急に競馬好きになったうちの息子が、テレビで中央競馬中継を観ている。
午後3時からはフジテレビ。
ゲストに鈴木淑子さんが出ている。驚いた。
私が昔むかし競馬ファンだった頃から.すでにおばさまだった淑子さん、あまり変わっていないじゃないですか。
相変わらずお綺麗で。
落語界でいえば橘之助姐さんみたいな方でしょうか。
中継の途中で繰り返し繰り返し「ヨシコさん」と振られる淑子さん。
そのたびに、私の頭で「冗談はヨシコさん」というフレーズが再生される。
というわけで、今日のテーマは「冗談はヨシコさん」です。一応、「日本語シリーズ」の一角をなす。
「ヨシコちゃん」という言い方もあるそうだが、私的にはヨシコさん。
それ、落語と関係あるの?
ヨシコさーん(先代三平)。無理やりつなげてみた。
セツコは橘家圓蔵。
落語と多少関係ぐらいはある。まあ、なくたって別にいいじゃないですか。
大変なんですよ、ネタもないのにブログ書くの。
「冗談はヨシコさん」で検索してみたが、昭和の滅びたギャグという扱いだ。
こんなフレーズをつぶやいていると、若者にドン引きされるらしい。
若者は地口は嫌いか? そんなこともないだろうけど、おじさんがおもねって「激おこプンプン丸」とか口に出したら、尋常でなく引かれると思う。
ヨシコさんのほうが益子さんだ。
類似の言葉として、こんなのも。
- 余裕のヨッちゃん
- 許してちょんまげ
- よっこいしょういち
- 合点承知の助
うーん、合点承知の助は、使ったことはない。
時代劇で使う由緒正しきことばのイメージ。
ちなみに家では私、重い荷物を降ろしながら「よっこらしょういち」とつぶやいている。ひねった結果、意味を失う寂しいギャグ。
それにしても、ヨシコさん自体、いなくなった。佐久間良子はご存命だけど。
よしこで検索して出てくるのは、ガンバレルーヤである。
有名人でも宮崎美子ぐらいでしょうか。
そもそも「子」の付く名前すら、皇室にしかいない。
よっちゃん自体、世間にもういないのでは?
あだな禁止の学校も多いみたいだから、吉田君もよっちゃんって呼ばれないかも。
歴史好きだったらまだまだ使えそうな気がするが。
- 冗談は吉田松陰
- 冗談は吉野作造
- 冗談は吉野ヶ里遺跡
さて落語の世界でこの手のものを探すとやはり、「恐れ入谷の鬼子母神」かな。
もっとも、具体的にどの噺に出てくるというものでもない。
鬼子母神さまは現在、入谷よりも雑司ヶ谷のほうが有名だ。この門前に、三遊亭好楽師の娘さんがたい焼き屋を出しているのはちょっと有名。
それがどうした。
江戸っ子の地口シリーズは他にもある。
- びっくり下谷の広徳寺
- 情けありまの水天宮
広徳寺は現在、練馬に移転しているそうで。
下谷は、現在でいうと鈴本演芸場、お江戸広小路亭、黒門亭(落語協会2階)など、大部分ここに含まれる。
上野の山に対して、下の谷だから下谷。
「ざるや」において、「お前さん生まれはどこだい」と縁起担ぎの旦那に訊かれ「上野です」と答えて褒められるシーンがある。
「下谷です」と答えたら縁起が悪いので不正解。
あと、「掛け取り」に出てくる狂歌のひとつ。
貧乏をしても下谷の長者町 上野の鐘のうなるのを聞く
水天宮は安産祈願で有名で、駅の名にもなっている。
かつてはわが家も祈願にいった。その際無事生まれたのが、競馬好きになった息子である。
もともと有馬家のプライベートな神社だったそうなのだが、江戸っ子の嘆願により毎月5の日に一般参賀が許されたのだと。
私最近、国立演芸場に行く際に「人形町」⇒「水天宮前」の地上乗り換えをよくしている。
60分以内なら、交通系ICを使っていても地上で好きなことができる。ついでにお参りもしたりなんかして。
このシリーズでは、「うそを築地の御門跡」というのもあるのだが、あまりピンときません。
「その手は桑名の焼き蛤」は落語に出てきたっけ? 上方落語の「東の旅」だと、桑名は通らない。
こんなのだけでできた噺をひとつ思い出した。
「山号寺号」である。今、市馬師以外に誰がやるかな。
金龍山浅草寺のように、どんなお寺にも「山号」が付いている。
山号と寺号をオリジナルで作ろうという、高度な遊びを描いた落語。
「清子さん水前寺」などのフレーズが入る。
「有恒さん徳大寺」なんてどうでしょうか。「保栄さん薬師寺」でもいい。
サゲは「一目散随徳寺」
「南無三し損じ」
随徳寺も入谷にある実在の寺だ。
今日のテーマとそれほど関係ないのだけど、急に「はなし塚」をお参りしたくなってきた。
田原町だから、浅草演芸ホールのついでに行けるところなんだけど。まだ行っていない。