新横浜コットン亭(上・金原亭馬久「駆込寺」)

ブログも休みがちだし、だからといって本業も進まない。
とりあえず落語を聴きに。

コロナの前はよくかわら版で見つけて注目していた、新横浜マルハチコットンスクエアでの落語会。
今回、復活した第1回らしい。
いきなり、金原亭馬久、春風亭一花という、夫婦の二人会。
今後は毎月1回、月後半の木曜日に定期的に開催されるようである。予約で1,000円なので、私もたびたび来そう。
落語会がお休みしていた期間に、東急線が新横浜に延びた。なのでこれを使って。
知ったようなことを書いたが、初めて参加する。新横浜プリンスの、環状2号を挟んだ向かいである。
あの丸八真綿グループが経営する貸しホール。
マルハッチ。

駆込寺馬久
明烏一花
(仲入り)
やかん一花
井戸の茶碗馬久

平日昼間からすごい入り。70〜80人くらいか。
コットン亭のスタンプカードもらった。5回来ると500円引き、10回来ると無料だって。
まずはダンナの馬久さんから。ということは、トリらしい。

平日昼間からおおぜい様で、ありがとうございます。
4年ぶりの開催だそうで。なんだかオリンピックみたいですが。
私も以前寄せていただきまして、ネタ帳で調べたら6年前でしたね。6年ぶり3度目の出場で、甲子園みたいですが。
夫婦で呼んでいただきまして、珍しいことです。そんなにあるわけじゃありません。
メクリにありますが、金原亭が読みづらいです。きんばらていでも、かねはらっていでもありません。きんげんていと読みます。
上の亭号のほうは忘れていただいて。下だけ覚えてください。
馬に久しいでばきゅうです。丁寧に言うとオバキュウです。

夫婦で呼んでいただきましたので、1席目は離縁の噺を。
もともと一花さんに、一緒に稽古に行かないかと誘われたんです。どういうことでしょう。

珍しい噺で、駆込寺。さすが珍品派。
演題もご本人の口から事前に語られる。
落語研究会で柳枝師が掛けていた噺。録画も残してあったはず。

鎌倉の縁切り寺、東慶寺を説明してから、長屋の夫婦喧嘩。
亭主が、自分で締められない角帯を違う結びにして帰ってきたので、悋気持ちのおみつはおかんむり。
亭主は、かっぽれを披露して帯が解けたので、親方の娘さんに締めてもらったのだと釈明する。なに、親方の娘さんは今小町の評判じゃないか。
親方の娘さんに手出すわけないだろうと言うが、問答無用で顔を縦横碁盤の目に引っかかれる。
おみつはいざ鎌倉というときには相談先があると言って、飛び出してしまう。
いざ鎌倉とはなんだろう。大家に訊くと、鎌倉の駆込寺のことじゃないか。慌てて鎌倉に向かう亭主。
女房も町内回って帰ってくるが、亭主がいざ鎌倉とつぶやいて旅の支度をしていたと聞き、後を追う。

東慶寺はもちろん女性のための縁切り寺であるが、おみつはそんなことは知らないので、亭主が縁を切りに出かけたものだと勘違いするわけだ。
東慶寺の山門で、無事巡り合って仲直りするバカ夫婦。
犬も食わない夫婦喧嘩のくだらん噺だが、人情の漂うところが味である。
喧嘩ばかりしてる評判の夫婦だが、亭主はかみさんを渋皮の剥けたいい女と言い、かみさんは亭主を苦味走ったいい男と言う。
実際のかみさんを見て、警備の侍は呆れている。

珍品とはいえ、古典落語のエッセンスがぎっしり詰まっている。
小助六、夢丸、圭花、ぽん太といった珍品派の皆さんにも掛けてもらって、メジャーになって欲しい一品であります。

続いて一花さん。
私は6年ぶり2度目ですとのこと。
上は春風亭ですけど、下だけ覚えてください。
夫婦ですけど、先輩なんです。アニさんです。
なので今日はトリを取ってもらいます。

おなじみ中井貴一マクラ。
それから、横浜は厳しいですねという話。
昨日は、関内ホールのお仕事でした。
「真打への道」と称しまして、今二ツ目の、横浜市出身の噺家の会なんですよ。
そこに、県外枠で呼んでいただいたんですね。いえ、本当にそんな枠なんです。
もうひとつ、神奈川県選抜枠もあるんです。そこに大和市出身の噺家さんが呼ばれてまして。
大和市の噺家さん、マクラで語るんですよ。私は横浜出身者とは違うんでって。
あとの2人は、上大岡とか馬車道とかの出身でしたけども、なんでも横浜の人からすると、野毛でももう違うんですってね。
今日は東京出身者として頑張ります。

「真打への道」のことは先日メンバーであるごはんつぶさんから聴いたので、倍面白かった。
昨日は、上大岡のかけ橋さんと、馬車道のういんさんだったようで。
そして大和というのは、名前出さなかったが柳家あお馬さんだ。
横浜ローカルネタは私も大好物。

夫婦で出させてもらってますので女郎買いの噺を、と振っての本編、明烏に続きます。

 
 

作成者: でっち定吉

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