「アセチレン」「燃えよジジババ」「ぐるんぐるん」「卒業写真」。
古今亭菊之丞「子別れ」、三遊亭白鳥「座席なき戦い」、春風亭百栄「落語家の夢」。
そして、現柳家さん遊の先代柳亭小燕枝師をずいぶん聴いている。

私の手元に10枚残った半券は、まだ使えないらしい。2回ほど、ためて無料で入った。
仕方ない。まだ取っておくつもり。

番組も出ている。初日はなんと小三太師。
6月12日の2部が、柳家小ゑん師の「悲しみは埼玉に向けて」である。これが早めに埋まると見た。
この高座はCDになるかもしれない。
私は3月の台本まつりで聴いたばかりなので遠慮しますが。
6月18日の2部「二ツ目がトリ」には、林家三平師匠も顔付けされています。それがどうした。
まあ、焦ることなどなにもない。

というか、この2年、黒門亭なしでしっかり生きてきた。
もっと気軽に行ける神田連雀亭の存在のほうが、私にとってすっかり大きくなってしまったようだ。
もちろん行先が多数あることは大歓迎なのだけど。
今回の顔付けを見ても、たとえば台所おさん、柳家花いちといった師匠、よそでも聴けるななんて思ったり。

黒門亭に巣くっていた常連客たち、よそでお見かけしたことはないな。
黒門亭に義理でもあるのかしら?

しかし振り返ると、黒門亭があるからこそ、落語協会によく通っていたともいえる。
意外と、あの小さな寄席の存在は大きい。そもそも落語協会には、寄席の出番の少ない精鋭が結構いるということだ。
最近、私の中で芸術協会が占める地位が大きくなってきた。
常にバランスを取ろうとは思っているのだが、自然とこうなってきたのは黒門亭不在も理由のひとつ。それに気づいた。
黒門亭は、寄席にそれほど顔付けはされないが達者な人を聴ける点で貴重。なるほど、顔付けされないのも無理ないやという人もたくさんいるけど。

芸術協会の本部でも、小さな寄席をやってもよさそうに思う。でも落語協会ほど希少価値はないし、末広亭の席亭がいい顔するとも思わない。
あちらはもともと上野広小路亭などあり、人数も少ないので寄席に出られる人が多いから。

そういえば、定席にはゲストを呼ばない落語協会だが、不思議なことに黒門亭ではたまに呼ぶ。
行ってないけど桂ぽんぽ娘さんとか呼んでいた。
まあ、そんなのも楽しみにしましょう。

作成者: でっち定吉

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2件のコメント

  1. いつも楽しく拝見してます。
    芸術協会の噺家さんは東北にも仙台にある魅知国定席 花座にも出演されてます。
    今月は文治師の独演会(芝楽師匠の南京玉すだれ付)とかルート9の定期公演、来月は小南師の独演会とか。
    逆に落語協会の方は中々拝見する機会がありません。やはり花のお江戸は落語を聞く機会が多くていいですよねぇ。コロナが落ち着けば・・・。今年は謝落祭やるんですかね?

    1. そうですね、芸協さんのほうが営業熱心みたいで、地域によって縄張り持ってたりしますね。
      草津温泉とか。
      東京ですが、私も先月出かけた東村山なんかもそうです。柳亭こみち師の出身地ですけど。
      協会またぎがもっとあるといいですね。

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