そういえば好好さん、自分の高座でもって、王楽師匠は王楽で亀戸に上がるのは今日が最後ですと言っていた。
2月はお休み(よみうりホールの披露目があるからだろう)で、3月は円楽として亀戸の披露目。
王楽師は好好いじりに余念がなく、自分では披露目の話はしない。
昨日届いた東京かわら版によると、七代目も「圓楽」ではなく「円楽」だそうで。
王楽師の好好いじりは続く。あ、今日落語ちゃんとしますからねとときどき断りながら。
続いては、池之端しのぶ亭の打ち上げなのか、湯島のランジェリーパブに行った話。
8人で行って、全員に下着姿の女性をつけてくれた。嬉しい。
こういうところで、何の仕事してるんですかと訊かれたら王楽師はいつもウソをつくことにしている。
「幻冬舎で編集の仕事をしています。そこの先生(好好)は小説家で、SM小説の大家なんだ」
女の子たち、わあすごい。私をモデルに小説書いてくださいよお。
好好は、「縛っちゃおうかな」。
この面白さが、どうして高座に出ないんでしょう。
しかし王楽師、ガールズバーやランジェリーパブの話で多くの女性客に引かれないのなら、そのこと自体が大したものだと思う。
息子さんもいるんじゃないのと引く人も中にはいると思うが。
番頭さん、といきなり噺に入り、客爆笑。
飯炊きの清造だけ帰ってきたが、息子はどうした。
実はお帰りではないようで。
大旦那は清造に化けて、親不孝息子を柳橋の茶屋「若竹」に迎えにいく。
これは不孝者。2023年の11月に聴いた。
王楽師への評価を爆上げしたきっかけの一席。
他の噺のほうがいいなとは思ったが、今回も素晴らしいものでした。
考えながら喋っているのが客にも伝わる。その点はもたつきにも感じるが、総合的には前回を上回っていた気がする。
考えながら喋るのは好楽イズムかも。親父の悪口ばかり言ってる坊っちゃん、やはり似ている。
普通のシーンなのにやたら面白かった場面が。
飯炊きとして若竹(潰れたんじゃないか、とツッコミ入り)を訪れる大旦那、物置で燗冷ましをあてがわれて待たされる。
女中は、飯炊きが玄関にいられると困るので、ついてきてくださいと声を掛け、物置に案内する。
その描写中、この人が大旦那であることを一瞬忘れていた。飯炊きとして扱われているからだ。
その後大旦那の独白に替わって、ああそうだったと思い出すのだ。
わかっているけどなかなか劇的。演者も狙ってると思うけど。
「親不孝ものめ」と大旦那がつぶやく場面は増えていたと思う。確か4回。これでサゲが際立つ。
昔旦那の囲っていた芸者の欣也が間違えて入ってきてからは人情噺。
欣也を手放さざるを得なかった大旦那だが、今回感じたのはわずかなジェラシー。
大旦那は欣也に幸せになって欲しい、これは本音。
だが、別れたあと欣也は別の旦那の世話になり、いっとき所帯を持った。
この新たな旦那に対する、描写されてない大旦那のかすかなジェラシーを感じたのだ。
そういう肚でやってると、客に伝わるのだ。
仲入り休憩、外に出るのも大変。
クイツキ兼ヒザは三遊亭萬橘師。
出てくるだけで笑いが上がる。口を開くだけでまた笑い。
萬橘師も「フラ」の持ち主と言えるかもしれない。
亀戸梅屋敷寄席始まって以来の札止めですね。
ここの寄席は普段、3人入ると大入り袋が出ます。
月に10日ぐらいやってますので.またぜひお越しください。
私は空気読んで短めにやります。
ただ、お客さんの態度次第では長くなって、なかなか下りません。
王楽師匠の相撲観戦はテレビで観てました。知らない人が、「あ、王楽さんだ。隣の貫禄ある人に招待してもらったんだね」と言ってました。
巳年は脱皮の年ですよ。縁起いいんです。
私は豊川の出身です。薄情な土地で、なかなか呼んでくれません。
年1回はあるんですけどね。これを2回にしようとしてくれるおばさんがいまして。
巳年だし萬橘さんも故郷にニシキを飾らなきゃ。
あ、シャレですけどわかりませんでした? (袖向いて)おい、今日の客やべえぞ。
でも、年2回の案は反対されました。別のおじさんが、「ガラガラだったらどうすんだ」(客拍手)。
落語協会や芸協の定席だったら、ヒザ(噺家の場合はヒザ前)での笑わせ過ぎはご法度である。
でも、演者の少ないこの寄席は問題ない。と思うのだが本当にいいのかなと心配になるぐらい笑わせる。
萬橘師の滑舌はすごいなと改めて感心。好好さん聴いてるからなおさら。
本編は堪忍袋。
芸協でよく出る遊雀型っぽいが、遊雀師に教えたのは円楽党の竜楽師であるから、そちらから来ているのだろう。
(2025/1/27追記)
萬橘師、冒頭で「中居引退」を伝えていたのを思い出した。
その時点では客は知らなかったと思う。
本来わざわざ追記する情報じゃないのだけど、当日いらした方から「中居ニュースを避けている!」と痛くもない腹を探られたらイヤだなと思いまして。
誰に気を遣ってるのやら…