渋谷らくご2(上・眠くてどーもスイマセン)

渋谷らくごは検討だけはやたらしているが、まだ一度しか行っていない。
その一度の際にLINE登録したもので、ときどき割引券が届く。2,500円が1,900円。
私がどっぷり浸かっている日常世界の仕組みに、落語界で唯一属している。そう言っていいだろう。
寄席の、東京かわら版値引きなんてのは今どきの世界の話とはいえない。そちらもしっかり使うけど。

割引券が届いたその対象の席、顔付けはちっとも悪くない。
16日祝日の昼間、トリが立川吉笑さんで、その前が入船亭扇遊師。
人の消費行動を動かしてこその割引券だと思う。そして私は動かされた。

とはいえ、スマホが不調で、ユーロライブに着いたものの、開きっぱなしにしていたその割引券が開かない。
再起動したのに、また固まる。
LINEの割引券ですよねって言ってもらい、無事割引入場。ありがとう。
ちなみに他の客も、割引券見せてた人多かった。

お客は30人くらい。
暗く静かな、落ち着く空間。
行き場所のない大人にはピッタリ。とはいえこの地にたどり着くまではなかなかしんどいけど。

千両みかんやなぎ
唐茄子屋政談小八
(インターバル)
ちりとてちん扇遊
床女坊吉笑

トリはベテランの扇遊師だと思い込んでいた。
まだ二ツ目(来年昇進)の吉笑さんがトリ。
渋谷らくごはこのあたりが一般の常識に縛られないのである。

行くつもりだったのに、朝から仕事しなきゃと強迫観念に駆られ、忘れていた。慌てて支度してやってきた。
そして、場内が暗いせいもあるのだろうが、なんだか異常に眠い日。別に寝不足でもなかったのだが。
やなぎさんと小八師の高座、それぞれ途中5分弱と思うが寝落ちしてしまう。

トップバッター柳家やなぎさん、着物について。
二ツ目にとって着物はポリエステルがいい。ダイソーで買った洗濯ネットがあればいつでも洗える。特に私には着物の替えが多く必要だ。
とはいえ大御所の師匠はみな正絹。これは気軽に洗えない。ちゃんと出さないと。
師匠・さん喬は着物にこだわりがある。ポリエステルは偽物。これを着ているようでは偽物の芸に過ぎない。
いつもこう聞かされていたやなぎさん、二ツ目昇進のときに師匠に相談する。ポリエステルにしようかと思ってます。
師匠即答して、お前はそれでいい。

その師匠から教わったであろう、千両みかん。
番頭さんがみかんを探して歩くシーンから、みかんを購入する段になって高いと言ってる場面まで、そっくり寝落ちして抜けた。
それから、サゲ付近も抜けた。ということは、大事なところほぼ抜けた。

続いて柳家小八師。
若旦那について振って、唐茄子屋政談。
最近唐茄子屋づいてて。入船亭遊京さんの二度目のものをじっくり聴き、おとなのタイムマシンで志ん朝も聴いた。
この一席も、まだらに記憶が飛んでいる。
街でかぼちゃ売ってもらう際、スカした半公がアニイに頭の上にかぼちゃ乗せられ、たくさん買わされるのが面白い工夫。
吉原田圃の場面はなく、売り声の稽古からすぐ誓願寺店へ。
誓願寺店で弁当を子供にやっちゃうくだりから、おじさんと連れ立っての再度の訪問までは完全に抜けた。
おかみさんは助かったのであろうか?

お奉行からお褒めをいただく若旦那だが、ラストにエピソードが加わっている。
演者が地に返り、若旦那、自分の力ではかぼちゃ2個しか売ってないですよ。しかも1個おまけです。
なので勘当は解けたものの、再びおじさんに八百屋を仕込んでもらうのだと。
そこで先ほどの半公が再度出てくる。上手いつくり。

半分の高座を寝て過ごすもったいなさ。
お二人とも、こちらがいい状態のときにまた聴かせていただきます。
しかし、なんとか目覚めた後半2席は圧倒的な内容でありました。
痺れた。

入船亭扇遊師登場。
普通の寄席は仲入り休憩ですけどここは2分間のインターバルで。頭をリフレッシュさせるためですね、
2分ではリフレッシュしないと思いますけど。
今日は昨日に比べて気温はちょっとはマシですけど、蒸しますね。
ここに来るときはいつも歩きなんですが、今日は電車で来ました。

先日遊京さんから、師匠の近所は高くて住めないので三鷹台にしたという話を聴いた。
師匠は井の頭線沿線なんでしょうね。そして、亡くなった先代志ん橋も同じところだったみたいで。

地球がおかしくなったようで、昔とは天気も違いますね。
台風の遠隔降水なんて昔は聴いたことがありませんでした。
以前のテレビでは、天気予報はニュース番組の後ろに短くついていましたね。
半井小絵さんなんて方がいらして。ピンと来ませんか。私好きだったんですけど。

私はテレビっ子です。
昔好きだったのは鉄人28号ですね。
あとは〇〇博士ですね(なんだっけ)。ぬいぐるみで、手だけ人間で、二人羽織みたいなんですよ。
まあ、全然おわかりでないようですが。

私は71になりました。昔の師匠は貫禄がありましたけど、今の私世代はダメですね。
軽いですよ。
芸術協会に瀧川鯉昇という師匠がいまして。この人と楽屋で一緒だと、安心できますね。ほんとに同世代という感じで。

続きます。

 
 

作成者: でっち定吉

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