サンスポの特ダネらしい。他はみな追随。
歌丸さんからバトン!落語芸術協会の新会長に春風亭昇太「お断りするわけには」
落語芸術協会の、現会長代行兼副会長・小遊三師が、会長に当然昇進するのかと思ったら固辞とのこと。
落語に専念したくて会長をやりたがっていないという噂は本当だった。確かに小遊三師、意外と自分が前へ前へという人じゃない。
協会の会長がどうあるべきかというのは難しいが、顔である以上、売れっ子を選ぶに越したことはないのだろう。小遊三師に押し付けられた格好ではあるが、 昇太師の売れっぷりは圧倒的である。
「ストレスの海」「力士の春」をはじめとする新作落語ですでに功成り遂げていて、近年は古典落語の評価が非常に高い。
弟子の昇吾さんなど、昇太師が新作の人だと知らず入門したそうで。
古典でも新作でも、登場人物がみな躁病だという落語、この人にしかできまい。
笑点のファンから落語マニアまで、等しく満足させてくれる得難い人。
本業や笑点の司会だけでなく、ドラマに多数出て、特番の看板番組もやって。
ドラマも賑やかしではなくて、空気を変えてしまう圧倒的な存在感。
そして忙しいのに、寄席にもちゃんと出ている。たまに、それも主任の芝居だけだが。
昇々さんをはじめ弟子も面白く、売れている。
芸協の顔に求められるタレント性はほぼ完璧。
実務型の会長、落語協会の柳亭市馬師とは対照的だ。謝楽祭など行くと、市馬会長の人気の凄さも肌で感じたりするけど。
そういえば、キャリアは市馬師が上だが、昇太師のほうが年長である。あの童顔にして。
昇太師の師匠の柳昇は、会長がやりたくてやれなかったらしい。米丸長期政権だったので。
弟子の恩返しといえないこともない。
副会長は誰がやるのかな。もう理事会で内定してるんだろうけど。
芸協の香盤を見て勝手にじっくり考えてみたが、桂文治師なんか適任じゃないかと思ったんだが。次の会長の目も踏まえて。
ただ、実務型の人がまずは入るか? なにをもって実務型というかわからないが、桂歌春師とか。
昇太会長で、芸協はなにが変わるだろうか?
急には変わらないだろう。東京の落語界について、再編成の芽はすでに歌丸時代に撒かれている。
団体の統合まではすぐにはできないかもしれないが、円楽党との協力関係のさらなる強化はあるだろう。寄席のゲスト枠以外に、円楽党枠ができたり。
協会は互助組織でもあるから、かつての円楽師からの、芸協へ統合の申し出は断られた。売れない噺家も保護しなきゃならないし。
でも芸協の寄席の番組見ていると、互助関係は維持したまま、メンバーを強化する余地はまだまだあるなといつも思う。
円楽党の両国寄席のほうにはすでに芸協の噺家も多数出ていることだし、相互の枠はさらに大きくなるのではないかな。
そして、パワーを増していく芸協に、談幸師に続いて立川流から移籍してくる人も多少いるでしょう。
笑点では、円楽師のギャグが増える。
「会長やるんだから司会は寄越せ」に対して、「正会員にしないぞ」と反撃する昇太師。これはややうっとうしい。