コロナ緊急事態宣言と落語界

柳家喬太郎師のマクラの秘訣について書いていたところなのだが、ちょっと別ネタを挟み込ませてください。
緊急事態宣言発動により、ついに寄席も完全中止となった。
今ごろ、寄席が閉まろうがどうしようが知るか? まあ、おおかたのご意見はそうでしょうが。しかしこれまで、なんとか開けていた寄席もついに白旗と思うと感慨深いものがある。
すでに落語協会と芸術協会では、宣言の前から、4月6日から12日までの寄席の中止を決めていた。寄席四場の完全中止である。
6日は、四場に入らないお江戸両国亭の両国寄席だけ開いていたのだが、緊急事態宣言実施予定を受けて昨日7日からようやく中止。
ここは新真打の披露目を開催していた。なんとかやりたかったのだろうが、ついに中断。
新真打・三遊亭楽大師のツイートによると、席亭である永谷商事が中止を決めたということだ。
ということは、円楽党としてはまだまだやるつもりだったのだろうか。
円楽党のファンである私だが、ここまで遅い決定、もうなんともいえません。小規模の団体だけにやめどきが分からなくなってしまったということはあるのだろう。
永谷演芸場のサイトは混乱していて、土日を休止にするという古い情報しかトップには出ていない。だが、慌てて7日から予定を真っ白にしている。
上野広小路亭では、15日まで定席を開いている芸協以外にも立川流や講談の席、各派混合のしのばず寄席など多数おこなわれているが、すべて中止。

結果的には、円楽党の真打披露興行自体も、スライドさせるべきだったという評価になるのだろう。
そうはいいつつ、始めちゃったものは仕方ないが。披露パーティーもなんとか済ませところだったし。
私も、志村けんが亡くなるまではこの興行に行くつもりだったので、始めた決定に対して偉そうなことは言えない。

立川流もひっそり真打昇進がある(志の春)が、寄席で披露目をするわけじゃないので、延期しても会がズレるだけ。

しかし、これだけ大騒ぎになると、寄席でコロナ感染という人も間違いなくいるだろうな。可能性としては私だって。
そして中には、自覚症状なく感染し、まったく意識しないまま完治し、免疫が付いたという人もいるかもしれない。その間、何人もに感染させて死者も出し。
まあ、そんなことがあったって、お互いさまだ。
噺家にもきっといると思う。東西併せて850人いる噺家が、全員セーフということがあるだろうか。飲み会やってた人もいるし。
世間に比べて喫煙者や基礎疾患の人が多いので、発症したらえらいことになりそうだ。

とにかく、都内の寄席は連休明けまで、興行はもう一切ありません。
どこかでひっそり落語会をやることも、さすがにそうそうないだろう。
芸協では新真打披露が5月から予定されていたのだが、秋以降に順延が決まった。
これはむしろ物理的な問題だが、しかし彼ら新真打にとっては幸いだったと思う。こんな時期に真打になってもね。
ちなみに、昔昔亭A太郎、瀧川鯉八、桂伸三改メ桂伸衛門の3人。
芸協の場合、この後の真打は抜擢の桂宮治。これは2021年2月の予定なので、秋は空いている。
その前に、消化しきっていない神田伯山の披露目が残っている。国立と広小路亭(1日だけ)はやるだろう。それから日本講談協会での披露目も。

すでに始まっていた落語協会の真打披露のほうも、1席目の鈴本が2日間中止。2席目の浅草は、3日間だけで中止となった。
これは続きをいつやるのだろうか。
秋は、三遊亭金馬襲名があるので、それまでにやらないとならない。まあ、真打昇進と襲名を重ねて実施する例はないわけじゃない。
コロナさえ終息すれば、別に7月や8月あたりに披露目やったって構わないと思う。客は少ない時季だけど、むしろ反動で集まるかもしれない。

落語協会の二ツ目、春風亭正太郎さんが、面白いことをつぶやいていた。

そうなるかもしれない。
そうでないかもしれない。とりあえず、先を読むのは大事だろう。
その前に、落語界の高い喫煙率をなんとかしたほうがいい気がするのだが。せっかくの芸と一緒に世から消えないで欲しい。

毎日更新当ブログも、寄席に行けない以上、この先のネタがほぼなくなることが確定。
VTRコレクションと「丁稚の落語論」だけで、5月の連休明けまで持つだろうか?
テレワーク落語会に対しては、今のところさして関心がないし。
新作落語のネタを思いついた。今年の新作台本募集に間に合えば出したい。
でも、ブログのネタが続くかどうかとは関係ないな。
落語ネタの新作は、応募しても落ちるに決まっているので、書き上げればここで出します。

作成者: でっち定吉

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