亀戸梅屋敷寄席36(上・三遊亭好好という男)

平日の亀戸梅屋敷寄席、23日はなんと兼好、萬橘、王楽の円楽党大三元が顔付けされている。
青龍(兼好)、朱雀(萬橘)、白虎(王楽)のイメージです。すなわち、發中白。
前座含め5人出る亀戸の、真打3人がこの人たちということ。
普通は分散させるもんだが。

X読んだら12時頃から整理券配布とのこと。
なんだかかえって面倒になり、一度はやめようかなと。
3月に、亀戸で圓楽襲名披露もあるし。
新横浜コットン亭(吉緑、いっ休)に替えようと思ったのだが、前日夕方に予約の電話したらもう繋がらなかった。きっと丸八真綿社員の新年会だろう。

当日も悩んだが、早く行って整理券さえ取ればいいのだと考え直して出撃。
今日も葛飾区還元絡みだけど。
12時ジャストにけろよんさんが出てきて、今から50枚配布しますとのこと。
げんきさんから整理券もらう。
食事してファミマのイートインで仕事ちょっとしてから再度梅屋敷へ。
13時前に戻ったのに、すでに整理券のない一般入場を開始していた。整理券とは何でしょう。

亀戸の町、急にエスニック中華が増えた。
向かいのマンション1階には、ビャンビャン麺と蘭州牛肉麺の店が並んでいる。
今度食べよう。

手紙無筆 げんき
たらちね 好好
不孝者 王楽
(仲入り)
堪忍袋 萬橘
茶の湯 兼好

目算だが、立ち見含めて130人入ってました。もちろん札止め。
156,000円の売上。
ちなみに萬橘師によると131人だそうで。

開口一番はげんきさん。
外れのない前座さん。
携帯電話の注意のあと、付属マクラはなく、手紙無筆へ。
前座噺じゃないが、前座がやってもおかしくはないし、聴いたこともある。

この噺、無筆のくせに手紙を読む羽目になるアニイがあまりにもあまりな気がして、そんなに好きじゃない。
でもげんきさんは軽くていい。すごくいい。
手紙を読んで欲しい八っつぁん、もうわかってアニイをからかってるのか、それとも本当に気づかないのか、どちらにも取れるところが最高。
こうすると結構自然に聴こえる噺である。
八っつぁんは基本敬語。
クスグリでなくシチュエーションで笑わせる、なかなか手練れのワザだ。

八っつぁんときどき両手を広げるオーバーアクション。
げんきさんの真田小僧(1銭はここまで)を思い出す。

たったひとつ気になるのは、(げんきさんだけじゃないけど)アニイが町内に聞こえるよう、八っつぁんの無筆を笑うシーン。
これはなくていいんじゃないかといつも思う。

二ツ目枠はボールドヘッドの好好さん。
今日は早めに来ました。
お客さんに、今日はすごいメンバーですねと声掛けられ、ありがとうございますと答えて怪訝な顔をされました。
お客さんに寒くないって訊かれます。寒いです。
テレビ出たんですよ。映っただけなんですけど。
王楽師匠に大相撲連れていってもらいまして。相撲は好きなんですけど国技館自体初めてです。
どうして王楽師匠が私を誘ってくださったのか考えました。
砂かぶり席は力士が飛んで来ることがあります。来月襲名を控えた師匠を、ケガから守るのが私の役目ではないかと。
ただあの人、結構ビビりなんで飛んでくるだいぶ前からよけてます。そして私はその影に隠れました。
あとダイエットの話。

本編はたらちね。ボードには垂乳根とある。
円楽党のたらちねは、お嫁さん自身が清女でなく千代女。
この名を使ったダジャレサゲは、確か好青年さんから聴いた。

身を固めろと言われた八っつぁん、「東京湾に沈められたら嫌だ」。私の嫌いなセメントや、サイが出てこないのは気に入った。

前半はウケてたのだが、この人は滑舌が微妙に悪い。スピードアップすると、タチツテトがあやふやになってしまう。
滑舌よかったら面白いのだが。といってそう簡単によくはならないだろうから、悪い滑舌に合わせた噺を開発するしかないだろう。

仲入りの王楽師が出てからが、好好さんの真骨頂。
王楽師に散々いじってもらった。

好好、終盤どんどん笑いが減ってきましたね。マクラがピークでしたね。

客も内心思ってることを明らかにしてもらって安心。

野球とか、ガールズバーとかあいつ結構連れてきます。
面白いんですよ。
相撲のときはキョロキョロして、「あ、あそこに鯉昇師匠が。いえ、ただのハゲでした」お前が言うな。
野球のときも、ぼくがジャビットくんに手を振ったら、「中、人間ですよ」。
錦笑亭満堂襲名披露の帰りは、好好もついてきました。あとは萬橘門下の萬丸と、兼好門下の兼矢です。
一刻も早く満堂から離れたかったみたいで。師匠のしつけのたまものです。
好好ね、あいつ女の子大好きで。たらちねでも、「結婚したい」がにじみ出てましたね。
神楽坂のガールズバーに行きました。あいつああいうお店に行くと、完全にくつろいじゃって私に気を使わなくなります。
そして、女の子に偉そうで、「お前」って呼ぶんですよ。

「お前さあ、鼻にピアスしてるってことは学生時代とか遊びまくってたんじゃねえの」
こんなです。
明日も好好ネタの続きから。

 

作成者: でっち定吉

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