ひらい圓蔵亭の桂竹千代(上)

《若鮎を応援する落語会:桂竹千代》

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7月によく出かけたので今月は控えめに。一応そう思っている。
でも、タダだったら出かけてもいいや。そんな、予定のない日曜日。
東京かわら版、ざっと読んではいるが、ざっとだからもちろん漏れもある。
ひらい圓蔵亭で無料の落語会を見つけた。最近よく聴いている、桂竹千代さんの会。
ひらい圓蔵亭は初めてだ。

両国や亀戸あたりは、円楽党のおかげですっかり馴染みである。2日前にも、江戸東京博物館に来たばかり。
その先では昨年、新小岩の図書館の無料の会にも来た。
間に挟まれた平井は、そうそう来ないところ。
20年ぐらい昔に、一度だけ江戸川競艇場に出かけた際、ここから送迎バスに乗った覚えがある。
ちなみに全国で唯一、海でも湖でもなく、川(中川)の水上でおこなわれる競艇場である。選手にもとても乗り難しい。
落語と関係ないですね。

さて駅から商店街を抜け、歩いて10分弱、平井公園の正面にひらい圓蔵亭がある。
「平井の師匠」こと故・橘家圓蔵の旧居。
平井公園には神輿が出ていた。
公園の片隅には、江戸川区による圓蔵の記念碑。
圓蔵の名跡、今どなたが持ってるんでしょうね。圓蔵は、その師匠も名乗っていた名だが、師匠から直接継いだわけでなく、それぞれ一代限りで借り受けた名前。
理屈では、「圓生」と一緒にその直系が持っていることになるのだろう。ということは塩漬けか。

圓蔵の有名な噺家論がある。
噺家には三種類しかない。上手い噺家、達者な噺家、面白い噺家だというやつ。
上手いのは志ん朝、達者なのは談志で、自分は面白い路線を目指すしかなかったと。
これ、いつも思うのだがどうもよくわからない。上手いと達者はどう違うのだろう。あと、面白さの追求が上手く、非常に面白いのに腕が目立つという人もいる。

立派な戸を開けて入る。
靴箱がない。靴用のビニール袋をもらう。
受付で、個人情報を詳細に訊かれた。フルネームで本名、電話番号、そしてどこから来たか。
詳細に聴かれるのは愉快ではないが、無料の会なのでさして気にしない。
落語がタダで聴けるなら、マイナンバーだって教えますぜ。
さらに私の顔を見て、「えー、30代・・・40代ですか? え? あー、お若い」なんてやり取り。
子ほめか。
ひらい圓蔵亭の千社札シールをいただく。

30人が定員とのことだが、ほぼ満員だった。予約をお勧めします。
この会場に居ついている常連さんが多いらしい。
それにしても、館内の圓蔵の展示はいつ観たらいいのだろう? 仲入り休憩もなく、会が終わったら、退出せざるを得なかった。

会場の方が手短に挨拶してスタート。
東京かわら版には、13:30~15:00とあるのだが、実際は14:30までだった。
こういうことはしばしばある。これも、有料だったら気分はよくないのだが、無料なので別にいい。
無料だと、なんでも結構許してしまう。つまらなかったら嫌だが。

竹千代さん登場。
ひらい圓蔵亭、始めて寄せていただきました。圓蔵師匠の家族になった気分です。
協会も違うので、私圓蔵師には間に合っていないんですがと。
みなさんは落語はお詳しいということでいいんですね、そばをたぐる仕草から始めなくていいですね。
柔道で潰れた耳や、お客の顔を一度では覚えられるわけがないといったマクラ。
お客さんのレベルを確かめますと、美術館小噺などを振ってから、猫の皿へ。
なんだか聴いたことがある。ミッドナイト寄席だと思う。
本編、なんと7分ぐらい。
これだけ短くまとまった猫の皿は初めて聴いた。NHK「演芸図鑑」サイズで、末広亭では重宝されそうだ。
短いが、無駄のないコントみたいで、大変面白い。
以前聴いた、春風亭柳若さんの猫の皿とよく似ているので、出どころは同じみたい。
柳若さんは、爺さんでなく婆さんに替えてやっていたが。

続きます。

作成者: でっち定吉

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