本田圭佑ラーメン価格論争に思う「寄席の適正価格」

年が変わって早くも2日更新休んでしまいました。現場に行かないとそんなもんだ。
世間のニュースでも拾ってみます。

落語の寄席。あの面白さで3000円は安すぎる。もうちょっと値上げするべき。ってか色んな業界がもう少し値上げするべき。高すぎるか安すぎるかの両極になり過ぎ。次落語聴くときは10000円支払います。必ず。

ウソです。本当はこちら。

個人的な違和感はある。
「ラーメンの価格が自然に上昇していく」ことと「ラーメンの価格を上方改定する」こととは、かなり別の次元の話だと思う。
ツイートで紹介されたゼンショー系のチェーンラーメンがいきなり値上げしたって、誰も来ない。
ただ日高屋に流れるだけだ。
その点、他の本田圭佑のツイートと同様、いささか暴論だなと。
ただ、世間にインパクトを与えたのは、日本のデフレスパイラルをなんとかしなきゃという共通認識が高まってきているから。

物価が上昇していって、ラーメン1杯2,000円になって欲しい気持ちは私にもちゃんとあります。
だがビンボー人の一消費者としては、気持ちと裏腹に、常に安く上げる経済活動を追求しているのだった。
昨年はあっちこっちに出かけてPayPayその他の還元(10~30%)を受けていた。今、次々ポイントが加算されていて、ほくそ笑む毎日。
こんなビンボー人でも、景気の底上げにそれなりに貢献している自覚はある。

外食時だって、セットは頼まないことが多い。
ラーメンでも立ち食いそばでも、単品だととても安い。
小腹が空いたとき、かけそばや、はいからうどんを堂々と頼む男。自慢するもんじゃないけど。

当然、落語も安いところばかり行っている。
神田連雀亭のワンコイン寄席なんて、500円。
ちなみに今日、鶴見のさるびあ寄席に桂南楽さんが出る。やはり500円。
楽しいこの人、独演会だとまだ若干不安なので、今日は行かないけど。
あとは亀戸梅屋敷寄席や、スタジオフォー巣ごもり寄席が1,000円とか。

このあたりの安い寄席は、採算は度外視して運営している。
若手の活躍の場所を作るためだ。鶴見なんかも、行政が負担しているのでしょう。
ちなみに安い会だと客がダメかというと、全然そんなことはないのだった。
昨年も行ったざま昼席落語会なんて、かなり遠方だけども客の質は上々。浅草演芸ホールなんかよりずっといい。
むしろ、安い木戸銭のほうが、繰り返しなじめるだけいい客になりやすいのだろうと思っている。
まあ、これも景気の話とは別次元ですが。

しかしこれらの意図的に安い寄席、落語会だって、東京の寄席5場や永谷演芸場にとっては営業妨害だという考えだってあるでしょう。
私も、本来の寄席に落とす金をよそに回しているのかもしれない。
寄席も経営が苦しいのに、値上げを抑制されてしまっているのかもしれない。
安いからって初心者が来るわけじゃないからな。そりゃ多少は来てるだろうけど、どちらかというとリピーターの福祉に貢献しているだけかも。

昨秋、池袋下席昼の値段が2,000円から2,500円に上がった。
驚異の25%値上げ。
私はこの3時間の席(落語協会固定)が大好きで。若手の抜擢もあったりして。
この1月も、弁財亭和泉師が主任である。
だが値上げ後、すでにこの席をパスして2回よその寄席に行ってしまった。
鈴本、浅草、新宿は3,000円だが、時間がそれぞれ4時間、5時間なのでこちらのほうがパフォーマンスがいい。
おまけに東京かわら版の割引もあるし、浅草や新宿は昼夜の居続けも可能。
そうすると、時間を作って聴きダメしたほうがいい。
どこまでもセコい男だ。

いっぽうで、国立演芸場の仲入り後っていうのも好きなんですね。
3割引き。現在は定席価格が2,200円だから、1,540円となる。
1時間強だからパフォーマンスはさしていいものでもないが、トリの師匠を聴きたいときはアリ。

寄席の適正価格はいくらだろう。
寄席が難しいのは、長い時間いることを前提に料金設定がなされているため、途中で出入りするとコスパが落ちること。
浅草・新宿の2階あたりで、歌舞伎の幕見のように時間を区切ったチケットを安く出しておいて、基本料金を4,500円ぐらいに値上げするのがいいのかもしれない。
途中退場自由という券が出ないかな。そうしたら、昼トリ聴いて、夜の浅い出番中、外で食事してくることができる。
これだったら、5,000円ぐらい出してもいいけど。
池袋(上・中)では事実上これが可能だが、あまり長い時間出ているのは気が引けるではないか。
ただ、今度は昼夜入れ替えの際に転売されたりなんかしてね。

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カテゴリー: 寄席

作成者: でっち定吉

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