三遊亭遊雀師匠の天才ぶりを改めて感じた落語会。
他によかったのが、初めて聴く立川雲水師。
落語を聴くコツを「あいうえお」で紹介。
あ・・・あくびしない
い・・・いびきをかかない。
ここで、長野・飯田における師匠談志の会で、いびき客から提起された裁判を紹介。
噺家勝訴の判例が出ている以上、同じことがあったら勝てるので、私は最高裁まで闘いますだって。
「う」「え」はなんだったか忘れた。
下ネタ(H系の)に、女性のお客さんも上品ぶってないで笑ったほうがいいですよという話だったけど。
1日分のネタにならなくて珍しくアップしていないのだけど、先日芸協の噺家からあいうえおは聴いた。だが中身は少々違う。
そして。
お・・・オチを先に言わない
落語なんてもの、聴いたことのある噺が掛かることもしょっちゅう。知らない噺でも、展開が読めてしまうことはあるでしょう。
女性のお客さんは、得てして隣のお友達に教えたがるが、あなたがわかったということは、隣の人もわかってますよ。
などという教育的なマクラを、ちゃんと楽しく語る雲水師。
こういうのはどんどんやって欲しいですね。落語を聴いて、自我をむき出しにするのは恥ずかしいんだということを伝えないとわからない人も多い。だからって噺家が客を叱っちゃいけない。
本編は宗論。雲水師は上方落語だが、この噺は江戸ダネだと思っていた。上方由来なんですな。
といっても、江戸も上方も、ほぼ関係ない内容ではある。ギャグたっぷり。
アメリカからやってくる神父の名はディオール。なのでクリスチャン・ディオール。
外人なまりに影響された息子が、やたらと日本語を言い間違え、三度目に言い直す。客は毎回、いったいなんだろうと疑問を持ってからそれが解消するので、思わぬ笑いが起こる。
私にとっても非常に面白かったけど、讃美歌とアンミカの言い間違いを除いて全部忘れた。
ちょっとギャグの数、多過ぎたようには思ったが。
ギャグまみれの落語なのに、ギャグで噺が壊れていないのは不思議だ。むしろ、ここまでギャグをぶっ込むなら、噺を壊してしまおうと考えるのではないか。
とことん軽いからなんだろう。軽い落語においては、楽しいギャグも忘れて全然構わない。
こういう芸は、本来は寄席向きだよなと思った。
立川流だから、芸協や円楽党のゲストに呼んでもらえない限り、寄席といっても出られるのは広小路亭と日暮里ぐらいだけど。
雲水師が、それらの席の顔付けをしていた一時期、師のブログを読んでいたことがある。複数の弟弟子を匿名でボロクソに書く内容。
匿名といっても丸バレで、丸バレをあえて承知で書いている、面白いがいやらしいブログ。立川流は身内に厳しい。
落語ファンに評判悪い弟弟子たちとはいえ、雲水師、いじめっ子気質のようである。しかも、その弟弟子のひとり、いっさい顔付けしなかったのだから徹底している。
久々にそのブログ覗いてみたら、休業状態だった。