カメイドクロック落語会8(下・三遊亭好二郎「稽古屋」)

昨日は迅速なアップを自慢しておきながら、今日の更新は非常に遅いのであった。

午後1時スタートの第2部です。なかなか盛況。
1部から引き続きのお客様もいらっしゃってありがとうございます。
このカメイドクロック落語会ですが、残念ながら予算が獲れず3月で終了ということになりました。今後は季節のイベントとして実施されますので、スケジュールが合えば私も出させていただきたいと思います。
もともと私はこの隣で会をさせていただいてました。それが好評だったのでこちらに呼んでいただいたわけです。
なので私が一番出演回数が多いんですが、間の悪いことに、来月は出番がありません。今日のこの高座がラストです。
来月もぜひ起こしください。

来月は、6日が好志朗、13日が楽八、これでフィニッシュ。
個人的には好志朗さん聴きたかったけども、2週連続はさすがにどうかな。

最初は、こんな広場で落語なんかできるかなと思ったんですが、すごいものですっかり慣れました。
おかげで、普通の会でも心が強くなりました。ウケなくても、前ほど落ち込まなくなりました。
出入り自由ですから、途中で出ていかれる方もいますよ。もう平気です。
最初の頃は、会場にいる方よりも、2階から恐る恐る覗き込んでいる方が多かったです。徐々に降りてきてくださったんですね。

私は大分の出です。
福岡でサラリーマンしていて、地方公演にやってきた師匠・兼好に弟子入り志願しました。
当然のように断られました。3回志願したんですけど。
これはもう、サラリーマンを続けながらではダメだなと思いまして。辞めて東京に出てきました。
師匠の家は、足立区の地域まではすぐわかりました。公開されてますから。なので近所に住みました。
師匠のYou Tubeチャンネルを観て、窓の外の景色から、ご自宅を割り出しました。
それで改めて弟子入り志願に行ったら、「なんでお前ここにいるの?」。なんとか採ってもらえました。

先輩が舞台に出るというので、見学に行きました(たぶん、萬丸さん。本人のマクラで聴いた話と被る)。
噺家は、先輩の高座を決して前からは観ませんので、貴重な体験です。
芝居の素材も落語家の話です。一家揃って落語家という家が、2軒もあって、対立しているというありえない話です。
この一家同士が遭遇したら、戦います。なぞかけで。
先輩の舞台ですから、笑ってあげたいんですけど、変なところで笑ったら一緒に行った先輩たちに、センスねえなと笑われそうで。
結局、先輩たちが笑うところで被せて笑ってました。
それにしても、出てた先輩は着物の着こなしが立派です。舞台中、ちゃんと直せるんですね。
いっぽう役者さんたちは、直せないのでだんだん着崩れてきます。
先輩は前座の役だったんですが、最後はこちらが真打に見えてきました。

最後の高座なんですが、ここはアイドルさんたちが歌って踊ったりするステージですから、私もそんな、歌って踊れる楽しい噺をやろうと思います。
今まではこの場所ではできない噺と思ってましたが、最後ですからいいです。

というわけで、噺家の修業から、東京では珍しめの稽古屋。
誰に教わるのだろう。金原亭にでも行けばあるけど。

八っつぁんが隠居のうちにやってきて、あっしだけですよ、仲間内でひとり身は。と、モテる相談をしにやってくる。
これも楽しいフレーズ落語だ。モテる男の条件。
「一見栄、二男、三金、四芸、五声、六おぼこ、七台詞、八力、九肝、十評判」
舌がつっかえてしまう好二郎さん。ちゃんと八っつぁんに、大丈夫ですかと言わせてカバーする。
ちなみに、「いちみえ、におとこ、さんかね、しげい、ごせい、ろくおぼこ、しちぜりふ、やぢから、きゅうきも、とひょうばん」です。
振り返ってみたらでっち定吉も八っつぁんとどっこいかもしれない。ようやっと四芸ぐらいかな。

五目の師匠のところへ行ってご覧と2円貸してくれる隠居。
お膝つきの1円は返してもらえる手はずだったが、師匠の方針が代わって取られっぱなし。

歌って踊れるの「踊って」は子供の踊り。
「歌って」は八っつぁんの習う小唄。

師匠として小唄を唸る好二郎さん、いい声だったら中手を入れようと思ったが、それほどでもないのでやめた。
別に下手じゃないですけども。
子供のお芋を勝手に食らう八っつぁん。
濡れた足袋を乾かすシーンはなく、子供の踊りに併せてかっぽれを踊る八っつぁんになっていた。

火の見櫓に上がって「煙が立つ」「海山超えて」と稽古する八っつぁん。
サゲまであとわずかという場面で、1人会場を出ていく婆さんが。もちろん、めげない好二郎さん。
軽くフィニッシュ。

午前に次いで楽しい一席でした。
好二郎さんは、ネジの外れた人物を描くとなかなか楽しい。好きで演じているからだと思う。

しばらくカメイドクロックにも来ないと思うが、また機会があれば。
好二郎さんは、神田連雀亭で聴いていきます。

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作成者: でっち定吉

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