カメイドクロック落語会2(上・二度マイクの切れる気の毒な三遊亭好二郎)

2週間前に行ったばかりのカメイドクロック落語会。無料なのでまた出かけます。
この日は掛け持ちもないので、1部と2部、両方聴こう。
実は1部のあと、掛け持ちしようと思えばある。スタジオフォーの巣ごもり寄席は、「ぐんま・小もん・小はぜ」といういいメンバー。
しかし千円より無料を選ぶ私。

今回の演者は三遊亭好二郎さん。この会、基本はこの人みたい。
円楽党の中ではあまり巡り合わせのいいほうではなく、それほど聴いていない。2年振りである。
神田連雀亭にも出ていないし。

(※訂正 連雀亭には出てます)

1F広場の東側通路、エスカレーター降り口付近に控え場所があり、通路に背中を向けた好二郎さんがいた。
もうちょっといい楽屋がないものか。
前回、ぽん太さんが開演前やたら表に出てきていたのだが、手持ち無沙汰だからなんだろう。

今回は、演者以外にもう1箇所仕切りが建てられている。運営スタッフの待機所である。
前回なかったのになぜか。
理由はひとつしか考えられない。
スタッフが会の最中お喋りしていたのを、このブログで私がチクったからに違いない。
無料落語の運営に寛容な私は、別に非難したわけじゃないんですけどね。

しかし運営、大失敗。
なんと1部の高座の最中、二度もマイクが切れてしまうハプニング。ワイヤレスの電池切れ。
それでもなお、無料の会なので私は寛容です。まあ、こちらにとってはネタになるからね。
演者が文蔵師でなくてよかった。その場合スタッフは命がない。

【1部】
たけのこ
扇の的

【2部】
茶の湯

1部の客は20人弱。2部は30人くらいか。
好二郎さん登場して、嬉しいですね、入場時と、頭を下げたときと2回拍手をいただいて。
この会も定着してきたので、すでにお越しの方もいらっしゃるでしょうか。
私は円楽一門会で、亀戸梅屋敷などで活動しています。そちらでお目にかかった方もいらっしゃるようですね。

旅で長崎へ行った好二郎さん。いつも着物。師匠に倣っているものか。
先輩と二人で、トルコライスの名店に入る。
先輩が会計を済ます間、落語界の掟に忠実に、支払う姿を見ず表で待っている。
先輩(洋服)が怒って言うには、「表の方はお着物をお召しですから、芸能人ではないでしょうか。もしそうなら、サインをいただけないでしょうか、マネージャーさん」。

一緒に行った先輩は、名前出さなかったけどらっ好さんらしいね。
好二郎さんは大分出身。らっ好さんは長崎出身。

1席目はたけのこ。
短い時間に便利な小噺だが、意外と聴かない。

好二郎さんは固めの個性の人だが、さむらいが固い言葉を駆使してシャレる「たけのこ」は実にピッタリ。
これほどこの噺が合う人もそうそういないだろう。
なのだが、武家の主人がとうとうと隣家と戦うぞと宣言するシーンで、最初のマイクが切れる。
ちょっと戻ってやり直す。

たけのこという噺、「すでに腹に収まってしまったタケノコは、明朝厠に収まるだろう」というフレーズを隣家にしっかり語っているのだが、説明しないから客にはわからない。好二郎さんも説明しない。
しなくていいと思うけど。

二席めは地噺で、釈ネタの扇の的。
「奢る平家は久しからず」を、サゲに関係してますと入念に振って。
二ツ目の披露目では「大師の杵」を出していたし、地噺好きなのだろうか。
大師の杵は林家由来のようだが、扇の的は小朝師? ともかく、いろいろなところで稽古つけてもらうらしい。

常磐御前から脱線して愛人の話。
お越しの男性の方、愛人のいらっしゃる方は手を上げてください。
不倫の専門家である円楽師匠によると、愛人の年齢は、「本人の年齢÷2+7」がいいそうです。
これ言っちゃうと、皆さん下向いて計算始めちゃうんですが。

那須与一のよいちは、余る一だそうです。11人目の子供だったそうでなんてウンチクが入る。
馬に乗って海に入る与一。
昔の馬は小さかったので、暴れん坊将軍の乗馬シーンなど、ウソです。

講釈を語りはじめ、興の乗ったところで、無念にも二度目のマイク電池切れ。
さすがにダレるので、講釈はもう繰り返さず、省略する。
本来だったら、拍手間違いなしのくだりなんですがと好二郎さん。

地噺だからだろう、ついでに脱線。
九州巡業のときもマイク切れたんですよ。主催者の方が挨拶を6分やったもので。噺は残り5分だったんですが。
そがん主催者のごと、おしゃべりクソ野郎か決定ばい。これはでっち定吉の感想ですたい。

フリを回収してサゲる。
よろしければこちらの館内でお食事もどうぞ。カエルは入っていませんからと好二郎さん。

第2部に続きます。

 
 

作成者: でっち定吉

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