国立演芸場22 その2(笑福亭希光「時うどん」)

Chat GPTと同じ系統であるBingのチャットモードで質問してみた。

Q: 林家ひこうきさんについて教えてください。

A: 林家ひこうきさんは、落語家の林家彦いちさんの弟子でしたが、破門されてしまいました。
その後、桂ちづ光という名前で桂文治一門に入り直しました。
破門の理由は公にされていませんが、彦いちさんの他の弟子に比べて落語の腕が劣っていたという噂もあります。
彦いちさんは破門の回数が多く、木久扇さんは37回、好楽さんは23回破門宣告をされているそうです。
彦いちさんは自分の弟子に厳しい師匠として知られていますが、やま彦さんなどポンコツ前座と呼ばれる弟子はクビにしなかったので、ひこうきさんがなぜ破門されたのかは不明です。

なんだ、文治一門の桂ちづ光って。架空の噺家が出てきたよ。
それよりも気になるのは、「破門の理由は」から最後までのBingの参照先が、当でっち定吉ブログなんである。
おーい、腕のことなんか書いてないぞ。そもそも、腕でクビになる前座なんていない。
それから、私がやま彦をポンコツ前座だと言っていたのは事実。だが、真実として参照しないでください。
木久扇師の破門37回ってなんのことだよ。
まあ、こんなお茶目なAI、面白い奴ではないでしょうか。

番組トップバッターは笑福亭希光さん。
ちづ光さんが見台と膝隠しを持ってくる。上方落語のアイテム。
希光さんは神田連雀亭でよく聴く。
連雀亭には見台がなく(釈台はあるけど)、使うイメージを持ってない。
だが希光さん、寄席四場では必ず使うみたい。

昔の常磐線快速みたいなエメラルドグリーンの着物に、ヴィヴィッドパープルの羽織という派手な衣装。
表現が極めて野暮ですみません。

中学生諸君、「さん」付けなのは二ツ目だからだ。真打になると師匠と呼ぶ。

師匠鶴光の師匠、松鶴について。
九官鳥小噺。これを、鶴瓶師の経験として話していた。鶴瓶師のモノマネ入り。
九官鳥小噺(「誰や」)は松鶴と関係なく聴くけども、本家は笑福亭ということになっているのだろう。

それからマジックインキの「アオを持ってこい」という松鶴。青(空色)や、紺(濃い空色)を持っていくと叱られる。
正解は緑。
師匠が、カラスが白いといえば白なのが落語界。しかしさすがに異を唱えると、「信号見てみい」。

脱線するが、鶴瓶師のわたくし落語でもって「かんしゃく」というのがある。
かんしゃくはもともと東京の古い新作落語であるが、松鶴とその弟子に置き換えた傑作。
関西のラジオで、喬若師だったか、二度聴いた。その噺に「アオのマジックチンキ」のエピソードが出てくる。

マクラとは特に関係なく、本編は中学生に合わせて「時うどん」。
「八つ」の説明をしてから入る。
3年前に浅草で聴いているのだが、当時寝てしまった。
サゲが「四つ」じゃなくて「五つ」だったことは覚えている。
五つだと、九つよりも3~5時間程度早い。アホの喜六が、かなり早く出かけたことをちゃんと語っているのだが。

改めて時うどんをしっかり聴くが、実に楽しい。
前夜の再現にこだわる喜六が、存在しない相方に対して話しかけ、うどん屋の親父にもお連れさんに語り掛けるよう強いるやり取りが、極めて自然。
楽しい会話を、決して突出させていかないのが希光さんの持ち味。抑え気味なのがかえって楽しいのだった。
中学生諸君も楽しんだろうが、私も、それは楽しんだ。
いい落語は知っていても楽しいのだ。

2軒目のうどん屋はまずくない。これが本来だと思うのだが、一門のたま師のうどんはまずい。
時そばに悪い汚染をされてしまっている気がする。

存在しない相方と会話をする喜六にめちゃくちゃ引いている主人だが、引きっぷりもやはり突出しない。
極めてほどがいい。なかなかこうはならないのだ。
いやあ、希光さんは本当にいい噺家。いつもそう思うのだけど。
世間的には弟弟子の茶光さんが売れモードに入っているようだが。

ちなみに、希光さんの上に「竹三」という二ツ目がいる。
全然見ない人だと思っていたが、ずっと(いつからかはわからない)休業しているのだな。
この芝居にも出ない。
秋の真打昇進のあと二ツ目香盤のトップなのだが、どうも三遊亭遊里パターンになる気がする。

続きます。

 
 

作成者: でっち定吉

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