二ツ目さんの落語も楽しいし、決して飽きたりはしないのだが、ご無沙汰気味の寄席四場に戻ろうと決意したところである。
世の中に存在する噺家のすべてを聴いてみようなどと思う、そんなマニアックな人もいるかもしれない。
だが、すべて聴く必要などないし、聴いて得られるものもないと思う。
寄席というものは、席亭が選ぶ芸人だけが顔付けをされる場所。客に対して恥ずかしくない芸人だけが出ている。はずである。
そんなことないぞという意見もあろうが、まあ客の好みは十人十色。需要のある芸人さんならちゃんと呼ばれるのだ。
落語協会直営、安い黒門亭も、ちょっとなと思うことが最近あったりして。
10月の、柳家小ゑん師匠のネタ出し「アクアの男」には行きたいのだけど。
しかし、10月から寄席も値上げだ。世間に合わせて仕方ないことだが。
鈴本演芸場と浅草演芸ホールがそれぞれ200円値上げして、大人3,000円。
浅草は学生も200円値上げして、2,500円。
鈴本は学生据え置きで引き続き2,500円。
鈴本・浅草ともほぼ同じ料金体系になった。
ただ、鈴本は入れ替え制である。
寄席としての鈴本は好きなのだが、よりパフォーマンスを追求するなら流し込みの浅草に行かねばならない。
パフォーマンスを追求したいなら、たとえ携帯が鳴ろうが、ビニール袋をガサゴソさせるババアがいようが、高座の最中ずっと通路を歩くジジイがいようが、浅草に行くべきといえるかもしれない。いや、行こう。
10月から子供のために、読売中高生新聞というものを購読し出したのだが、浅草のタダ券もらえないかしら。朝刊取らないとダメ?
新宿・池袋は料金据え置き。池袋以外は大人3,000円で統一された。
池袋は対象外だが、「東京かわら版」の割引を駆使して寄席に通うことにしよう。200~300円引いてもらえます。
ちなみに指定席の国立演芸場も、チケットをWebで取らず、現場でかわら版を出せば200円引いてもらえる。もっとも、売り切れたらどうにもならないが。
国立も料金据え置き。こちらは大人2,200円と安い。
さて、落語協会・芸術協会とも、真打昇進披露をやっている。
芸協、柳亭小痴楽さんはひとり昇進。どこかでつかまえたい。
笑点特大号でフィーチャーされて、落語も紹介されていた。
芸協、歌丸引退後の空いた枠を落語協会に取られたが、最近の笑点に対し、影響力が強いのはこちらのようだ。
芸協らくごまつりの模様も放映されていたけど、落語協会謝楽祭は、たい平師が実行委員長なのにどうしたの?
(※ 後日たっぷり尺を取って放映されました)
落語協会のほうの4人で、私が一番聴きたいのは古今亭ぎん志師。元の名前はさーちゃんこと初音家左吉。
今回の昇進組では、二ツ目時代にもっとも聴いていると思う。余力のある古典落語を掛ける人という印象。遊びと言い換えてもいいか。
高座で遊ぶということよりも、噺にマジに迫れるけど迫り過ぎない余裕がいいと言おうか。
師匠独自の亭号である、ウグイスモノマネ由来の初音家でなくなったのはわかるが、古今亭になったことはちょっと驚いた。
金原亭は古今亭から出ているのだから決しておかしくはないのだけど、まずは金原亭になると思うではないか。
ただ、新しい名に「銀」が入っているので、金原亭だと金っ気が強すぎるということらしい。
他の人も実力は知っているつもり。
人気者の柳家わさびさんも、なんだかよくわからないが楽しい高座の人。