23日火曜はスタジオフォー「柳枝のごぜんさま」に参加し、午後もう1箇所の予定に。
しかし、神田連雀亭の番組確認したら、気が変わった。
柳枝師も聴きたいが。
一花、きよ彦という落語協会の誇る女流ふたり。
そしてもうひとりはスウェーデン人の好青年さん。
きよ彦、好青年は今月からの新メンバーでもある。
一花さんは、馬久さんの代演。手近なところで間に合わせている。
ちなみに明日水曜、梶原いろは亭でまたしても馬久・一花の会がある。
本日でなく、この会に参加してから都電でばばん場に向かい、馬石独演会というプランも考えた。
ただ馬久さん、この時期聴くと「臆病源兵衛」に当たりそうでなあ。
楽しい噺だが、いささか遭遇し過ぎており。
追っかけ家族 | きよ彦 |
がまの油 | 好青年 |
駆込寺 | 一花 |
満員に近い白熱の連雀亭、3人揃って見事な内容でした。
好青年さんが前説。普通は座ってやるのだが、立ってする。
ごく普通の飲食喫煙禁止、携帯電源オフなのだが、なんだか面白い。
トップバッターは林家きよ彦さん。
連雀亭の初高座なんだそうだ(拍手)。
連雀亭、いろいろな交流できるから出たほうがいいよと言われてましたが、やっと出られました。
その初高座が、女性ふたりと外国人でびっくりしています。
好青年アニさんって、変な呼び方ですよね。
顔は田嶋陽子、名前はきよ彦、声はイモトアヤコといつもの挨拶。
師匠には、きみの古典落語には需要がないと言われてます。
神戸の喜楽館に呼んでもらった。
題して新作ガールズコレクション。なんとガルコレか。
普通の会と、楽屋でやる噺の確認が違う。古典だったら「親子の噺」とか「花魁の噺」とかを相互に確認するのだが。
会を取りまとめている桂あやめ師に、参加メンバーが確認する。
おねえさん、あたしプロレスのマスク付けて一席やりますが、ええですか。
おお、やりいやりい。
あたしは一言も喋らない無声落語やりますがええですか。
おおやりいやりい。きよ彦さんはどうすんの?
「なにも使いません」
「おお、江戸前やなあ」
江戸前の使い方はこれでいいんでしょうか。
以前聞いた、苫小牧での仕事の話も。
きよ彦さんの落語を聴いたことない人からの依頼で、ひどい目に遭ったという。
マクラの締めが、渋谷のライブハウスに呼ばれたという話。
行ってみたら落語の仕事でなく、アイドルの握手会の「ハガシ」つまり時間が来たら客からアイドルを引き剥がす役目。
そこから噺を思いつきましたと、ただでは転ばない。
マクラ10分。
舞台はアイドルグループ、フルーツバスケットの握手会。
なぜか学校の先生が会場にいる。
先生は家庭訪問の最中に寄った。アイドルのひとり、いちごちゃんに用があるのだが、アルバム買って5分の時間を得ている。
いちごちゃんの親衛隊にはすごい人がいる。
背中に「いちごちゃんは俺の嫁」と刺繍されている。イマドキのものではない。
ネタバレするからなにも書けないが、実に楽しい、きよ彦さんらしい新作。
アイドルが会話の際もいちいちフリツケするのを忠実に演じている。
照れがほんのちょっとでもあったら、もうできない噺。
タイトルの「追っかけ家族」は若干ネタバレしている気がする。
とはいえ、「いちごちゃんは俺の嫁」だと端役を強調し過ぎだし。
神戸でやったのかもな。きよ彦さんなら関西でもさぞウケるだろう。
新作落語はこう作れ、が詰まっている一席。
アイドルと、関係の薄い学校の先生を組み合わせる。
それも、生徒がアイドルなんてレベルではない飛躍をぶつけてくる。
しかしながらちゃんと登場人物には行動原理があるという。
ひとつだけ気になったのは、男の先生だとばっかり思っていた。女性だった。
わざとこう作ってるのならすごいけど。
三遊亭好青年さんは、日本人じゃないのが出てきてすみませんといつもの挨拶。このあと日本人出ますから。
ヨーロッパ公演の話。竜楽師と行ったものか。
フランス人はマジメに聞いてるらしい。
英語でもって、囲いができたねへーなんて小噺は翻訳不能。
なので「足の速い泥棒」小噺を英訳する。これを日本語と英語で披露。
現地でも、日本語落語のプログラムはある。
日本語のわからない人にポカンとされた話とのことで、がまの油。
好青年さん、聴いたことなければ、キワモノっぽい人かと思ってしまうかもしれない。
でも、ユーモア指数が高く、本当に面白い人だ。
「私の師匠は好楽といいます。誰も知らないと思いますけど」
こんな一言に、ユーモアが詰まっているのだった。
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