落語協会副会長は林家正蔵留任

ニュースになってなくて、気づかなかった。
落語協会の公式、協会概要に掲載されていて知った次第。
後日決まるとされていた落語協会の副会長が決定している。
林家正蔵師の留任である。

落語協会衝撃の新会長、柳家さん喬就任

今日はこちらの続報。

副会長が後日誰に決まろうが、確かにニュースバリューは薄いかも。
しかし正蔵師は、どう考えても会長就任のお膳立てができていた人。落語協会100周年イベントの実行委員長であるとか。
その人が、引き続き会長候補の地位を確定したというのは、小さなニュースではない気がする。

さん喬会長就任はびっくりしたが、私は落語協会パワハラ騒動をめぐる総決算と理解した。
喬太郎はじめ弟子を多数育てたさん喬師の会長就任には、将来の落語協会と落語界を守っていく、象徴的な意味があると思うのだ。

もっとも、その後こんな記事が出ていた。

「人間国宝」ダメなら会長に 落語協会の“粋な人事” (デイリー新潮)

まあ、あるいはそうなのかもしれないですねえ。
人間国宝になれなかったので、残念功労賞で会長がめぐってきたという。
そして正蔵師がワリ食って、会長就任が遅れるという。
とはいえ、さん喬師が1期2年で降りてしまうとはちっとも思わないけれど。2期4年はやるでしょうが。

デイリーの記事には誰が動いたのかまでは書いてない。皆の暗黙の了解のように書いてある。
とはいえ喬太郎師も動いたんじゃないかと想像するし、正蔵師にだって、いろいろ算段はありそうに思うけど。

そういえば、林家きく麿師が、柳家花いち師とのトークで、「人間国宝になった雲助師が、その功労で会長になるというのもあるんじゃないか」なんて喋っていた。
もちろん、雲助師が理事を下りてしまっている前提は踏まえた上でだ。
そういう考え方もあれば、惜しくも国宝になれなかった人を遇する方法論もあるだろう。それがすべて悪いこととは思わない。

副会長の次の役職である、常任理事も決まった。

  • 柳家小さん
  • 金原亭馬生
  • 五明樓玉の輔
  • 林家たい平
  • 柳家喬太郎

個人的には五明楼と書きたいのだが、玉サマ、玉の輔師はずいぶん偉くなったものだ。この人は、抜けた扇遊師の後釜。
役員をとうに辞めている小朝師の息が掛かっているのだろうか。とはいえ謝楽祭とか、いろいろ仕事している人だから意外ということもないけれど。
とはいえ、玉の輔師が会長や副会長になるイメージはまるでない。
芸協的な、実務派副会長だったらあり得なくはないが。

以前書いて検索訪問も多かった内容だが、「正蔵会長、喬太郎副会長」という路線は改めて4年後に実現すると見た。
そしてその後、いったん林家に渡った会長職が、また柳家に戻ってくるかもしれない。
まあ、実現するとして10年後だから、喬太郎師は現在のさん喬師以上にヨボヨボになってるかもしれないけど。
その下は柳家かどうかを問わず若い人があまり目立たないのが気になる。古今亭菊之丞、柳家三三というところ。
雲助師の弟子たちは、協会運営にはまるで興味ないのだろうか。

ともかく落語協会、体制は整った。
芸術協会に負けない、明るい落語協会をぜひ作り上げていただきたい。
古臭い師弟関係が正義だと思っているような勘違い芸人は幹部にはいらない。
そういえば、そんな雰囲気が少しでもある人、本当に理事から一掃されてますね。

ところで会長の色を出すとすれば、人事。
極めて余計なお世話だが、さん喬会長時代において、抜擢に値する二ツ目さんがいないものか考えてみた。
ほぼいませんね。別にダメな人ばっかりだなんてことではなくて、圧倒的な存在まではなかなか見当たらない。
唯一可能性があるとして、2020年に二ツ目になったばかりなので香盤が下のほうだが、春風亭朝枝さんでしょうか。
さん喬会長が、積極的に抜擢をしたがる人がどうかもまるでわからないけども。

作成者: でっち定吉

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