御茶ノ水太陽の花いちとしん華(上・オープニングトーク)

落語を聴きに大阪に行きたいなと思っていたのだが、結局やめた。
最も好きな上方落語家、笑福亭松喬師も東京に来るし、いいやと。
だが、4月9日の東中野、松喬師の会はすでに完売だった。残念。
この会の代わりに8日の土曜日、どこか行きたい。
上方落語にこだわって桂九雀師とか。昨年初めて行った鶴川のポプリホール、柳家小はぜさんとか。
市川の「道の駅いちかわ」なんていう、交通の著しく不便なところの会まで考えた。雷門小助六、春風亭柳雀のふたり。
結局、御茶ノ水「太陽」へ。柳家花いち・桂しん華の勉強会。

ここは初めて。
かつて2年前、寄席が閉まる直前に来てみたのだが、満員で入れなかったのだ。
そのときも確かこの二人だった。当時はやり直し前座のしん乃か。
入れなかったその際は、結局中央線に乗って末広亭に行き、昼夜で楽しみましたがね。
心配なので電話したら、大丈夫とのこと。予約はしなかったが。
来ていたお客さん、口々に「今日は多いね」と言っていた。
常連さんが多いみたいだが、だからといって初顔を拒絶するような嫌な雰囲気もない。
いい感じのラウンジ。
客室の隅のテーブルを塞いで、高座が設えてある。
料金は1,800円。

桂しん華さんは、昨年末初めて聴いた。
芸風を見て、なるほど花いち師と相性がいいはずだと感じ、いずれ二人の会に行きたいと思っていたのだ。

オープニングトーク花いち

しん華

ぞろぞろしん華
お見立て花いち
(仲入り)
王子の狐しん華
エンディングトークと告知花いち

しん華

オープニングは高座の前で立ちトーク。花いち師は羽織を着ず着流し。
面白かったのなんの。
やはり組み合わせがいい。ツッコミ役はいないが、「ちょっとだけ気を遣う小ボケ」花いちと、「わりと気を遣う大ボケ」しん華という。
トークは15分の枠みたいだが、時間オーバーしていた。

花いち師のトークはだいたい鉄板で面白い。
面白いのだけど、作為をまったく感じないからすごい。芸人に作為がないわけないけど。
落語会で話されたことをどこまで書くかという美学、そして記憶容量の問題とは別に、トークのネタが豊富過ぎてどのみち全部は書けません。

「柳家花いちと申します」
「桂しん華と申します。初めまして」(誰に?)

花いち師は、5月の仕事がないんだそうだ。
頑張らなきゃいけないなと。売れっ子は、1日3高座あったりする。ぼくは1つだけ。
忙しい人たちが頑張ってるときに、ぼくは家にいるんですから。
ぼくも頑張りますけど、それでもなんとか暮らしていけるんだって。
もっとも後でスケジュール見たら、7日埋まっている。仕事のない月にこれだけ埋まっていれば売れっ子だが。
ちなみに、太陽が5月13日土曜に空いていたので、急遽その日に会をすることにしたとエンディングトークで語っていた。
でっち定吉は行かないと思うが、東京かわら版にも間に合わないかもしれないので、皆さまにお知らせまで。
普段接点のない人を呼んで、三人会にしようと語っていた。

しん華さんは笑点の収録があったらしい。特大号でなく地上波のようなニュアンスだった。
それを振ったのは花いち師だが、しん華さん、「それは話しちゃいけなかったかも」。
ちなみにその楽屋でだろうか、昇太師匠にボールペンを渡したら、なぜか粉々になったそうな。

江戸家猫八襲名はお客さん入っているそうですねとしん華さん。先代のときは、5日間でしたけど当代は10日やってるからすごいですね。
落語協会の前座だったときに、しん華さんは先代猫八の襲名披露の前座だったそうだ。驚く花いち師。
内海桂子師匠も披露目の舞台に上がったそうだ。芸協だけど。
時間オーバーしても延々やめないんだって。困ったので次の出囃子を流してもらったそうな。
花いち師が、塙さんがすべらない話で「懐中電灯当てたら止まる」って話してたけどねと。

その楽屋で、先代圓歌と馬風師が、桂子師匠の悪口で盛り上がってたんだそうだ。
本人に聞かれたことに気づいた両師匠の顔は、しくじった前座よりすごかった。

花いち師は、前回のこの会で神さまの悪口を言ってしまった。
悪口というか、師匠・花緑の信仰する神さまについて、師匠をたしなめたくなったらしい。まあ、スピリチュアルの関係なんだろう。
なので、後日三峯神社に謝りに行ったそうな。
そこから、大山阿夫利神社の話などにつながる。
しん華さん、大山にお参りし、帰ろうとしてケーブルカーを上に登ったそうな。
これで結局、今日は信仰にちなんだ話に決まったようなのだが。

二人とも、「ちゃんとしなきゃいけない」ねと。
しん華さんは、女流講談師はしっかりしてますねと。
しん華さん、楽屋でよく転んでたもんねと花いち師。
「アニさんは転ばないですね」「普通転ばないよ」
よく転ぶしん華さんは、師匠・伸治にもいつも心配されるらしい。芸能労災は入れよと言われてます。
ちなみに伸治師も、稽古に来る花いち師をなんだか心配してるらしい。
伸治師匠はトリで幕が閉まる寸前、女性のお客さんをお茶に誘ってますとしん華さん。別に非難するニュアンスではなく。

キリがないのでこのへんで。
二人の高座に続きます

 
 

作成者: でっち定吉

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