くろい足袋の会2(上・おさんvs.花いちグダグダトーク)

9月予定の会、第5弾。
本日9月23日は、らくごカフェで「くろい足袋の会」。
2年前の同じ日に出向いて以来である。

実はこちらの会は控えだった。
毎月23日は堀之内妙法寺(お祖師さま)で「堀之内寄席」がある。
春風亭かけ橋さんが登場するので行こうと思っていたら、もう一杯だった。人気ですね。

らくごカフェに切り替え、前日に予約を入れる。
花緑一門の好きな人が3人出るこちらの会に不満などない。ただ、今日のメンバーのうち緑也、花いちの両師は27日の「柳家花緑弟子の会」にも出るのだ。
くろい足袋の会が前売2,000円、柳家花緑弟子の会はお旦がついているので500円。
いつもながらカネ勘定のセコい私。ちなみに堀之内寄席も500円だ。

緑也、花いちはふたりとも昨秋の新真打。
同期の志ん雀、さん花のふたりがすでに寄席のトリを取っている。
ふたりとも、若手を登用する池袋下席で。さん花師はまさに今席。
若手も大変だな。後輩の桃花師がすでにトリを取っていたり。
大名跡を継いだこのたびの新真打、入船亭扇橋師もすぐにトリ取るだろうし。
ちなみにおさん師の初トリも、池袋下席だった。

らくごカフェも、2階のボンディほどじゃないが20人を超える大入り。

小言念仏 緑也
グダグダトーク おさん・花いち
ママチャリきょうこ 花いち
(仲入り)
らくだ(通し) おさん

 

メクリが「らくごカフェ」から「緑也」に代わって、緑也師登場。
真打昇進後初めてだ。

お客さまにいいお知らせがあります。
今日のおさん師匠は絶好調ですよ。楽屋でも話が止まりません。
スイッチ入ると止まらない人なんです。
今日は陰陽の話をしますが、おさん師匠はだいたい陽ですね。で、花いちが陰です。周りを暗くします。
あたしはどっちつかずなんです。

花緑一門は、おさん派と勧之助派に分かれてますね。
勧之助師匠が怖い人が、おさん派になる仕組みになっています。
あたしは勧之助師匠は怖くありません。いいアニさんです。怖がってるのが花いちなんですね。
あたしはどっち派にも入らないようにしています。師匠の教えなんですよ。
「俺は馬風派でも、小三治派でもなかった」。そう言うので。

お客は一門のファンなので、楽屋ネタに大喜び。まあ、私もそうなんだが。

陰陽の話を続ける。
仲裁が陰で、喧嘩が陽。
お念仏が陰で、法華経が陽。
本編は小言念仏である。小三治亡き後、演る人いるんだ。
難しい噺で、それも若い人向けではないと思うのだが、達者なものだ。ただときどき木魚のテンポが変わっていたので、まだ手慣れていないのかもしれない。
ちゃんとご隠居さんと、孫世代まで含めた商家のありようが描かれている。

どじょう屋を呼び止めて、もう少し先がある。
隠居がどじょう屋に(念仏唱えながら)値引き交渉をし、婆さんにこっそり二三匹ちょろまかせと指示したり、そして調理法の指示までしている。
お酒に浸すとどじょうは大人しくなるというが、酒が薄いのかピンピンしている。
仕方ない、火にかけろと。どじょうが苦しみ、煮え上がるさまに、とても嬉しそうな隠居。
といっても、客席にイヤな感じが広がらないのは人柄なんだろう。

小言念仏は15分。短いなと。
メクリが「らくごカフェ」に戻る。座布団を持って、おさん師、それから花いち師登場。
二人で高座に並び、お辞儀。トークコーナーらしい。
緑也師はこのあと鴻巣(だったっけ)で会があるのでこれで帰りますとのこと。

おさん「来て初めて知ったんですけど」
花いち「ぼくは知ってましたけど」

二人で20分、自他ともに認めるグダグダトークを繰り広げていた。
落語会にはたまにトークコーナーが設けられる。中には全然つまらないものもある。
だがこの二人、本当にグダグダで、本当に面白かった。
花いち師が入ったトークで、つまらなかったものはない気がする。といってこの人が回すわけじゃないんだけど。

おさん師が、師匠・花緑の教えを語る。米朝に教わったものだと。
落語は、茶飲み噺なんだよと。そのつもりでやらないと。
さらに花緑がマクラで言うのだがと。会話なんだから、今日ウケなかったらお客さんの責任でもありますよと。
花いち師が「師匠から聞いたことないですけど」。

緑也師のマクラを受け、花緑一門には別に仲悪い人間関係はないよと。ベタベタしないのは師匠の教えでもあるんだと。
でもぼくはおさん派ですねと花いち師。

話はあちらこちらへ。
昨日の晩なに食べたとおさん師。カブが安かったんでクックドゥでとマジメに答える花いち師。二人とも料理は担当している様子。
なんでそんな話になるのかまったくわからない。

続きます。

 

作成者: でっち定吉

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